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【藤森香衣のがんコラム】Vol.7: 病気を乗り越えた人たち

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サバイバーとしての活動

先日、初めてお会いした女性と、何気なく乳がん検診の話になりました。初対面なので、もちろん私がサバイバーだということは知らず、「健康診断で、乳がんの項目だけ『経過観察』と言われたんだけど…」という、同世代によくある会話をしていました。

その女性は、お母様が乳がんサバイバーということもあり、不安で気になるけれど、どうしたらいいのかわからず悩んでいるとのことでした。 私は自分の経験を伝え、「少しでも不安ならば、きちんとした病院で検診を受けて」という話をしました。すると、その人は、はっとした表情になり、

「どこかで聞いた話だなと思って、いま、話を聞いていたんだけれど…この前、テレビに出ていなかった?」と聞いてきたのです。

まさか偶然、私が出演したテレビを観ていた人に出会い、直接、検診についてお話ができるなんて!メディアの力の大きさを改めて実感しました。そのテレビ番組では、私が乳がんと向き合うことになった「きっかけ」と「これから」について、取材をして頂きました。5分間の番組でしたが、放送後すぐに、「たまたま観ました」という方々からメッセージを頂き、とても嬉しかったです。

終わりを意識することで、生きていることを学ぶ

病気を公表してから、「実は私も…」と話してくれる、がんサバイバーの方に多く接するようになりましたが、それと同時に「別の大病を乗り越えた」という体験を話してくれる人も増えています。

1か月以上も入院し、孤独を味わったり、病気であることを受け入れられなかったり、仕事が続けられず転職せざるを得なかった…など、それぞれの苦しかった時間をぽつり、ぽつりと皆さん話してくれます。

大病を乗り越えた、ほとんどの人が言うこと。

それは、「人生観が変わった」という言葉です。

あまり考えたくないことですが、生きている以上、いつか人生には終わりが訪れます。しかし、そんなことを毎日考えていたら不安で苦しく、暮らせなくなってしまいます。人はそれを無意識に避けて日々を過ごしていますが、若くして「死」というものを意識する経験をすると、当たり前のことなどないのだという現実を直視しなくてはなりません。

だからこそ、生きていることの素晴らしさに気づき、自分の人生や、周りの人たちが尊く、大切に思えるのです。

テレビ東京「生きるを伝える」2014年11月15日放送:出演バックナンバー動画

誰かに伝えたい

病気をすると、治療が終わっても後遺症が残ったり、以前と生活ががらりと変わってしまったという人も少なくありません。そうした変化を抱え、毎日、ポジティブな気持ちだけではいられないこともあると思います。がんは特に、告知からのショックも大きく、不安と恐怖との戦いです。だからこそ、同じように病気を乗り越えた人と分かち合いたいし、悩み、苦しんでいる人の支えになりたいと思うのです。

自分の経験を誰かに伝えることは、サバイバーにとっても癒しになるのだと、今は感じています。

~モデル:藤森 香衣~

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