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アフリカのイメージを覆す「天空の王国レソト」での冒険

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筆者撮影

こんにちは。約3年半で世界2周の旅を終えたTRiPORTライターのタニです。

皆さんはアフリカに、どのようなイメージを持っていますか? 「野生動物」「サバンナ」「酷暑」といった言葉が頭に浮かぶのではと思います。今回お話するアフリカの「レソト」は、そのイメージを180度覆す、知る人ぞ知る山岳国家です。

周囲を南アフリカ共和国(以下南ア)に囲まれたレソト王国。全土の平均標高は1,400mを越え、「南部アフリカの屋根」と称されています。南アのピーターマリッツバーグから乗り合いバンを2回乗り継いで入国したのは、レソトの東側、サニ・パスの国境。世界遺産にも登録されているドラケンスバーグ山脈をつづら折りに進んだ先にある、自然豊かな素朴な国境です。

私がレソトを目指した理由はトレッキングをしたかったから。世界2周目の旅では各国最高峰に挑戦したいと思っていたので、それ以外は全く考えていませんでした。南アでキャンプセット(食材等)を揃え、サニ・パス国境に到着。そこでまず、交渉すべき重大事項をクリアしなくてはなりませんでした。

筆者撮影

入国審査官に滞在許可日数の延長を交渉

レソトでは通常2週間の滞在許可がもらえます。しかし、私が考えていたトレッキングプランを実行するには2週間では到底足りません。そこで入国審査官にお願いにお願いを重ね、1ヶ月の滞在許可を申請。私はレソトでの予定表を提出し、トレッキングをどれだけ楽しみにしていたのかが伝わるような熱いプレゼンをしました。

その熱い想いが伝わり、最後は飽きれ気味の笑顔をされながらも、「特例」入国許可を得ることができました。入国審査官によると「2週間以上もこの国に滞在予定を組んでくる旅行者なんてめったにいないよ」とのこと…。

私がそこまで執拗にレソトにこだわった理由はその地形にあります。「ドラケンスバーグ山脈の入り組んだ美しさと、緑広がる高原地帯を体中で味わいたい」という一心でした。

国境のサニ・パスにはホテルも併設されており、南アからの日帰り旅行者がたくさん。私は少し離れたキャンプ場でいつも通りにテント泊をしました。

南半球に位置するレソトの3月は秋が始まる頃。山岳気候ということもあり、気温は朝方にはマイナス5度を下回る寒さになります。前週まで滞在していた南アのダーバンの気候(約25度)とあまりにも差があったため、明け方には手先が冷えきり、朝4時過ぎには寒さで目が覚めてしまいました。

サニ・パスには3泊滞在。レソト最高峰であるタバナントレナニャ山(3,482m)とホジソンピーク(約2,800m)を歩くため、しっかりと体力を回復させました。いつも通り、90Lのバックパックに登山グッズを詰め込みます。その荷物を背負っての移動は毎回本当に大変でした。しかし、山を歩くためには仕方がないのです。

タバナン山はカーボベルデに次ぐ2峰目の最高峰。前日は楽しみでよく寝れないという、まるで遠足を控えた小学生のような心境でした。

迎えた当日、専門ガイドを雇い、まだ薄暗い朝5時から登頂開始。ガイドはソト族伝統(レソトとはソト語を話す人という意味からきています)のマントをまとった18歳の青年。英語が話せるガイドと聞いていたのですが、わかる単語は「Let’s go」「No problem」「Money」という”立派な”ものでした(笑)。

タバナン山までは起伏が少ない山道を5時間強ほどかけて進みます。天候は雨男の私にとっては珍しいベストコンディション。11時過ぎ、大快晴の元タバナン山に到着。東側には南ア側のドラケンスバーク山脈が雄大に広がっています。近くで羊飼いの仕事をしていた男性も加わり、山頂で記念撮影をしました。

登頂時の爽快な気分と、山頂で食べる弁当のおいしさは、言葉に表現できないほど格別です。私がトレッキングにやみつきになる最大の理由がこれなのです。私がトレッキグを本格的に始めたのは約8年前の20代後半。胃腸が究極に弱いことを言い訳に、それまで挑戦しなかったのを少々後悔していますが、一度殻を破った以上はとことんトライしてみようと思っています。

筆者撮影

ナタを持った男が襲ってきた

タバナン山の翌日は、ホジソンピークに挑戦。キャンプ地から山頂も見えているので一人で登ることにしました。しかし、そこでは思いもよらぬトラブルが…! ホジソンピークからの帰り道、丘の上からソト族の羊飼いが何やら大きな声で叫んでいます。何かイヤな予感がするなあ、と思った瞬間、2人の羊飼いが左手にナタを持ちながら丘から猛ダッシュで私の方向に走ってきたのです!

「安全だから問題ないよ」と聞いていたサニ・パス周辺でしたが、そんなことはありませんでした。ナタを持った男を見て、かなり焦りましたが、走って逃げたら余計に襲われるだろうと思い、笑顔で彼らに手を振り、そのまま歩き続けることに。約3分後、息を弾ませながら駆け下りてきた2人の羊飼いに挟まれてしまった私…。案の定ナタで脅され、お金を請求されました。

なぜか意外と冷静だった私は、サニ・パスで長期間泊まってる客であること、昨日ガイドの18歳の青年とタバナン山を登ったこと、売店のおばちゃんと仲が良いことなど、この土地に関係する私の情報をとにかく伝えてみると、誰かに告げ口されたらマズイと思ったのか、悔しそうな顔をしながらその場を立ち去ってくれました。

このようなハプニングに遭遇したものの、その後は何もなかったかのように美しいドラケンスバーク山脈を堪能。秋口のドラケンスバーク山脈は刻々と天候が変わります。快晴かと思えば、突如道中が霧に包まれることも珍しくありません。ただ、透き通った空気を吸いながら緑に囲まれた標高2500mの地を思う存分歩けるだけでも幸せなことなのです。

筆者撮影

次回はレソト西部で人口20名の村にホームステイし、とある村の幼稚園に宿泊したお話などをご紹介できればと思います。どうぞお楽しみに。

文・写真:大谷浩則

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