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異なる歴史の側面 − 教科書で知っているつもりになっていた戦争

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Photo Credit: Tomoka Aono「第二次世界大戦激戦地コレヒドール島で戦争の歴史を学ぶウォーキングツアー」

こんにちは!TRiPORTライターの冒険女子アオノトモカです。

天皇皇后両陛下がフィリピンを訪問し、その様子が連日大きく報道されていましたね。両陛下が太平洋戦争の戦没者の慰霊をされ、日本でもフィリピンでも注目されていました。それにあたり、様々なテレビ番組でも当時フィリピンでの戦闘に実際に参加していた方ご本人や、その遺族の方々のインタビューなどの特集が組まれていました。

今回の件がきっかけで、フィリピンで多くの犠牲者を出す戦闘が繰り広げられていたことを、初めて知った人も多いのではないでしょうか。フィリピンでの戦争の歴史に関しては、ぜひこちらの記事も読んでみてください。

現実味のない歴史の教科書

歴史や戦争に対して特別な興味がある人を除いて、日本軍がアジアに侵攻していたという事実は知っていても、具体的にどの国でどのようなことが行われたのか、という詳細については知らない人が多いのではないでしょうか。中国や韓国との歴史認識の相違については度々議論されていますが、その他のアジアの国で起きたことについては見過ごされがちです。

少なくとも、日本で普通に暮らして普通の学校に通い、普通に歴史の授業を受けてきた私は、日本の外に出るまで日本軍のアジア侵攻について、どこか他人事のように考えていたように思います。歴史の教科書の中に数行だけ記されている残虐な歴史は、あまりにも現実味がなく、年号や事件の名前を暗記するのに精一杯で、その数行で何百万人もの命が失われているという事実には全く考えが至りませんでした。

シンガポールでの衝撃

Photo Credit: Tkya K「観光するならココ!シンガポールのおすすめスポット」

私は大学生の頃、アメリカ人の学生とともにアジアのスタディツアーに参加し、「アメリカで語られる」アジアの歴史を学びました。特に戦争に関する部分では、日本軍がアジアの国々を侵略したこと、多くの人の命が奪われたことが生々しく語られ、私は日本人としてクラスの中でとても居心地が悪かったことを覚えています。

さらに私に衝撃を与えたのは、そのスタディツアーの中で訪れたシンガポールのシロソ砦の展示でした。第二次世界大戦中に日本軍がシンガポールを占領していた当時の様子が、様々な資料を通して生々しく語られ、その事実を知らない自分が日本人としてとても恥ずかしいと感じました。

広島での衝撃

Photo Credit: Yoko「青春18切符でめぐる広島~千葉の旅!(6日間)」

その後スタディツアーでは、広島の原爆記念館を訪れました。今度衝撃を受けていたのは、アメリカ人の学生達でした。アメリカ人の中には「アメリカの原爆投下は正しい判断だった」と考える人もたくさんいます。しかし、原爆記念館から戻って来たアメリカ人学生達は皆青ざめ、とてもショックを受けている様子でした。それはまるで、シンガポールのシロソ砦から出てきた自分を見ているかのようでした。アメリカ人の学生達は「日本で語られる」原爆の被害を目の当たりにしたのです。

語る立場によって「異なる」歴史の側面

Photo Credit: Tomoka Aono「第二次世界大戦激戦地コレヒドール島で戦争の歴史を学ぶウォーキングツアー」

このとき私は「歴史」には様々な側面があることに気づきました。アメリカで語られる歴史も、日本で語られる歴史も、どちらも同じ出来事について語っていて、どちらも嘘を言っていないと思います。しかし日本軍のアジア侵攻や原爆投下における立場の違いから、歴史教育において強調される事柄が違うのです。アジアの国々へ対する侵略戦争の歴史からなるべく目をそらし、原爆の被害者であることを強調する日本。アジアの国々を日本の残虐な侵略行為から、原爆によって解放したのだと主張するアメリカ。歴史を語る立場によって、こうも見方は異なります。

私たちがすべきこと

シンガポールだけではなく、アジアの様々な国で私は戦争の爪痕を目にしました。日本人として目を背けたくなるような事実に遭遇することも、たくさんあります。しかしそういった事実から目を背け続けてしまったら、いつかその事実は忘れ去られ、同じ過ちを繰り返す日が来るかもしれません。

終戦から長いときが経った今、若い世代の人たちが積極的に戦争の歴史を学び、その悲惨さを後世に伝えていくのは非常に重要なことではないでしょうか。そして日本の外で違う視点から戦争の歴史を学び、自分の目で確かめることで、心のより深い部分に戦争の歴史を刻むことが出来ると思います。

ライター:アオノトモカ「冒険女子」
Photo by: Yoko「青春18切符でめぐる広島~千葉の旅!(6日間)」

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