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ドラマや映画で「スピード再共演」続出 制作側の狙いとは 

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 映画『orange-オレンジ-』が絶好調だ。昨年12月の公開後、すでに動員241万人を記録。興行収入も30億円突破は確実と見られている。主演を務めるのは、『下町ロケット』で阿部寛の娘役を演じていた人気女優・土屋太鳳と、ドラマ『デスノート』映画『ヒロイン失格』など活躍するイケメン俳優・山崎賢人。実はこの2人、昨年まで朝の連続テレビの小説『まれ』で1年間共演し続け、最後は夫婦役まで演じていたのだ。「実は最近、こうして間を置かずに俳優が再共演することが多いのです」(業界関係者)。そんな、異例ともいえる「スピード再共演」ブームの狙いと効果とは?
 
 映画『orange-オレンジ-』は、未来の自分から届いた手紙をたよりに土屋太鳳演じる高宮菜穂が、山崎賢人演じる同級生・成瀬翔(かける)を悲劇から救うというSFラブストーリー。

 この土屋はさらに、『まれ』で弟役だった葉山奨之(しょうの)と、今年8月に公開される映画『青空エール』で同じ吹奏楽部の仲間として再び共演することが決まっている。しかもこの土屋は、今年1月4日に放送された『女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘』(フジテレビ系)でも、『まれ』でクラスメート役として共演していた門脇麦と再共演を果たしているのだ。土屋太鳳、まさに「再共演女王」といったところか。

 そんな「スピード再共演」の例はまだある。

 昨年放送されたテレビドラマ『表参道高校合唱部!』(TBS系)でヒロインを務めた新進女優・芳根(よしね)京子と、彼女が恋する同級生を演じたイケメン俳優・志尊淳(しそん・じゅん)の2人は、放送終了後の10月に封切られた映画『先輩と彼女』で、カップル役で再起用されている。

 映画『江ノ島プリズム』で共演した福士蒼汰、本田翼、野村周平が2年後、3人揃ってそのまま月9ドラマ『恋仲』(フジテレビ系)の主役トリオに抜擢された。また女優・吉田羊も同じく『江ノ島プリズム』さらには『恋仲。』にも抜擢された一人だ。関ジャニ∞の大倉忠義と、女優・武井咲の2人は、ドラマ『お天気お姉さん』(テレビ朝日系)で共演した1年後、恋愛映画『クローバー』で再共演。ちなみに武井は、『アスコーマーチ!~明日香工業高校物語~』(テレビ朝日系)で同級生として互いに惹かれあう役で共演した松坂桃李と1年後、映画『今日、恋をはじめます』でカップル役で再共演を果たしている。

 人気の役者同士であれば再び共演を重ねることは往々にしてあるだろう。しかし、最近はその期間が短くなっているとは言えないだろうか。こうしたテレビと映画双方の「再共演」について、

「映画のプロモーションは最短でも半年はかかる。プロモーション期間が撮影期間を上回ることもしばしばです。しかし、もともと別の作品で共演していたカップルを再び共演させれば、それだけでニュースバリューがアップ。SNS上で盛り上がり、自然とプロモーションにつながります」(業界関係者)。

『orange-オレンジ-』の主役が土屋と山崎に決まったことが情報解禁されたのは昨年7月、まだ『まれ』がオンエアされている頃。さらに劇場公開されたのは『まれ』終了のわずか3か月後のこと。そのニュースは当時驚きをもって伝えられた。

「近年スマッシュヒットが続出しているティーン向け恋愛映画の興収は、客層が完全にティーンに集中するとほぼ25億円に落ち着くと言われています。『オレンジ』も30億円突破も確実視されていることから考えると、普段はその類いの映画を観ない世代にもアピールがうまく図られたと言えるのかもしれません」(同・前)

 これまで映画は「初共演」「初の実写化」と、「初めて」尽くしがニュースバリューになっていたが、今後はそれよりも「再共演」のほうがヒットを見込める要素になっていくのかもしれない。

 そんな「スピード再共演」は役者にも良い影響をもたらしている。間をそれほど置かずに共演することは、相手の人間性や演技についての考え方など、イチから構築・共有していかなければならないことが事前にクリアになっているため、スムーズに芝居に入っていけるのである。

 女優・吉田羊は、『江ノ島プリズム』で共演した福士蒼汰と『恋仲。』で再共演したことについてブログで触れ、「『以前、共演したことがある』という事実が、こんなにもお芝居の距離を縮めるのかとびっくりするくらい、福士くんとのやりとりは安心感がありました」と振り返り、「次の撮影日も今から楽しみ」と期待を寄せていた。
 
 そんな「再共演」で1つ大事なポイントがある。それは人とのつながりだ。

『orange-オレンジ-』の監督・橋本光二郎(こうじろう)は、5年前のドラマ『鈴木先生』(テレビ東京系)で光っていた土屋太鳳を見出し、今回長編映画で初メガホンをとるとき、『まれ』で一層成長した彼女をヒロインに指名した。『今日、恋をはじめます』の平野隆プロデューサーは以前製作した映画『アントキノイノチ』で松坂桃李の演技力に注目し、原作漫画を読んで数年前から温めていた企画に彼を抜擢したという。

 再びオファーがかかるということはつまり、役者として認められているということ。「役者同士の再共演」の裏には同時に、その俳優とまた一緒に仕事をしたいという制作者、テレビマンの思いが詰まっているのである。

(放送作家・内堀隆史)


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