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「住む場所で年収が決まる」時代に考える地方移住という選択肢

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 昨年11月、「世帯の年間収入マップ」なるウェブ上の地図が、数多くのネットニュースで取り上げられました。群馬県高崎市在住のエンジニア、清水正行さんが個人サイトに掲載したもので、政府が発表する「住宅・土地統計調査」を基に、各区市町村の年収ごとの世帯分布が可視化されています。たとえば、「年収300〜500万円世帯が30%を超える地域」と選択すると、千葉県市川市や川崎市川崎区など該当する区市町村が赤く表示される仕組みです。

 最近では、「住む場所によって年収が決まる」という話もよく耳にしますが、住む場所による格差は今後ますます拡大し、より深刻な社会問題となるとも見られています。

 そんな中、京都大学准教授で、エンジェル投資家として活躍する瀧本哲史は自著『戦略がすべて』で「住む場所による格差を是正するためには、住民の移転費用を支援するのが良い」と指摘します。

「企業の淘汰のプロセスに照らしあわせても、古くて効率の悪い企業が淘汰されることは望ましいことである。救済されるべきは企業ではなく、あくまでも労働者なのだ。これを自治体の淘汰に当てはめると、国が救済すべきは『自治体』ではなく『住民』であり、負け組の自治体から、他の自治体に『転職』を支援するほうが全体のパイは拡大すると考えられる。つまり、移転費用の支援である」(同書より)

 要するに、斜陽化している地域に住む人はその場所にこだわらず新天地を目指し、政府もそれを支える方が社会全体の利益になるということ。

 では、瀧本さんが注目する「新天地」はどこなのでしょうか? 

 同書では、「東京VS地方」の構図だけではなく、「地方VS地方」の戦いがあると指摘した上で、次の事例が挙げられています。

「支店経済の地方都市の中でも差がつき始めている。一般に、札幌、仙台、広島、福岡は、『札仙広福』とまとめられて語られがちだが、最近では福岡がやや抜きんでている。これは、もともと九州圏の中で福岡市およびその周辺の都市的魅力が高いことや、大学などの教育機関が集中していることもあるが、地理的要因を活用した物流拠点の強化、起業支援などの施策を積極的に打ち出している高島宗一郎市長の政策にもよるだろう」

 事実、福岡市は交通機関の充実などの住みやすさをPRし、さらに地元企業への就職支援をすることによって、若年層の働き手を他の地域から取り込んでいます。つまり、「他の自治体への『転職』支援」を現実に行っているというわけです。その結果、人口減の時代にありながら政令市の中で最も高い人口増加率(2010年と15年の比較)を記録するなど、「勝ち組」の街として定着し始めているといいます。

 住む場所によって年収が変わる時代。もちろん、移住や引っ越しをすれば、変わるのは年収だけではありません。これからの人生、仕事や生活をより充実させたいと考える人は、地方移住もひとつの選択肢になり得るのではないでしょうか。

〈関連リンク〉
世帯の年間収入マップ 
http://shimz.me/datavis/mimanCity/

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