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片づけの伝道師「汚屋敷で子育ては虐待といわれて仕方ない」

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 5000軒の家を手掛けた“片づけの伝道師”こと、美しい暮らしの空間プロデューサー・安東英子さんが『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)で手掛けた片づけ企画が1月12日以後、数週にわたって放送され、大きな反響を呼んでいる。

 足の踏み場もない汚屋敷での、家族6人の生活。ゴミと生活用品が混在する中、子供たちが物を食べ、そして眠るのは、「虐待と変わらない」と安東さんは片づけの依頼者である母親を諭した。そして安東さんは続ける。家のあり方は、心の鏡。この状況こそが、自分自身である──と。

 安東さんに片づけを依頼したIさん(37才・女性)。台所には作りかけのまま放置された“元・食べ物”が何か月も放置され、床は足の踏み場もない。その様子は、言葉にしがたい光景だ。5人の子供を持つ安東さんの心に引っかかったのは、そんな中で11才の長女のほか、0才児まで4人の子供が育てられていることだった。そしてこれは、何もIさん宅だけで見た光景ではないと言う。安東さんが“汚屋敷”(おやしき)で育った子供にどんな悪影響があるのか、解説する。

 * * *
 5000軒の家を見てきて実感しているのは、汚屋敷で子育てをしている家庭が急激に増えているということ。物が散乱した居間には、食卓テーブルを置くことすらできず、それを家族が囲むスペースもない。お盆を床に置いて食べたり、家族がバラバラに食事をする家庭もありました。汚屋敷に住む家族にとって、食事は一家団欒ではなく、ただ空腹を満たすだけの行為のように思えました。

 洗われないまま食器が放置された流し台やガス台では、まともな調理などできません。なかには風呂場で米をといでいる人もいました。そんな調子だから、必然的に食事も偏ってしまいます。菓子袋がたくさんあるのも、汚屋敷の特徴のひとつです。親は料理をせず、お菓子で空腹を満たしているのではと疑ったことも幾度あったことか…。

 ゴミの上やわずかな隙間に体をうずめて眠る。これでは伸び伸び寝られるはずがなく、成長にも影響しかねない。もちろんそんな布団はダニの温床となります。こうした家で多いのは、親がわが子はアトピーやアレルギーだと思いこんでいること。

 でもそれはダニに刺されて掻きむしった傷ということが多く、片づけが進むにつれ、「あれ? 痒くなくなった」「だんだん咳が出なくなった」という会話によくなります。親は子供の不調の原因を、何か病名をつけることで言い逃れをしようとしているのではないか、とも思います。それだって、ある種の育児放棄。責任転嫁以外の何ものでもありません。

 汚屋敷で育った子供は、そもそもゴミや物が散乱した中で生活しているから、「ゴミはゴミ箱へ」「使ったものは元に戻す」といった、生活の基本動作が身についていない場合が少なくありません。

 さらに「食事を作る」「部屋を掃除する」「洗濯物はためこまずまめに洗う」という、自活能力も育たない。

 床一面に物があるから、つまずかないようにといつも下を見ながら暮らしているので、猫背になってしまう子供も多いように思います。実際、汚屋敷を訪れると、子供は判で押したように、肩をすくめてうつむきがち。覇気が感じられません。

 親にその気がなくても、汚屋敷で子供を育てることは“虐待”といわれても仕方がないと思うのです。

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 厚生労働省によると、児童虐待は、身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待の4種類に分類される。ネグレクトとは親の怠慢による“育児放棄”のことだが、このなかに“ひどく不潔にする”ということが挙げられている。汚屋敷はこれに当てはまるといえるだろう。

※女性セブン2016年2月18日号


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