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Qiitaが変えるエンジニアの「情報共有の世界」CTO髙橋侑久が語る『仕事の流儀』(後編)

『及川ショック』──いるだけで、メンバーの背筋がピリっと伸びる

2015年秋、元Googleの及川卓也氏がプロダクトマネージャーとして、Incrementsに加わった。「Incrementsの14人目の社員」という触れ込みだ。CTOの髙橋侑久氏は大学院時代、Googleでインターンをしていたとき、「メンター担当の社員の上司」として初めてその謦咳に触れたことがある。

「及川が『Qiita』のユーザーだったこともあって、その後も『Qiita』については意見をいただいていました。『Qiita』が目指す情報共有の世界について、きっとご理解いただいているはず。ぜひ機会があれば一緒に仕事をしたいとは思っていました。具体的には、『Qiita』や『Qiita:Team』の今後を考えるとき、プロダクトマネージャーの役割は重要だと思っていたので、それを担当してほしかった。もちろん、IT業界のビッグネームですから、会社のブランド向上、人材採用面に与える効果も期待していました」

とはいえ、業界の超有名人。Google退職後の去就について、エンジニアコミュニティではさまざまな憶測が流れたほど。入社を快諾してもらったときは、むしろIncrementsのメンバーたちが驚いた。

入社早々、プロダクトマネージャーとして「Qiita」の開発を見てもらっている。当たり前だが、渋谷・道玄坂のオフィスで普通に仕事をしている。

「彼が存在するだけで、僕らとしてはピリっと背筋が伸びますね」と髙橋氏。

その一方で、「これまで僕らメンバーの最高齢が30歳ちょい。そこに50代のベテランエンジニアが入ってきたわけですけど、その年齢差を意識させない。すんなりとチームのコミュニケーションに溶け込めるのはすごいな、と」

髙橋氏は、大学の研究室やアルバイト先を除けば、企業で年上の人にマネジメントされた経験がない。及川氏の存在は、CTOとして会社を引っ張っていかなければならない髙橋氏には、一つのロールモデルにもなっている。

「Qiita」「Qiita:Team」は世界で使われるようになるか

「エンジニアの人口を考えると、国内では限界がある。海外への展開も長期的には視野に入れていきたい。そんなとき外資系企業で経験を積んできた及川の意見は重要になると思います」

「Qiita」は世界の情報共有ハブを目指すのか。

「もちろん、目指していきたいと思っています。すでに『Qiita』に日本語以外で投稿したり、コメントしたりする人はよく見かけます。『Qiita』に投稿される記事には『こんなツールを最近使ってみた』というレビューも多く、そのほとんどが海外の開発者が作ったツール。そんなとき、開発者自らがユーザーの声にコメントしてくることもあったりします。きっとWebサーチして、翻訳ツールで翻訳して見ているんじゃないかと思うんですけど」

『Qiita:Team』についてはどうだろう。プログラム開発の現場は、海外オフショアやリモートワークが進んでいる。東京、北京とシリコンバレーをつないでプロダクトを共同開発をする企業もある。距離を感じさせない情報共有ツールとして、『Qiita:Team』の可能性は大いに期待できる。

「リモートワークや分散拠点を前提とした状況でも、成果を出せるチームが望ましいのはたしかでしょうね。そういうチームでは『Qiita:Team』は十分活用できると思います。Increments自体が、リモートワークを導入したり、海外オフィスとの連携を強めていくかどうかはわかりませんが、個人的にはリモートワークには興味があります。実際それを選ぶかどうかはともかくとして、働く場所を選べる権利は欲しい」

たとえCTOが海外にいても、在宅勤務していても、優れたチームはきっと成果を発揮する。

職種を問わず、『暗黙知』をなくすために

一方で、『Qiita:Team』の導入企業を増やすことは、Incrementsの事業にとって大きな課題でもある。

「僕らは、誰もが情報アクセスできるというフラットな価値観だけで『Qiita:Team』を作ってきたけれど、『Qiita:Team』のような『緩すぎる』共有環境を導入するには抵抗感がある企業もあると聞いています。そうした状況も想定して、今後は企業の実態に応じた機能や製品も提供すべきかとは考えています」

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