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常識とは何か?旅の中で感じた、常識そのものに対する疑問

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Photo credit: Daisuke Yamazaki「2014 Year end trip Samed 島とBangkok Via Ho Chi Minh City」

こんにちは、TRiPORTライターの天野です。
海外に行って、日本の常識が通用しないと思ったのは、お店で店員の接客態度を見たときでした。レジ打ちのスピードが、日本と比べてだいぶ遅く、すごくマイペース。店内に座り込んで店員が食事していることもよくありますし、客が並んでいても仕事そっちのけで従業員同士がおしゃべりしていることもあります。日本なら、「レジお願いします」と客が声をかけて急かすことでしょう。これらの店員の行動は、日本の常識からするとありえません。

こうした店員のマイペースな接客は、特定の国や地域に限った話ではありませんでした。一年間の旅の中で、どこの国でも見られる光景だったのです。だから僕は客を待たせず、迅速で丁寧な接客を当たり前とする日本の常識のほうが特殊なんだろうと、思うようになりました。すると気がつけば、態度の悪い接客に対して、いちいち腹が立たなくなっていたのです。

帰国直後、コンビニで感じた驚き

そんな接客が当たり前だという意識に変わっていたので、帰国直後にコンビニで買い物したときは驚きました。なぜなら僕がレジに並ぶと、たった一人しか並んでなくても、他の店員が今している作業をやめ、客優先でレジを開けたからです。

それは、日本ではごく当たり前のことだと思います。僕自身、旅立つ前はそれを普通と考えて疑っていませんでした。ですが帰国直後の僕にとっては、感動すら覚える出来事だったのです。よほど感覚が海外のマイペースさに慣れてしまっていたのでしょう。

Photo credit: Masashi Amano「セネガル、サン・ルイから首都ダカールへ。アフリカ最西端の岬に行く」

社会全体で共有する思い込み=常識

日本人でありながら、日本の常識に慣れ親しんでいない外国人観光客のような感覚で日本の常識に驚くという新鮮で奇妙な体験をしたのですが、そんな経験をしたせいか、そもそも常識とはなんだろう、という素朴な疑問が未だに気にかかっています。

おそらく、ある社会の中で当たり前だと誰もが受け取り、暗黙のうちに従うルールを常識と呼ぶのでしょう。ところが別の国に行くと、全然違う常識が通用している。つまり、当たり前だと信じていた常識が、ちっとも当たり前でなかったことに気づくのです。

もっとも、この世界に存在している人間の文化は多様なので、違うと感じること自体が当たり前なのですが、こうした常識の差異が個々の人間にとって驚きとして映る理由は、人間がひとつの常識やルールに縛られているから。そして、それを疑うことを知らないからではないでしょうか。

常識とは「社会全体で共有している思い込み」と言い換えることが、できるのかもしれません。

筆者撮影

枠から出て、フラットな見方をすること

世界のいろんな国や地域を旅して、僕は常識という枠に縛られず、なるべくフラットに世界の事象や物事を見ていきたいと思うようになりました。色付きのフィルターを通しては、偏った世界しか見えません。

しかし、フラットな見方と口で言うのは簡単ですが、実行するのは言うほど簡単ではないと思います。それほど僕たちは常識(思い込み)に縛られており、そしてその自らの状態を疑わずに、偏ったフィルターを通して物事を見るのに慣れきってしまっている。差別や偏見は世界中、至るところにあり、日本も例外ではありませんが、その原因は偏ったフィルターが無意識に形成されていることにあるのではないかと思います。

筆者撮影

旅とは世界と自分を知ること

旅で僕が特に重要視したのは、自分の中の常識が打ち破られ、新しい目を開かれるような新鮮な体験に出会うことでした。だから僕は、なるべく日本とかけ離れた文化や環境の国に行きたかったのです。

インドとか西アフリカはそうした意味でとても印象に残っていますが、まだまだ行き足りていないとも感じます。なぜなら、この世界と人間の多様な営みや文化は、それ自体が大きすぎる謎だからです。到底ひとつの見方や常識によって、はかれるものではありません。

旅とは、この広大な世界を知ることであり、また自分自身を知り、変えることだと思うのです。疑問を持ち、知りたいと思う人にとって、旅は何かしらの答えを与えてくれることでしょう。

ライター:Masashi Amano
Photo by: Daisuke Yamazaki「2014 Year end trip Samed 島とBangkok Via Ho Chi Minh City」

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