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牛肉を持っているだけで逮捕!インドで施行された法律の理由と今後

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Photo credit: Eika Akasaki「北インド」

こんにちは。TRiPORTライター、赤崎えいかです。
インドのいくつかの州で、ひとつの法律が強化されました。それは「牛肉を食肉処理、販売、所持することを禁止する」というものです。これを受けて、お店、カフェ、レストランから牛肉の商品が消え去りました。

自宅の冷蔵庫に牛肉があるなら逮捕されますし、旅行者がビーフジャーキーを持っていても逮捕される可能性があります。州によって罰則は違いますが、逮捕されれば20万円近くの罰金や最高10年の禁錮刑が待っています。

どうしてこんな法律が?

インド人口80%近い人が信仰しているヒンドゥー教。その教えに「不殺生」があるため、ヒンドゥー教徒は基本的にベジタリアンです。また、ヒンドゥー教の三大神、シヴァ神は白い牝牛に乗っていることから、ヒンドゥー教徒にとって牛は神聖なものとされ、崇拝の対象にもなっています。現在(2016年1月)のインド首相がヒンドゥー教徒なので、ヒンドゥー教に有利な法律が施行されすぎているとの批判の声も出ているのだとか。

殺人事件も…

インド・ニューデリーではこの法律を巡って殺人事件も起きました(※1)。「牛肉を食べた」「持っている」と根も葉もない噂を流されたイスラム教徒(イスラム教では牛肉を食べることを禁じられてはいません)の家に100人以上の暴徒が押し寄せ、そのイスラム教徒を殴り殺したのです。もともと宗教対立の強いヒンドゥー教徒とイスラム教徒。この法律によって宗教対立がより根深いものになると予想されています。
(※1)参照:AFPBB News

世界有数の牛肉輸出国でもあるインド

Photo credit: Eika Akasaki「北インド」

国内でこのような事件まで起こっている一方で、実はインドは世界1位の牛肉輸出国(水牛含む)でもあり、牛革製品も有名です。牛の屠畜作業や牛肉に関わる仕事には主にイスラム教徒が携わっていますが、今回の法律施行によって多くのイスラム教徒が職を失いました。「牛肉問題」はインド経済にも大きく関係しているといえます。

ヒンドゥー教だけではないインドの宗教のこれから

Photo credit: Eika Akasaki「北インド」

実際にインドへ行くと、野良牛が街中を闊歩し、道路の真ん中で寝そべり交通渋滞を起こしているなんて風景は日常の一部です。牛や、牛肉ひとつで人の命までもが左右されてしまうことがあるインド。暴行や殺人はもってのほかですが、多くのインド人は敬虔に教えを守る温和なヒンドゥー教徒です。

Photo credit: Eika Akasaki「ぶらぶら南インド」

インド人口の80%近くを占めるのがヒンドゥー教徒とはいえ、インドにはイスラム教、キリスト教、仏教、そのほか多くの宗教が存在しています。近年のインド政府国勢調査では、過去約64年の調査の中で初めて人口比率のヒンドゥー教徒が80%を割り、イスラム教徒が増加傾向にあるという報告もされており(※2)、カースト制度や貧困から抜け出すために、宗教を変える人も徐々に増えてきています。
(※2)参照:NNA.ASIA

この機会に自分の人生と宗教の関わりを考えてみるのはいかがでしょうか? そして、インドに入国の際は、持ち込み荷物に気をつけましょう。

Have a nice trip!

フォトライター:赤崎えいか
Photo by: Eika Akasaki「北インド」

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tabitabi parsley「濃いするインド ~Delhi~」

Eika Akasaki「ぶらぶら南インド」

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