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地域ブランドにお墨付きGI制度とは

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“三重の松阪牛”や“長崎カステラ”など、日本各地には地域の名を冠した名産品がたくさんある。各地でお土産ショップに行くと、その名前をうたった商品がずらっと並んでいるが、なかには地域ブランドに便乗した偽物もあり、買ってからがっかりすることも…。

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こうした事態を防ぐべく2015年6月にスタートしたのが、「地理的表示保護制度」(Geographical Indication=GI制度)だ。担当省庁である、農林水産省・知的財産科の制度担当者に詳しくうかがった。

「GI制度は、特定の産地名を含む品目の名前を、政府が知的財産として認定し、地域ブランドとして保護する制度です。登録されたブランドにはGIマークが与えられ、商品名だけでなく生産過程や品質を含めてブランドとして保護されます」

これまでも特産品の名前を商標として登録する制度があったが、新たなGI制度はどのような点が違うのか?

「これまでは他の事業者が違反をした場合に、権利を持つ側が民事訴訟をおこす必要がありました。GI制度では農水大臣の権限で、地域ブランドの不正使用を行政が取り締まる。地理的表示の不正使用をした場合、懲役5年以下や罰金500万円以下という罰則が与えられるのです」

たしかに消費者としては、偽物を買ってしまう心配が減るのはうれしいこと。偽物が無くなることで地域ブランドの信用も高まり、生産者の利益も保護される。昨年の12月22日には7品目のブランドが初登録。登録されたのは、青森県の「あおもりカシス」、兵庫県の「但馬牛」と「神戸ビーフ」、北海道の「夕張メロン」、福岡県の「八女伝統本玉露」、茨城県の「江戸崎かぼちゃ」、鹿児島県の「鹿児島の壺造り黒酢」。現在申請されている品目は島根県の「出雲の菜種油」、鳥取県の「砂丘らっきょう」、長野県の「市田柿」など計8種とまだまだ数は少ない印象だ。

「登録の条件は、おおむね25年以上の間、特定の地域で生産が継続していること。さらに気候や風土が、商品の品質や社会的評価に結びついていることが挙げられます。そのうえで、生産・加工業者の団体が農林水産大臣に登録申請をし、そこから約3カ月の間に第三者の意見提出が行われます。地域ブランドとして登録されると、他の事業者がその地域の名前を使えなくなるので、利害関係者も多い。それらの意見をもとに識者が利害関係者からの事情聴取を経て、協議。最終的に農水大臣が登録を決定します」

たしかに、特定の業者が利益を独占してしまう可能性もあるので、厳正な審議が必要だろう。ちなみに、海外ではヨーロッパなど100カ国以上で、すでに同じ制度が導入されている。フランスのシャンパンの場合、シャンパーニュ地方で生産されたものだけがその名前を使うことができる…という話を聞いたことがある人も多いはず。いわば「国のお墨付き」が与えられる…ということだが、海外で日本の地域ブランドが不正使用された場合にも、行政が取り締まってくれるのだろうか。いい加減な“和食”を出す店が多い、と聞いたこともあるが…。

「現在は国内の事業者のみが取り締まりの対象です。今後は相互認証に向けて、各国と協議を進めていきます」

農水省は、GI制度で国内農産品のブランド力を高めて、輸出拡大を目指す方針だ。将来的には、海外でも「夕張メロン」や「砂丘らっきょう」がフランスのシャンパン並みに有名になるのかもしれない。
(森 祐介)
(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
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