色が薄い「薄口醤油」のほうが塩分が多いって本当?
名称のイメージから誤解されることが多くなっていますが、一般的に「濃口醤油」より「薄口醤油」のほうが塩分濃度が高くなっています。濃口醤油の塩分濃度は重量比で約15パーセント、薄口醤油は約16パーセントです。薄口醤油の「薄口」も正しくは「淡口」と表記され、これは味が「薄い」のではなく、見た目の「色合いが淡い」という意味です。では、なぜこのような色と味の差が出てくるのでしょうか。
醤油の基本的な原料は大豆、小麦、塩となっており、濃口醤油は基本的に次のような製法で作られます。蒸した大豆に炒って砕いた小麦と麹菌を加え、麹室で麹菌を繁殖させたものに塩水を加えます。これが「もろみ」と呼ばれるもので、半年から1年かけて熟成させます。この熟成させたもろみを絞って出てくる液体に「火入れ」という加熱殺菌をしたものが濃口醤油です。
醤油の色は麹を加えて発酵、熟成をする間にどんどん濃くなっていきます。淡口醤油は濃い濃度の塩水を加えることで、この発酵・熟成を抑えて、さらに熟成期間も短くして淡い色合いに仕上げています。そのため、淡口醤油の塩分濃度は高くなっているのです。また、淡口醤油は多くの場合、仕上げに甘酒や水飴を加えて甘みをつけてあります。
一般的に濃口醤油は香りやうま味が強く、幅広い用途で用いられています。淡口醤油は塩分濃度が高い一方で、色合いと醤油としてのうま味が淡いため、素材の持ち味やダシのうま味を活かしたい料理に最適。関西地方では、ほとんどの料理で淡口醤油が使われています。
その他にも醤油には「たまり醤油」「再仕込み醤油」「白醤油」といった種類があります。
「たまり醤油」は小麦を使わずに、ほぼ大豆だけで作られたものでドロりとした粘り気があり、強い味と香り、うま味が持ち味。ただし、食塩濃度は濃口醤油とあまり変わりません。
「再仕込醤油」はもろみを作るときに塩水ではなく、加熱処理されていない「生揚げ醤油」を使います。つまり、醤油の醸造を二度繰り返すような製法で、味は大変濃厚です。
「白醤油」は小麦を主原料としていて、さらに淡口醤油と同じように発酵・熟成を抑えて短期間で作られるため、色がほとんどつきません。麹の香りと甘みが特徴です。
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