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スラックラインで世界へ!福田恭巳

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地上120cmの高さに張られた幅5cm・長さ約20mのナイロン製のベルトの上で、回転したり、ジャンプしたり、静止したり…様々な技を競う「スラックライン」。「5センチ幅のトランポリン」と呼ばれるこの競技は、2007年にドイツのスポーツメーカー「GIBBON」が専用のラインを開発したことから、ヨーロッパを中心に世界各国に普及。国内外で公式の大会が開催されるようになったのは2010年からという新しいスポーツだ。福田恭巳さんは同年に競技を始め、2013年には女子世界ランキング1位に登り詰めた、若き日本のパイオニアである。

「体操競技のようにしなやかな回転技やアクロバット的な一面がありながら、フリースタイルでパフォーマンスができるストリートっぽい要素もあるところが、私がスラックラインに魅かれたポイントです。現在の持ち技の中で最も難易度が高いのは、ラインの上に立っている状態から、フロントフリップをして、両足でピタッとラインの上に立つもの。女子で成功できる人はいないので、これから“ウリ”にしていきたいと思っています」

スラックラインは、審査員によるポイントで勝敗が決まる“採点競技”。技の難易度や完成度、観衆へのアピール度などが評価項目となる(ポイントは公開されない)。大会は一対一のトーナメント方式で行われ、それぞれに与えられているトータル2分の持ち時間内で、交互に技を披露。技を決めた後やラインから落ちた時など、自分のタイミングで演技を区切って相手と交代する。スタイル的にはダンスバトルと似ているだろうか。

「パフォーマンスの構成は事前にある程度考えていますが、いざ試合になるとまったくその通りにはいかないものなので、臨機応変さがとても大切。相手の出方によって予定していた技の種類や順番を変えたりする駆け引きや、予想外の大技を決められた後でも落ち着いて返せるかといった冷静さも必要ですね」

高校時代はロッククライミング部に所属し、国体やアジア大会に出場するほどの有望選手だった福田さん。3年生の時にアルバイト先のスポーツジムでスラックラインと出会った。この先、どんなに頑張ってもロッククライミングではトップになれないが、スラックラインならまだ世界は狭い。せっかくのチャンスを逃したくない――。短大入学と同時に本格的にスラックラインへ転向し、その年に日本選手権を初制覇すると、翌年には日本の女子で初めて世界大会に出場。卒業後は就職せず、アルバイトで貯めたお金で2年間、海外を転戦して修業を積んだ。

「このまま日本にいれば“負ける”という経験もせず、しばらくは1位で居続けられる。そんな甘い環境にいては、これ以上成長できないと思ったんです。昨年くらいまで大会は男女混合で行われていたので、1、2回戦突破を目標に、言葉も通じない、練習もしたい時にできないといった厳しいコンディションで戦い続け、ポイントを積み重ねて世界ランキング1位になることができた。とても貴重な体験でした」

2014年にはGIBBONの厳しい審査をクリアして「インターナショナル・プロアスリート」の契約を結んだが、それでも他のプロスポーツ選手と違って、本業一本では食べていけない状況だという。現在は地元・千葉県内の公立体育館の職員として働きながら、大会やイベントに出場する日々を送っている。

「スラックラインに関わる仕事だけでお金を稼げなければ“プロ”ではないと思っているので、私はまだまだプロとは言えません。今後は勤めている体育館で子どもたちや初心者を対象としたスラックラインの教室を開講したり、プロモーション活動に参加したりといった、裾野を広げるための役割も大きくなっていくでしょう。でも、あと2、3年は競技に集中して、もう一度世界一を奪いにいきます!」

(菅原悦子)

■TOP WOMAN 第8回
(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
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