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子供の戸籍をめぐる法律(3)

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 前回は無戸籍児問題が発生してしまう原因とどのような問題があるかについて見てきました。
 離婚するかしないかで揉めて、長期間別居した後に離婚し、すぐに再婚・出産した場合には、「離婚後300日問題」となってしまうケースもあります。無戸籍児問題は身近で起こりうる問題なのです。
 今回は無戸籍児となることを回避する方法について見てみたいと思います。

 離婚後300日以内に現在の夫との間の子が産まれた場合、どのような手続きをとれば良いのでしょうか?

 父親を早期に決めて親子関係を安定させることが子の利益につながるという考えに基づく嫡出推定という制度があるため、原則として、元夫からの嫡出否認の訴えという手続きによらなければ、父子関係を争うことはできません。つまり、元夫の協力が得られなければ、戸籍上は元夫の子ということになってしまいます。

 もっとも、戸籍事務の担当者に嫡出推定が及ばないことがはっきりわかれば、嫡出否認の手続きによることなく戸籍上元夫の子としない取扱いが可能になります。
 例えば、早産であったため離婚後300日以内に子が生まれてしまったといった場合には、医師の作成した証明書によって元夫との子ではないことを直接証明することができるケースもあるようです。

 このような場合以外には、裁判によって行うしかありませんが、元夫を相手として親子関係不存在確認の手続き、血のつながった父(現在の夫)に対して子であることを認めることを求める強制認知という手続きがあります。
 この場合は子(又は母親)からすることができますので、嫡出否認の訴えよりは利用しやすいともいえます。これらの裁判では、「嫡出推定が及ばないこと」などの要件が必要となりますので、法律の専門家に相談しながら行うことをおすすめいたします。

 「無戸籍児問題」の発生の背景には元夫のドメスティックバイオレンスがかなりの割合であると言われています。
 裁判手続きを取ることによって、裁判所で元夫と顔を合わせなければならない、元夫に現住所を知られてしまうのは困るとして、手続きをすすめることを躊躇してしまわれる方もいらっしゃるかもしれません。

 裁判所では、そのような事情がある場合には、調停の日に当事者双方が顔を合わせないように配慮をする、相手方に現住所を知らせないようにする取扱いをするなどの措置が講じられるようになっています。申立を行う際に、裁判所に相談することができます。

 また、「無戸籍児問題」の原因となっている民法772条2項については、弁護士会や国会議員などによる改正を求める運動も広がっています。
 今後どのように変わっていくのか注意しておく必要があります。

元記事

子供の戸籍をめぐる法律(3)

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