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ジ・インターネット、一夜限りのプレミアム・ライブをレポート! 若きソウル・バンドが魅せた強烈な一撃

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 もう彼らを表現するのに「オッド・フューチャーの~」という枕言葉は不要だろう、という感慨を抱かせるライブだった。シド・ザ・キッドとマット・マーシャンズ率いるR&Bバンド、ジ・インターネットが2016年1月27日に東京・恵比寿リキッドルームにて待望の来日公演を行った。

ジ・インターネット ライブ写真一覧

 前売り券がソールドアウトしたこの公演。場内はまさしく大入り状態で、インディ・ロックやヒップホップのリスナーと思われる若いファンから、ネオ・ソウル系の音楽を愛するであろう往年のファンまで、幅広いリスナーが会場に集まった。そのファンの顔ぶれからもバンドの注目度の高さが改めて分かる。

 定刻を約10分ほど過ぎて、まずはバンドの5人--キーボードのマットに加えて、ジャミール・ブルーナー(キーボード)、パトリック・ペイジ(ベース)、クリストファー・スミス(ドラム)--がステージに登場。最新アルバム『エゴ・デス』の1曲目「ゲット・アウェイ」から演奏をスタートする。すると、そのイントロに誘われる形でシドがステージに登場。ファンからも一際大きな歓声が沸き起こった。

 演奏中、まず目と耳が奪われるのはやはりシド。エリカ・バドゥからの影響を公言して憚らない彼女だが、エリカよりもタイトで引き締まったその歌声は、この現代のネオ・ソウル・バンドの最大の魅力として、この日も輝きを放った。シドは歌だけでなく、そのステージングでも強烈なカリスマ性を感じさせ、ステージの司祭としても見事に振舞った。

 一方のバンドの演奏も魅力十分。その音楽的な“基礎体力”の高さを感じさせつつ、何よりも若さと勢いが光る。演奏の巧拙以上に、リスナーをグイグイと引き込むパワーに真髄がある。司令塔然としたマットや、終始ビッグ・スマイルでキーボードを演奏をするジャミールをはじめ、バンドのキャラクターも鮮烈な印象を残した。(余談だが、いつも“オモシロオシャレ”な帽子の数々で楽しませてくれるジャミールは、この日はニット・キャップ姿だった。)

 中盤ではシングルの「ガール」や「ペントハウス・クラウド」など『エゴ・デス』の要となる曲を披露。ジ・インターネットのトレードマークでもある、エレキ・ピアノ特有の柔らかい音色と、バンドの叩きだすオーガニックで力強いグルーヴの融合はライブでもバッチリと映え、ファンも大いに盛り上がった。今回は不参加のスティーブ・レイシー(ギター)のいる編成でも、ぜひライブを観てみたい。

 ラストは2ndアルバムの人気曲「ドンチャ」、そして1stアルバムの「ザ・ガーデン」を立て続けに演奏。クライマックスに向け、バンドも更にボルテージを上げ、シドもコール・アンド・レスポンスを要求し、フロアを更に更にと煽る。バンドのメンバーも心底演奏を楽しんでいることが分かる幸福な瞬間が何度も訪れ、最後はシドを抜いたバンドがパワフルなセッションを展開してフィニッシュ。この日アンコールが無かったことは残念だったが、フロアが明るくなった後も鳴り止まなかった大きな手拍子が、日本のリスナーの支持をバンドに伝えたことだろう。ぜひ近い一日も早い再来日を、心から期待したい。

写真:Masanori Naruse

◎来日公演情報
2015年1月27日(水)東京・恵比寿 LIQUIDROOM<終了>

◎リリース情報
『エゴ・デス』
2015/08/12 RELEASE
SICP-4508 2,200円(tax out.)
iTunes:http://apple.co/1NsYugF
※日本盤ボーナス・トラック 2曲収録、歌詞・対訳・解説付き

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