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ファシリテーターのプロが教える、会議を活性化させるホワイトボード活用術

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会議室に置かれている「ホワイトボード」。皆さん、活用していますか?

「会議の達人」であり、会議ファシリテーター普及協会の代表を務める釘山健一氏は、「ホワイトボードを使わない会議は、会議ではない」と言い切ります。

釘山氏によると、ホワイトボードを有効活用することで会議が活性化し、有意義なものにできるのだとか。今回は、釘山氏が推奨する「ホワイトボードの活用術」について、ポイントをまとめてお伝えします。特に、「皆から意見や提案を集めて協議する」という目的の会議で取り入れてみてください。

ホワイトボードを介することで、理解や主体性が高まる

「会議でホワイトボードを使うメリットは、大きく分けて3つあります」と釘山氏。

●議論が「空中戦」にならない

1つのテーマについて議論しているはずなのに、参加者それぞれが違うことを頭に描きながら話し合っていた…というのは、会議でよく起きること。発言内容をホワイトボードに書きながら話し合うことで、考えが正しく理解、共有されやすくなります。

●会議に「動き」が出て、参加者の主体性が高まる

議論の内容について、ファシリテーターや板書係がホワイトボードに書くのではなく、参加者自身が書くスタイルにします。発言をする人がホワイトボードのところに出て行き、書きながら発言する、あるいは書かれたものを指しながら発言するのです。

これにより、「かたまった」雰囲気から「動きのある」雰囲気に変わり、楽しく感じられるように。参加者は、自分が「書く」という作業をすることで、主体意識も高まります。

●一体感が生まれる

プロジェクターが備えられていない会議室であれば、参加者は自分の手元の資料を眺めながら考えますよね。それは、各自ばらばらで考えているということ。一方、ホワイトボードに書きながら話し合うと、全員の視点がホワイトボードに集まります。全員が一点を見つめながら話し合うことにより、全員で一緒に考えているという一体感が生まれます。一体感を持つことで、「合意」の結論にも達しやすくなるものです。

ホワイトボードを有効活用するため、事前に準備しておくこと

それでは、ホワイトボードを有効活用するために、どんな準備をすればいいのでしょうか。

●ホワイトボードは2台以上。足りなければ模造紙も用意

釘山氏によると「2時間の会議を行うなら、ホワイトボードは5台必要」なのだとか。それくらい書くことがあるはずだし、「書いたことを消しながら書く」というのは、ボードの効果が半減するといいます。会議の初めから終わりにかけた書かれたものが、すべて見られるようにするのが理想。

実際、会議室に3台~5台と、複数のボードを備える会社は増えているそうです。また、会議室の壁の全面をホワイトボードとして使えるように加工している企業も増えています。

そこで、ホワイトボードは最低でも2台用意したいもの。両面書けるボードであっても、裏面は使いません。2台ある場合は、うち1台には模造紙を貼り、模造紙に書いていきます。模造紙は、方眼の薄い線が引いてあるタイプのものが書きやすいようです。白のガムテープも用意しておけば、書き間違えた場合に文字の上に貼って修正できるので便利。模造紙が文字で埋まったら、壁に貼ります。あらかじめ、適度な大きさに切ったガムテープを何枚かボードの下に貼っておくと作業がスムーズです。

●ホワイトボードは、「完全に」きれいに消しておく

何も書かれていないホワイトボードでも、インクのこすれなどで黒ずんでいるもの。これを雑巾などできれいに拭いておきましょう。黒ずんだホワイトボードと真っ白なホワイトボードでは、会議の雰囲気がまったく変わります。これは意外と大切なこと。

汚いホワイトボードでは、「がんばろう」なんて気持ちは起きませんよね。きれいなホワイトボードだと、「さあ、今からやるぞ」と、気持ちを切り替えることができます。

●会議スタート前に、注意事項やルールを書いておく

参加者が入室して席につくと、まずホワイトボードに書かれていることを読みます。会議名や議題のほか、注意事項や会議のルールなども記しておきましょう。会議の雰囲気を作るのに役立ちます。

●マーカーは、黒・青・赤を用意する

ホワイトボード用のマーカー、模造紙を利用するなら模造紙用の水性マーカーを、それぞれ「黒」「青」「赤」の3色用意します。マーカーがかすれていないかは、事前に必ずチェックを。マーカーの文字がかすれると、盛り上がってきた会議をしらけさせてしまいます。

●指示棒を用意する

参加者がホワイトボードの前で発言する際には、指示棒があると便利です。「どの内容について話しているか」が伝わりやすくなります。ファシリテーターは、発言者が前に出てきたとき、渡してあげてください。


「見やすい」「わかりやすい」ホワイトボードへの書き方のテクニック

参加者が発言しながら自分で書くことをお勧めしましたが、場合によっては、ファシリテーターが意見を聞いて書くことももちろんあります。会議参加者に分かりやすく、かつファシリテーターが手間取ることなく板書するための、書き方のコツをご紹介します。

●発言をそのまま書くのではなく、ポイントのみ書く

発言と同時にそのままどんどん書いていく人もいますが、これは非効率。まずはポイントを書いておき、時間的にゆとりが出てきたら、必要なことを後から書き足すようにします。発言をしばらく聞いて、ある程度意図がつかめてから書き始めるといいでしょう。

早口で話す人の場合は、とりあえず「キーワード」を書き留めておき、あとで時間ができたときに文章化します。また、2~3人の発言を聞いてから、ポイントを書く方法もあります。

いずれにしても、発言者が「何と言ったか」ではなく、「何を言いたかったか」を汲み取るように心がけたいものです。

●見やすいのは「丸文字」「四角文字」

ビジュアル的に「見やすく」書くことも大切です。文字は大きすぎず、小さすぎず、その会議室のサイズに合わせて調整しましょう。スタート前に議題や注意事項を書いた際、一番遠い席から見てみてください。

また、ホワイトボードに書く文字は「斜体」は見にくいもの。あえて丸い文字、角ばった文字で書くように意識するといいでしょう。ボード上に架空の「方眼」があることを意識して、その四角い枠に合わせるようにして書くと読みやすい字になります。

●マーカーの色を使い分ける

通常は「黒」で書き、大切なことは「青」、決定事項は「赤」で書くなど、色に意味づけをして使い分けましょう。ただし、大切なこと=「青」とした場合、一度青を使うとどんどん青字が増え、最後は青字で埋まるというのはありがち。できるだけ黒を使うのが基本です。

●「見出し」をわかりやすく工夫する

議題が複数あったり、内容が複雑だったりする場合、見出しの付け方のルールをあらかじめ決めておくといいでしょう。例えば、次のような整理の仕方があります。

大見出し=1、2、3、4…

中見出し=(1)、(2)、(3)、(4)…

小見出し=①、②、③、④

大見出し=□で囲む

中見出し=下線を引く

小見出し=[ ]を付ける

●「強調」の技術を使う

議論が複雑になり、考える時間が増えてくると、板書するゆとりが出てきます。そのとき、ボード全体を見渡して、整理しましょう。このとき、大切なポイントを強調するためには、次のような方法があります。

黒以外の字で書き直す 大きな文字、太い文字で書き直す 文字を線で囲む、波線などを引く マークをつける。このとき□◇ではなく塗りつぶして■◆などにする

以上、ちょっとした工夫によっても、会議参加者の意欲は高まり、活性化できるものです。ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

釘山健一氏/会議ファシリテーター普及協会 代表

学習方法の開発に情熱を燃やし続けた熱血教師時代、ベンチャー企業の営業部長として猛烈に働いたサラリーマン時代を経て、環境NPOのスタッフとして数多くの「協働事業」に関わる。2005年には「愛・地球博」におけるEXPOエコマネー事業の事務局長を務める。この3つのキャリアを積む中で培った「会議の仕方」について、独自のノウハウを確立。2006年4月「会議ファシリテーター普及協会(MFA)」を立ち上げる。年間100本のファシリテーター養成講座を開講。著書に『もっとすごい!非常識な会議』(ソフトバンククリエイティブ)『会議ファシリテーションの基本がイチから身につく本』(すばる舎)など。

EDIT&WRITING:青木典子

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