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「液晶に頼りすぎ」の批判受けつつ… 「やっぱり液晶」に復活かけるシャープ

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2223億円の赤字を計上し、経営危機に陥っている家電メーカーのシャープ。5月14日の記者会見で高橋興三社長は「もはや聖域はない」と語り、大阪本社の売却や給与・ボーナスのカットともに、3500人規模のリストラなど「中期経営計画」を発表した。

その模様は、世界11の国と地域で働く社員の下にもリアルタイムで配信された。2015年6月9日放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)は、経営再建のため奮闘する社員たちを独占取材し、それぞれの思いをみつめた。
中国の「スマホ向け販売」は右肩上がり

シャープの再建策は専門家からは「液晶頼みで不十分」との声もあるが、やはり液晶技術の高さは譲れない武器のひとつだ。液晶部門を率いる和田正一執行役員は、事業を伸ばしていくには「中国でのスマホのシェアをいかに取っていくかが重要」と語る。

実際、中国のスマホ出荷台数は右肩上がりで、年間4億台以上の需要が見込まれる巨大市場だ。上海で液晶パネルなどをスマホメーカーに販売するシャープ上海部品販売の岡野将吾さん(35歳)は、「自分が中国市場で頑張って行かないと」と話しつつ「責任も不安も大きい」と漏らした。

岡野さんには、妻とまだ8か月の長男がいる。社員どうしの飲み会では、「将来像がみえない、次のステップが僕の中では見えていないんですよね」というぼやきも聞かれたが、岡野さんは奮起を促す言葉をこう語った。

「日本にいたら何も刺激がない中で『平凡な毎日の中でまた給料下がって』となるが、もっと自分たちが頑張って、元に戻すためにどうしたらいいのか頑張るのが使命だし、ここからもう1回やらないといけない」

これを受けてシャープ上海部品販売の大橋康博社長も「ないよ、なかなか。3兆円の企業を背負う(という経験をする)のは」と笑顔で話した。
広視野角フィルムで節電「これで会社を救うのが夢」

中国で富裕層に売れている「4K」液晶画面のテレビは、フルハイビジョンの約4倍の画素数で鮮明さが売りだ。シャープは世界で初めてスマホの4K液晶パネルを実現。開発にあたった奈良の研究所の責任者・上田直樹さん(52歳)は、「技術では負けていないと常に思っています」と誇らしげに語る。

この4K液晶パネルは、中国で急成長している大手インターネット放送局「楽視」に、自社ブランドのスマホ部品として採用された。シャープは今後、中国での液晶パネルの取引先を25社まで増やしてく目標を掲げている。販売を担う岡野さんも諦めてはいない。

「会社の状況は分かっているので、それを受け止めながら、できることをベストを尽くしてやっていくしかない」

番組では、液晶の光学技術を使って「広視野角フィルム」を開発し、新事業を展開する研究開発本部の鎌田豪さん(49歳)も紹介した。フィルムを窓に貼ることで太陽光が照明として利用でき、不動産会社のヒューリックがオフィスビルに採用。年間およそ25%の省エネになりエコ建材として需要が見込まれる。鎌田さんは、今後の目標をこう語った。

「これを皮切りに、日本中や世界に広めていく。それに合わせて会社を救うというのが私の夢です」

番組に登場した社員たちは、危機的状況ではあるが「会社を背負って立つ」という自負に燃えているようでもあった。2万4000人いる社員のうち15%がリストラ対象者で、その声は聞かれず残念な気もしたが、液晶に頼りすぎという批判を受け止めつつ、液晶技術を極限まで高めることに勝負をかけるシャープのプライドと底力を感じた。(ライター:okei)

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