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「年功序列廃止」は波及するか? 政労使会議でホンダ、日立、パナソニックの賃金制度公開

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政府と経営者、労働者の代表からなる「政労使会議」の第2回会議が10月22日に開かれた。パナソニックと本田技研工業、日立製作所の3社の代表が出席し、それぞれ自社の賃金・評価制度について説明を行ったが、この席上で配付された資料が政労使会議のホームページで公開されている。

自動車業界ではホンダが2002年から、日産自動車が2004年から一般社員の年功序列を廃止し、役割や成果、発揮能力に応じた賃金制度を導入している。これに大手電機メーカーも追随しつつあり、日本型経営見直しの波が加速していきそうな気配だ。
日立のねらいは「グローバルでの最適人財の最適配置」

ホンダは1992年に役職者の定期昇給を廃止し、成果型の年俸制を導入した。2002年には一般社員にも成果型賃金体系を導入し、係長クラスなど「一般社員上位層」は定期昇給も廃止した。現在の賃金・評価制度の特長については、

「年齢や性別等、個人の属性を排除した実力・成果型の処遇制度」
「役職・一般従業員ともに年功的要素を排除した成果重視の体系」

とまとめられている。一般社員の賃金体系では、「能力発揮ステージ」に差し掛かる27歳~39歳の「子育て世代」の賃金水準を引き上げる一方で、40歳以降の管理職については成果・業績に応じて処遇を変えている。年功賃金は廃止されているので、仕事ぶりによっては年収ダウンもありうる形だ。

日立製作所は今年10月から、管理職を対象に年功制を廃止すると発表している。管理職は「日立グローバルグレード(HGG)」という世界共通の尺度で職務・役割によって7等級に分け、月給は「仕事」と「成果」によって決定されるようになった。ねらいは次の3つだ。

「グローバル一体での事業運営体制確立」
「グループ・グローバルでの最適人財の最適配置」
「グローバル標準、高い透明性→ダイバーシティ対応力の強化」

パナソニックも年功廃止が「一般社員」に波及

政労使会議における政府のねらいのひとつは、世界における日本の競争力確保だ。そのためにはイノベーションを通じた「新たな価値の創出」が重要で、かつ「源泉となる人材育成が鍵」だとしている。厳しいグローバル競争にさらされる電機メーカーも、いよいよ人事面の制度改革に乗り出さなればならなくなったというわけだ。

パナソニックの資料にも、その一端が表れている。今年10月から管理職の処遇については「役割・仕事」と連動させ、「年功要素を排除」するとしている。賃金は「役割に応じてアップダウン」する形で支払われる。

同社ではこの制度を、さらに係長以下の一般社員にも導入しようとしているという。現在は労使協議中で、早ければ15年4月から「仕事ベースの処遇」に見直すことになる。ただし一般社員は「育成段階」のため、賃金が一定水準に至るまでは「積み上げ型」(従来の賃金カーブと一部同じ)の部分を残す方針だ。

日経新聞、毎日新聞など新聞各紙では、23日の朝刊で「年功廃止」に前向きな経営者のコメントを一斉に掲載している。

「賃金配分を見直し子育て層の処遇改善につなげていきたい」(パナソニック・津賀一宏社長)
「(成果主義の導入は)生産性の向上に大いに効いてくるはず」(日立製作所・中西宏明会長)

安倍首相は会議中、「賃金体系や人事制度の設計は、個々の企業の労使間で決定することが基本だ」と述べ、賃金の上昇や生産性向上に向けた各企業の改革を促している。電機メーカー各社が動いたことで、多くの日本企業に「年功序列廃止」の波が波及しそうだ。

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