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父の死を機に小作させてもらっている田の返還を地主が要求!どうしたらよい?

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Q.

 実家の農地の件でご相談いたします。去年の6月に私の父が96才で亡くなりました。法定相続人は私を含め3人います。私の祖父の代から約560平米の田を借り、自己所有の田とあわせて農業をしていました。しかし、祖父も亡くなり、ここ10年ほど前からは父の体力も衰えてきたので自分で耕作できなくなり、農協に相談して近所の農家の人を紹介してもらい、自己所有の田も「小作させてもらっている田」も一緒にその近所の農家の人に米を作ってもらっていました。
 父が健在な時には何も言わなかったのに、父が亡くなると急に地主様から小作させてもらっている田を「転貸し」しているから返却して欲しいと言われました。私共には一切悪意はなく「転貸し」している気持ちはないのですが、このような場合「小作させてもらっている田」は返還しなければいけないのでしょうか?私共は今後もその近所の農家の人に田の耕作をお願いしようと思っています。
 仮に返還しなければならないとすると、私共相続人が小作権の買取り等を地主様に請求できるのでしょうか?ご指導ください。路線価で調べると、このあたりの借地権割合は6対4です。6割が地主さん4割が借地人になっています。
 ちなみに小作料は祖父の代に年間米一俵程納入していたのですが地主様が途中から一方的に受取らなくなったので現在も納めていませんが、この度返却してほしいとの申し出があった時に急に今まで未納分の小作料を欲しいと持ち出されました。過去何十年も請求しなかったのに、又請求されれば当方もその都度支払っていたのですが、何も請求されなかったので未納のまま今日にいたっております。この点についても時効とかわないのでしょうかお尋ねします。宜しくお教えください。

(60代:女性)

A.

 農地を小作している場合、地主との法律関係は、賃貸借関係か永小作権関係かのいずれかですが、現状のほとんどは賃貸借関係であると言われておりますので、そのことを前提とします。

 まず、近所の農家の人に耕作をお願いしていることが「転貸」に該当するかどうかです。
 客観的には「転貸」に該当するといわざるをえません。しかも、農地の転貸は権利関係が複雑になることから農地法3条の許可の対象外(=許可を求めることができない)となっています。

 しかし、最高裁の判例によれば、転貸行為が賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、賃貸借契約の解除権は発生しないとされています。
 ご相談の場合、10年もの間地主が放置していたというのですから、この特段の事情が認められる場合もあるかと思いますが、その場合土地を返還する必要はありません。

 次に、小作料(賃料)ですが、5年で時効消滅するため(民法169条)、5年より前の未払い賃料は時効消滅しています。
 ただ、賃料不払いは賃貸借契約解除の理由となります。まとめて支払うことができるのであれば、未払い分を支払うことにした方がよいでしょう。
 また、地主が受領を拒絶していたことから、未払い分を支払わずとも、賃貸借契約の解除権が発生しないということもないとは限りません。

 最後に、返還しなければならない場合の賃借権の買取りですが、無断転貸や賃料不払いを理由に契約が解除された場合には、そのような買取り権は発生しません。
 また、地主との合意をもって契約を解除したからといって、借地権割合に従った買取り権が必ず発生するというものでもありません。
 しかも、農地の場合、一般宅地と異なり、賃料が安いとされていることからすれば、買取り権が発生したとしても、借地権割合にそった価格というわけにはいかないでしょう。

 合意解除が前提のことですから、地主さんとよく話し合うことです。

元記事

父の死を機に小作させてもらっている田の返還を地主が要求!どうしたらよい?

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