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年末年始の安倍首相 ハイテンションで何でもプラス思考に

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 宰相には「攻め」に強いタイプと「守り」に長けたタイプがいる。戦後の首相でいえば、前者の代表格が日本列島改造論を掲げて登場し、首相就任直後に電撃訪中して日中国交正常化を成し遂げた田中角栄・元首相であり、後者の代表は数々の政権スキャンダルを内閣改造で乗り切り、「人事の佐藤」と呼ばれて首相在任7年8か月の戦後最長記録を打ち立てた佐藤栄作・元首相だろう。

 そうした分類からみると、安倍晋三・首相は大叔父である佐藤型ではなく、自民党の系譜ではライバル派閥の領袖にあたる角栄型ではないか。

 首相に返り咲くや「アベノミクス」を看板に経済・金融政策を大転換し、中国や韓国への強硬姿勢で「媚びない外交」を鮮明にした。能動的に仕掛ける攻めの姿勢が角栄によく似ている。せっかちで、テンションが高いのも攻撃型首相の特徴だ。

 とくにこの年末年始、安倍首相のテンションは異常なまでに高く、「トップギアに入っている」(自民党幹部)と見られている。そんな精神状態のときは、何でもプラス思考に受け止める。北朝鮮の“水爆実験”や中国発の株価急落さえも、首相の目には「追い風」に映っているようなのだ。最新の「安倍語録」からそれがうかがえる。

 安倍首相は昨年末、韓国と電撃的に慰安婦合意(※注)を結んだが、国内で保守派から強い批判があがったのは誤算だった。この正月、官邸の側近は首相がこんな冗談を漏らしたのを耳にしたという。

【※注/昨年12月28日に日韓両国の外相が会談。安倍首相が元慰安婦に「心からお詫びと反省の気持ち」を表明し、元慰安婦支援に10億円規模の拠出を行なうなどして、「最終的かつ不可逆的」な解決とすることで合意したと発表された】

「北(北朝鮮)がミサイルでも発射するんじゃないかな」

 すると1月6日、北朝鮮が突然、「水爆実験成功」を発表。“予言”した弾道ミサイルではなかったものの、首相は即座に韓国の朴槿恵・大統領と電話会談で対応を協議し、「慰安婦合意があったからこそ日韓が連携できる」と胸を張った。自民党長老は安倍首相の内心を射貫く言い方をする。

「総理には運が必要だが、安倍君にとって核実験は僥倖だったね。これで拉致交渉の行き詰まりも、相手の核実験のせいだと責任転嫁できる。北に強硬な“本来の安倍”に戻れる」

 株価の急落も“オレのせいじゃない”と深刻には考えていない。

「株価下落の原因は中国経済がおかしくなったからで、総理は中国経済が悪くなっているという報告には喜色満面にして耳を傾ける。習近平の失点は自分にプラスということ。それゆえに国会でアベノミクスの失敗と言われるとムキになって反論する」(首相側近)

 そんな安倍首相のテンションが最高潮に達したのが新年早々の衆院予算委員会(1月12日)だった。民主党議員から拉致被害者の兄・蓮池透氏の著書『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社刊)の記述について質問されると、

「私が言っていることが真実だとバッジをかけて言える。違っていたら国会議員を辞める」

 そう唸りをあげて反論したのだ。予算委員の1人が、「委員会室の最前列の議員に唾が飛んでくるほど総理は興奮しきっていた」と驚くほどの剣幕だった。

※週刊ポスト2016年2月5日日号


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