ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

北の湖が「遺言」で次期理事長に推挙したとされる名前で波紋

DATE:
  • ガジェット通信を≫

 日本相撲協会では、2年ごとに10人の理事(親方が対象)を改選する役員候補選挙(理事選)が行なわれる。立候補者が11人以上になると、年寄名跡(現在は97)を所有する全親方による選挙となる。

 1月末に行なわれるこの選挙に大きな影響力を持つのが「一門」と呼ばれる角界の派閥だ。

 一門とは師弟など、密接な関係にある部屋同士で作るグループのこと。元々は稽古や冠婚葬祭などで協力するためのものだったが、いつしか「理事選の票固め」が主要な目的になってきた。各一門は理事選を前に「一門会」を開き、次の選挙では誰を候補者にするかを決定する。いわば理事は各一門の利益代表の意味合いが強い。

 理事の数は一門の勢力の大きさ(親方の数)に応じて比例配分されている。現体制では、出羽海の3を筆頭に、二所ノ関2、伊勢ヶ濱2、高砂1、時津風1、貴乃花1。票数が足りない場合は他の一門との協力態勢を取ることもある。例えば前回の選挙では最後の1枠を巡って、高砂一門の九重親方(元横綱・千代の富士)と、伊勢ヶ濱一門の友綱親方(元関脇・魁輝)が争い、他の一門から支援を受けた友綱親方が当選した。

 あれから2年──再び巡ってきた理事選は、すでに波乱の兆しを見せている。今までの一門制ではコントロール不能の事態となりそうなのだ。きっかけとなる綻びは、意外なところで発生した。

 今1月場所中、理事選を前に最大派閥・出羽海一門では候補者決定のための「一門会」が開かれた。

 出羽海一門では昨年11月に前理事長の北の湖親方が急逝。残る出来山親方(元関脇・出羽の花)と千賀ノ浦親方(元関脇・舛田山)は次の任期中に定年を迎えるため出馬しない。つまり理事全員が刷新される。

 候補として名前が挙がったのが、春日野親方(元関脇・栃乃和歌)、境川親方(元小結・両国)、出羽海親方(元前頭・小城ノ花)。一門会はこの3人の推挙で終わると見られていた。

 ところがそこに「待った」がかかった。声の主は北の湖部屋を継いでいる山響親方(元前頭・巌雄)だった。

「山響が“北の湖さんの遺言だ”といって急に立候補したいといってきた。もちろん他の親方は“そんな遺言など聞いたことがない”“顔じゃない(*注)”として猛反発した。しかし山響は一門の若手親方らを味方につけ、結果的に候補者4人のうち3番目の票を集めた。一門としても認めざるを得ない状況になり、煽りを受けて境川が落選の危機に立たされている」(出羽海一門の古参親方)

【*注:角界の隠語で「分不相応」、身分や能力などを考えて相応しくないという意味を指す。また、非礼や不作法などを叱る場合にも使われる】

 しかも山響親方の語る「遺言」が、「単に自分が理事になりたいというものではなかった」(同前)ことが、問題を複雑にしている。

「遺言は“貴乃花を次の理事長にせよ”というものだったという。そのために山響が理事になり、互選の際に貴乃花を後押ししたいということだった。若手が山響を支持したのはそのため。若手には貴乃花シンパが多いから……」(後援会関係者)

※週刊ポスト2016年2月5日号


(NEWSポストセブン)記事関連リンク
相撲協会 「次期・貴乃花理事長体制」に向かって形勢固まる
北の湖氏死去で次期理事長は九重有力、八角と貴乃花は不透明
相撲協会理事長選 導入以来30年間無投票選出が続いていた

NEWSポストセブンの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。