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宗教的マイノリティーがマジョリティーを味わった結果

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Photo Credit:Misaki Tachibana「白い空の下、甘いお菓子を頬張りながらポーランドを練り歩く(ワルシャワ、クラクフ)」

こんにちは、TRiPORTライターの新田浩之です。
今回は「宗教」にスポットを当てて、私自身の考え方の変化について書きたいと思います。この記事を通じて、「宗教」がものすごく大切な要素であること、そして「日本にも、このような人がいるんだ」と思っていただければ幸いです。

20年以上、宗教マイノリティーを経験して

私は現在28歳ですが、幼稚園の頃からキリスト教のカトリックを信仰しています。今でも定期的に、日曜日になると近くのカトリック教会へ行きます。私にとって、「キリスト教カトリック」は自分のアイデンティティーの一部。これを具体的に言葉で説明するのは難しいのですが…。

ところで、日本にはキリスト教徒がどれくらい存在するか、ご存知でしょうか。キリスト教信者は約190万人で、人口比約1%。そのうち、カトリックは約40万人で、人口比0.3%なのです(ただし、宗教の信者数は不明瞭な部分が多いので、あくまでも参考記録ですが)。この数字を見ると、いかにキリスト教カトリックが日本においてマイノリティーであるか、よくわかるでしょう。

確かに、日本政府は「信教の自由」を保証しているので、政府から宗教的な差別を受けたことはありません。しかし日常では、キリスト教カトリックに対する偏見、警戒感を感じることがあります。

例えば小学校の頃、宗教のせいでからかわれたこともありました。学生時代には、友人にカトリックであることを告白すると、「布教活動されるのでは」と、急に身構えた友人もいました。また、友人が仏教からキリスト教に改宗したいと親に相談しても、親はキリスト教に対する警戒感を持ち、改宗を許さないというケースも。

このように日本では、なかなか自分自身の宗教的属性、宗教観を話しにくいのが現状です。今でも、政情が不安定になればマイノリティーであるがゆえに「迫害されるのでは」という危機感が、心のどこかにあります。

Photo Credit:トモテラ「クロアチア再訪 ザグレブ」

キリスト教がマジョリティーの地域では?

私は大学でヨーロッパについて学んでいた関係で、実際に現地へ足を運ぶ機会も多くあります。現地のホステルでは、ヨーロッパの人からよくこう聞かれます。「日本人か。君の宗教は神道かそれとも仏教か?」と。

私が「キリスト教のカトリックです」と答えると、彼らは驚いた顔をして「カトリック! 俺と同じじゃないか。兄弟だ」と握手を求めてきます。正直、日本とは真逆とも言える反応が返ってきたので、驚きと嬉しさを感じました。

昨年、ポーランドのヴロツワフに行き、ミサにあずかりました。もちろん周りはポーランド人だけですし、ミサもポーランド語で行われます。ただし、ミサの流れは日本と同じです。ミサの中で、互いに挨拶をする儀式があるのですが、周りのポーランド人は何の躊躇もなく、私と握手してくれました。このとき、思わず感動して泣きそうになってしまいました。いま振り返ると、あの空間では「カトリック教徒」という括りで、互いに「国境」はなかったと思います。

筆者撮影

暗中模索の日々

確かに、私は日本人で日本文化・習慣が身についているのは事実です。しかし、宗教観は日本と合っていません。反対に、私にとってヨーロッパは言葉や習慣はもちろん異なり、わかりえないこともあります。しかし、「宗教」というカテゴリーでは一致するのです。そういう意味においては、精神的にヨーロッパにいたほうが楽に感じることもあります。ただ最近は、このマイノリティーな立場を活かす方法を模索しています。「他宗教の尊重」や「宗教対立」に関して、肌感覚と理論を組み合わせて考えていければと思っています。

ライター:新田浩之
Photo by:トモテラ「クロアチア再訪 ザグレブ」

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