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誰でも弾けるピアノ − イタリアの駅で人とアートに出会う旅

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Photo credit: Verónica Villa Agudelo “Street pianto at St Pancras” via Flickr (license)

TRiPORTライターのレティです。
東京のような大都市に長く住んでいると、駅では焦ることが多くなってしまいます。次の電車はすぐ到着するはずなのに、「まもなく電車が発車します」と聞くと、思わず走り出したくなるのです。しかし駅は、電車に乗るためだけの場所ではなく、「待つ場所」でもあります。そして新しい出会いと発見の場所なのです。

イタリアの大都市では、駅の本来の形がまだ残っています。正確には、その形がとり戻されているというべきなのかもしれません。そうなったのは誰でも弾けるピアノを提供している「UNITED STREET PIANOS」プロジェクトのおかげ。

ベネツィアからはじまったこのプロジェクトはどんどん広まり、現在ミラノ、ローマ、フィレンツェ、ナポリなどの駅には「Suonami, sono tuo. Play me, I’m yours」(自由に弾いてください、あなたのものです)というメッセージとともに、ピアノが置いてあります。

イタリアでこのプロジェクトを始めたのはピアニストのソフィア・タリアーニ氏ですが、駅に誰でも弾けるピアノを設置するというアイディアはロンドンで生まれました。イギリス人のアーティストLuke Jerramが始めた「Street Pianos」というプロジェクトによって、ロンドンをはじめとした世界中の街に500台以上のピアノが設置されました。道を通る人々は、いつでも自由にピアノを弾くことができます。

ロンドンのセント・パンクラス駅で2ヶ月にわたってパーフォーマンスしていたタリアーニ氏がそこからインスピレーションを受けて、今度はイタリアの駅にピアノをプレゼントする「UNITED STREET PIANOS」を始めたのです。

老若男女問わず、プロの人もそうでない人も、だれでもピアノに触れてもらう。彼は自由に弾けるピアノを街にプレゼントすることによって、人間が平等であることを確かめるきっかけをつくりたいと思っているそうです。

最初にヴェネツィア・サンタルチア駅(Stazione di Santa Lucia)に「Lucy」と名のピアノが設置されました。すると次々に他の街もプロジェクトに参加し、現在は様々な駅に自由に弾けるピアノがあります。そのピアノの回りには、毎日たくさんの人が集まっています。

ミラノ駅やナポリ駅でのピアノが壊されたこもありましたが、犯人たちは捕まり、現在は以前と同じように弾くことができるようになりました。また、ナポリではイタリアの主要な鉄道駅を運営する「グランディ・スタツィオーニ」が2台の新しいピアノを購入し、さらに匿名の作詞家が1台プレゼント。現在ナポリでは自由に弾けるピアノが3台あり、ナポリ中央駅、ナポリ空港とサン・ドメニコ・マッジョーレ教会に設置されています。

イタリアの電車は時間を守らないことで世界的に有名です。今度のイタリアの旅で電車を待つ機会に出くわしたら、イライラせずにピアノを探して弾いてみてはいかがですか? 駅は急ぐ場所ではなく、人とアートに出会える場所だと(再)発見できるかもしれません。

ライター:Letizia Guarini
Photo by: Verónica Villa Agudelo “Street pianto at St Pancras” via Flickr (license)

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