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映画『ブラック・スキャンダル』でジョニー・デップと共演 ジョエル・エドガートンがFBI汚職事件のキーパーソンを語る

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1970年代の実話をもとに、ギャング×FBI×政治家が密約を交わした驚がくのスキャンダルを描く映画『ブラック・スキャンダル』(1月30日公開)。

ジョニー・デップが16年間の逃亡の末に逮捕された伝説のギャング、ジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーに扮し、FBI捜査官コノリー役をジョエル・エドガートン、バルジャーの弟で有力政治家ビリー役をベネディクト・カンバーバッジがそれぞれ演じる。ボストンで幼なじみとして育った3人の男たちはそれぞれ大きな権力を握り、その絆がやがて米国の正義の根幹を揺るがす大事件へと変貌していき……。

今作の製作過程で、出演者らは実在の人物の歴史にいかにアプローチし、この魅力的な犯罪ドラマを作り上げたのか。オーストラリア出身の俳優で、本作では汚職事件の鍵を握るFBI捜査官のコノリー役を演じたジョエル・エドガートンに電話インタビューを行った。


――バルジャー逮捕当時はすでにハリウッドでご活躍されていて、他の映画の題材にもなっているので、彼の存在は知っていたと思うのですが、今作を通じてその印象に変化はありましたか?

エドガートン:彼が逮捕された時に新聞で読んだよ。僕はいわゆるギャングの話に惹かれるんだ。イタリアのマフィアとかメキシコのカルテル、オーストラリアの犯罪ストーリーとかね。あれほど長期間、アメリカ当局から逃亡し続けられた男ということで興味を持ったんだ。

ただ、バルジャーや僕が演じたコノリーといった人物の詳細に興味を持ったのは、この映画に関わってからだ。僕のバルジャーについての印象は、映画を作り始めてからはあまり変わっていない。というのは、この事件の驚くべき詳細や彼にまつわる小さな出来事の関わりを理解するようになって、ただ単純に驚嘆しているからなんだ。

――バルジャーに注目が集まりがちですが、コノリーという人物に着目してストーリーを追っても非常に興味深いですよね。

エドガートン:二面性があり、とても利己的で、すごく野心的だ。そういった資質を表現できたら、と思ったし、俳優としてこのキャラクターを演じることにワクワクした。コノリーは悪い奴じゃないけど、でも悪い奴でもあり、いい奴でもないけど、普通の人でもあり……といった彼の複雑な心理が僕を興奮させたんだ。

――実在の人物を演じる上で、どのようなアプローチを行ったのでしょうか?

エドガートン:コノリー本人がインタビューを受けている映像素材がたくさんあるんだ。裁判が始まってから、彼はプレスに対して多くの発言をしている。テレビのインタビューとか、裁判所で議論しているところとか、ドキュメンタリーもある。たくさんの映像素材があったから、彼の外見とか、動き方とか、特に話し方とか声はそこから学んで、(ボストン独特の)彼のアクセントを真似ていった。またFBIの同僚から得た情報もあるし、さらに原作となった著書『密告者のゲーム:FBIとマフィア、禁断の密約』を読むと、その時期とか出来事、動機などがいろいろと分かるんだ。

ただ、刑務所に彼を訪ねることは、あえてしなかった。というのは、事件について原作が伝えていることと、彼が持っている意見が違うという事実がはっきり分かっていたからなんだ。本の中では、単純にコノリーは犯罪者だと言っている。でも彼は、彼なりの理由があって、FBIが許可した範囲でやっただけで、周りが言うほどの大犯罪人ではないと主張している。だから彼を訪問するのは不誠実な気がしたんだ。

――バルジャーの影響を受けてどんどんと闇に堕ちていくコノリーの変化が巧みに表現されていました。その研究の成果だったわけですね。

エドガートン:その変化は脚本にとても明確に書かれていたし、どう演じるかも明確だった。脚本の中にも、僕が会った人たちからも、コノリーが変わってきたという、たくさんの手掛かりがあったよ。映画の中で、コノリーの妻が「あなたの動き方、歩き方、服装が違う」って言っていたよね。だから衣装を変化させるように細かく注意した。高価なスーツを着るようになって、アクセサリーや金の腕時計を身につけるようになるんだ。

僕が出会ったあるFBI捜査官は、コノリーを「孔雀」と形容したんだ。面白い言葉だよね、孔雀はカラフルで派手で、誇りがあって、自信があるように見える。それがコノリーにとって大切な言葉だと思った。突然、彼は自分がギャングとしての自信に満ちて、動き方、歩き方、見かけが変わってきた。同じ人間の中でこれほど変化するのはエキサインティングだと思った。

――ジョニー・デップ、ベネディクト・カンバーバッチとの共演はいかがでしたか?

エドガートン:僕は若い時からジョニー・デップの大ファンだったし、今でも触発されている。彼とレオナルド・ディカプリオが、僕が役者として生きていく自信をつけてくれた。だからそういう人と共演できるのはワクワクする。ジョニーはそのキャラクターに本当に変身してしまう人だから、共演していて驚嘆するよ。外見だけでなく、静かな危険さを感じさせる演技でバルジャーの性格になりきってしまうんだ。

ベネディクトも、ずっと大ファンだった。僕らは同じくらいの年齢で、二人とも舞台出身だし、彼と共演するのも楽しみだった。あと、二人ともそれほどハードワーカーじゃないのが良かったよ(笑)。


――個人的なベストシーンは、食卓でバルジャーがレシピを尋ねる場面です。最高でした! まさに「静かな危険さ」を体現したハイライトとも言えるシーンじゃないでしょうか?

エドガートン:あれは、とてもエキサイティングな日だったよ。ジョニーと、レシピを渡す役のデイビット・ハーバーがいて、一流選手のテニスの試合の審判になったような気分だった。というのは、二人の間の緊張感が素晴らしくて、僕は二人のど真ん中に座っていたんだからね。

俳優として、映画が完成するまで、そのシーンの緊張感が見えないことはよくある。音楽、撮影、音響、編集などが緊張感を引き出すからね。でも時にはシーンをやっていて、まるで舞台をやっているような長回しだと、その緊張が感じられることがある。その日感じた緊張感が、完成した映画でも素晴らしいものになるって想像できるんだ。

――その他にもお気に入りのシーンなどはありますか?

エドガートン:僕がFBIオフィスでケヴィン・ベーコンと喧嘩しそうなシーンがあるよね。あれは特別な日だったな。それと、ディナーテーブルでの“レシピ”の直後、すごく怖いシーンがある。バルジャーが2階に上がって、コノリーの妻に会いに行く。あのシーンは、ものすごく居心地の悪い感じがして、映画の中でもベストシーンの一つだし、ジョニーのこれまでのキャリアの中でも、また映画史としても突出しているシーンだと思う。僕が入ってないけれど、お気に入りのシーンのひとつだよ。

――これから鑑賞する日本の観客にも注目して欲しいですね。本日はありがとうございました!

映画 『ブラック・スキャンダル』本予告(YouTube)
https://youtu.be/2baNOqTWg7k

映画『ブラック・スキャンダル』公式サイト:
www.black-scandal.jp

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記者:

PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

TwitterID: stamina_taro

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