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貸切バスの法規制

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貸切バスの法規制

 長野県軽井沢町で1月15日未明に走行中の大型バスが転落し15人が死亡するなどした痛ましい事故が発生しました。長野県警の調べによれば、犠牲となった乗客13人全員が19~22歳の大学生だったそうです。
 痛ましいバス事故といえば、2012年4月に関越自動車道で高速ツアーバスが防音壁に衝突し、乗客7人が死亡した事故が発生したことも記憶に新しいところです。
 今回はバスについてどのように法規制が行われているのかについて見てみたいと思います。

 以前は「高速ツアーバス」が多く使われていました。
 「高速ツアーバス」とは、高速道路経由で特定の拠点間の移動を目的とする募集型企画旅行で、旅行会社による旅行商品の一形態と定義されており、旅行業法が適用されていました。
 利用者の契約の相手方である旅行会社は、バス会社ではありませんのでバス運行の安全確保に直接の責任を負っていませんでした。

 このように高速ツアーバスについては、安全管理の責任が曖昧になってしまうという点が問題視されていたところに、2012年の関越自動車道の事故が発生したことにより、徐々に規制が強められ、2013年7月に高速ツアーバスは運行ができなくなりました。

 その後、新高速乗合バス制度がスタートしました。新しい制度では、停留所の設置義務、一定数台数以上の車両の自社保有、運行計画の事前届出、400キロを超える夜間運行の場合は原則2名乗務する、等の要件を充たすことが必要となりました。
 この制度は、道路運送法が適用となります。

 道路運送法では、安全の確保のために様々な義務を設けています。
 バス会社等旅客自動車運送事業者に対して、乗務員の健康状態の把握に努め、病気や疲労等により安全な運転を継続したり補助したりすることが出来ないおそれがある場合には乗務員を乗車させてはいけない等の過労防止措置を行うこと(道路運送法に基づく旅客自動車運送事業運輸規則21条)、乗務しようとする運転者に対して酒気帯びの有無や疾病・疲労の有無の確認のための点呼、報告、確認をすること(同規則24条)等が定められています。

 また、乗務員の氏名、事故を起こした場合は事故の概要や健康状態等の情報を記載した乗務員台帳を作成し、営業所に備えて置かなければならないことになっています(同規則37条)。

 今回事故を起こしたバス会社は、すでに自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷行為処罰法)違反で捜査が行われていますが、道路運送法違反についても疑いが持たれています。

 法や制度が安全について厳しく整備されたとしても、運用がきちんとなされていないのでは、絵に描いた餅にすぎません。
 今回の事故の背景には、運転手不足や運転手の高齢化等の事情もあったとも言われています。
 このような痛ましい事故が今後繰り返されないためにも、事故が起こった背景も踏まえた再発防止策を検討する必要があるのではないでしょうか。

元記事

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