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レジを締めた時に誤差が生じた場合、アルバイトが補填する必要があるか?

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Q.

 ある牛丼チェーンに勤務している大学生です。先日、バイトをしていた時に、レジを締めたところ、現金が5000円足りませんでした。マネージャーに報告すると「レジを触っていたのはほとんどお前だから、お前が自腹で埋め合わせしろ」と言われ、盗んだと思われるのも嫌だったので全額支払いました。本来、これは払う必要があったのでしょうか?また、お金を取り戻すことはできるでしょうか?

(10代:男性)

A.

 労働基準法16条では、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と規定しています。
 ここで言う、不履行とは、簡単に言えば業務上のミスです。

 今回のケースでは、お客様の支払金額の授受は、アルバイトの業務に当然含まれる内容であり、これについてミスが有り、その結果レジに誤差が生じたということですから、法律上の労働契約上の不履行に合致すると考えられます。
 したがって、こうしたミスについて違約金を定めたり、損害賠償額を予定することなどはできないことになります。

 ご相談者様がアルバイトをされている牛丼チェーンのような大きな企業であれば、アルバイトについても就労の際に「アルバイト契約」として上記を踏まえた内容での契約がなされていると思われます。
 そのため、会社として誤差を支払えとは言えないものと考えられます。おそらく、マネージャーの独断で違算の請求がなされたのだと思われます。

 一方、だからといって、会社側がご相談者様に対して、業務上のミスに起因して会社に損害が生じた場合、損害賠償請求をすることは妨げられません。
 具体的には労働契約の債務不履行に基づく損害賠償請求(民法415条)という法的構成が考えられます。

 この法的構成においては、ご相談者様の不注意の有無、程度、ご相談者様の業務の内容や労働条件、レジの締め作業にどの程度責任があったか、使用者側の監督の度合いがどの程度であったかなどを総合的に判断して損害賠償請求が認められるかどうかを判断します。

 今回のケースであれば、ご相談者様が誠実にアルバイトをしていれば、不注意の程度に応じた金額の支払いのみにとどまり、全額の負担を強いられるような内容ではないと思われます。

 ただ、これはあくまで訴訟に発展した場合のお話です。
 これまで述べたように、基本的には補填の必要はないわけですから、マネージャーに相談して取り付く島がなければ、チェーンを統括している本部の労務担当や労働基準監督署などにご相談されてはいかがでしょうか。
 レジの誤差が生じた状況を振り返って、ご自身は誠実に業務を行っていた旨を説明し、補填した金額の返金をお願いするというのが妥当な解決への道ではないかと考えます。

元記事

レジを締めた時に誤差が生じた場合、アルバイトが補填する必要があるか?

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