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韓国大法院無罪判決

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 面白い記事を目にした。
 日本での最高裁判所に相当する韓国大法院が、飲酒運転などの罪で起訴されていた男性について、無罪判決を出したというものであった。

 記事による事実関係は、ごく簡単にしか紹介されていないが、次のようなものである。
 事故の1時間前から10分前までの50分間に焼酎3杯程度を飲んだ男性が、自己の車両を運転中、信号無視をして通行人2人をはねたということである。そして、その30分後なされた飲酒検査の結果、道交法に定める血中アルコール濃度が検出された。

 罪数関係は別にして、日本に置き換えると、飲酒運転の罪、信号無視の罪、過失運転致傷罪となる。
 記事では言及されていなかったが、よもや完全無罪というわけではなく、飲酒運転の罪に限って無罪ということだろうと思う。それでなければ明らかにおかしい判決だからである。

 ところで、飲酒運転について無罪となった理由について、大法院は、「血中アルコール濃度は、飲酒後の30分から90分の間に急上昇し、その後低下するのであって、最も高い時点で測定されており、事故時には低かったはずである」としている。

 うん?今一つ飲み込めない。よくよく考えると、事故後30分経過した時点での検査数値が最も高いものであるが、その時点では車を運転しておらず、運転中は法に定める基準を超えていなかった可能性があるというものだろう。
 それでも分からない。検察官による立証の問題もあったのだとは思うが、そこは不明である。

 理数系に弱い私は、時系列を作成してみた。
 飲酒開始―(50分経過)―運転開始―(10分経過)―事故発生―(30分経過)―検査
 ということになる。

 これで納得できた。検査時点が最も高い数値で基準を超えていたが、それまでは低い値、つまり基準を越えない数値であった可能性があることから、検察が運転時にも基準を越える高い数値であることを立証できていない以上、飲酒運転については無罪ということだろうと思う。

 それでも、先に述べたように、2二人が怪我をしているのであることや、情状としての飲酒事実を考えると、飲酒運転が無罪でも、それ相応の刑となったと予測できる。記事の見出しからだと、なんかその男性が全面無罪というような印象で、若干ミスリードではないかと思った次第である。

 マスコミによるそのような記載はよくあることである。
 例えば、殺人冤罪事件で有名な山中事件というのがあるが、共犯者から主犯と名指しされた男性が、死刑判決を受けたものの、最高裁で差戻しとなり、その後無罪となったものである。
 その男性は、共犯者と行ったとされる殺人事件及びその後共犯者を口封じのために殺害しようとした殺人未遂(その後強盗殺人未遂に変更)で裁判を受けていた。
 その男性の無罪判決は、共犯者と行ったとされる殺人事件のみであって、共犯者とされる者に対する強盗殺人未遂は問題なく有罪として確定している。

 ところが、マスコミは、殺人事件での冤罪無罪判決を取り上げ、あたかもその男性が他の罪も犯していない、冤罪に巻き込まれた可哀想な人物であるかのような記事を流し続けた。
 おそらく、強盗殺人未遂だけであれば、マスコミは極悪人かのような記事を出していただろうと思われるが、そのバランス感覚にはかなりの疑問を抱くのは、私だけであろうか。

元記事

韓国大法院無罪判決

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