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訴訟物を特定してくださいと言われたがどうすればよいか?

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訴訟物を特定してくださいと言われたがどうすればよいか?

Q.

 友人に頼まれ、立替えをしましたが、返金されないため訴訟を提起しました。すると、裁判所から本件の訴訟物を特定してくださいと言われました。給料の支払いのために経営者から頼まれて貸したお金の訴訟物は何になりますか?

(50代:女性)

A.

 訴訟物とは、裁判の対象となる特定の権利・義務または法律関係のことを意味します。簡単にいえば、裁判を通じて相手方に請求する具体的内容となるものです。

 訴訟物は原告によって特定されなければなりません。
 というのも、訴訟物が特定されないと、被告は何が問題になっているのかを的確に把握できず、十分に訴訟上の防御を尽くせないためです。

 その他にも、原告が複数の請求を主張する場合、同一の裁判の中でまとめて審理する請求の客観的併合(民事訴訟法136条)を行うかどうかの判断材料とされたり、重複起訴ではないかを確認したり(民事訴訟法142条)するためにも訴訟物の特定は重要になります。

 この訴訟物の特定は、基本的に訴状においてなされます。訴状には、大きく次の2つが記載される必要があります。

(1)請求の趣旨
(2)請求の原因(これを通じて訴訟物が特定されます)
です。

 請求の趣旨とは、裁判の結論となる主文に相当するものです。簡単にいえば、「○○は××にいくらを支払え」というような部分です。

 請求の原因とは、請求(=訴訟物)を特定の権利主張として構成するのに必要な事実のことです。
 前述の請求の趣旨のように、ある人物にお金の支払を求めるような訴訟を提起する場合、請求が生じる原因となる事実を記載することになります。
 例えば、○○さんにお金を貸した。それが返済期限を過ぎても返されない。という事実です。

 今回のケースでは、友人である経営者が給料の支払いに窮し、その元手となるお金をご相談者様が貸された。にもかかわらず、友人である経営者がお金を返さないがために、訴訟を提起したという背景かと思われます。
 立替払いに見えて、実質的には「貸したお金が返されない」ということですから、貸金返還請求をしていることになると思われます(具体的には、訴訟物たる請求としては消費貸借契約(民法587条)に基づく、貸金返還請求)。

 貸金返還請求の請求の原因としては、

(1)返還の約束
(2)金銭の授受
(3)返還時期の合意
(4)返還時期の到来
を訴状において示し、訴訟物を特定する必要があります。
 一般的な貸金返還請求の場合は、借用書などにこれらの記載があります。また、お金を貸した段階で「受領書」などを交付してもらうため、金銭の授受なども記載できることになります。

 これらの書類を「書証」という証拠として添付して訴状をとりまとめます。
 口約束でお金の貸し借りを行っている場合は、これらの証拠がないため、証拠集めからはじめなければなりません。
 また、裁判を通じての立証も大変になってきます。

 通常、訴状を作成する場合は、証拠の有無を確認し、訴訟の見通しを考えたうえで、これまで述べたような訴訟物の特定をどのように行うかなどを検討します。簡単そうに見えて、実は奥が深く、複雑なのがおわかりいただけたと思われます。

 ご相談を拝見していると、ご相談者様自身で訴状を作成されているのではないかと思われます。また、ご相談者様の事例では、想像するに書面などによって契約が取り交わされていないのではないかと思われます。
 口約束の消費貸借契約をいかにして返還を迫るかなど、今後、証拠関係の取りまとめなどで複雑な面があるかと思われます。

 手続の部分については、裁判所も説明してくれますが、主張・立証の仕方の部分はご自身で準備する必要があります。
 費用の面で心配があるのでしたら、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。相談だけであれば、それほど大きな金額にはならないと思われます。

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