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中国楽器・二胡で金賞!酒井和嘉子

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2本の弦を弓で“滑らせて”奏でる中国の民族楽器「二胡」(にこ)。あらゆる楽器の中で人間の女性の声に最も近いという、哀愁を帯びた独特な音色が魅力だ。“ネイティブ”な中国人でなければ、その本物の音を出すことは非常に困難とされているが、二胡奏者の酒井和嘉子さんは、2015年8月にアメリカで開催された「第4回 中国民族楽器国際コンクール」の海外部門で見事に金賞を受賞した。

「中国人または中国の音楽大学に在籍する学生と、それ以外の外国人の部門に分かれているのですが、海外部門の出場者もシンガポールやマレーシアの華僑やチャイニーズアメリカンなど、中国系の人がほとんど。そんな中、本場・中国の血が混じっていない“完全な”外国人が、よくここまで頑張ったという部分も大きく評価していただいたように思います」

酒井さんは父親の仕事の関係で3~6歳、小学5年生~中学2年生までをアメリカ・ロサンゼルスで過ごした。音楽との最初の出会いは、3歳のときに両親の希望で通い始めた近所のバイオリン教室だった。小中学生になるとカリフォルニア州選抜ユースオーケストラの首席を務めるなど、ぐんぐん上達。「将来は何らかの形で音楽に携わりたい」と思うようになったが、高校受験を機にレッスンを中断すると高校・大学も普通科へ進み、東京都内の外資系ホテルに就職した。ところが、しばらくすると「私の戻るべきところはやっぱり音楽だ」という思いが再燃。ホテルに勤務しながら、ちょうどそのころ人気があった「女子十二楽坊」を見て興味を持った二胡を習い始めた。

「子どものころから異文化に囲まれた生活をしてきて、世界の文化にすごく興味があったので、せっかくなら海外の楽器をやってみたいなと。小5で2度目の渡米をしたときは英語をまったく忘れた状態で現地校に通ったのですが、音楽の授業になるとバイオリンが弾ける私の周りに『教えて! 教えて!』と友達が集まってきてくれて、英語が話せないながらもバイオリンを通して仲良くなれたんですね。そうして音楽に助けられた分、今度は自分が海外の文化を日本に広めたいと思ったんです」

ホテルの仕事の傍ら、休憩時間になると倉庫に二胡を持ち込んで猛練習。遅番が終わるとカラオケボックスに泊まり込みで弾きまくり、始発で帰宅して再び出勤。休日はレッスンにあてた。とにかく寝る間を惜しんで特訓を重ねたが、早くうまくなりたい一心だったので、そんな生活も苦に思ったことは一度もなかったという。

「二胡はバイオリンと比べて譜面やリズムなどはシンプルで簡単なんですが、何といっても中国独特のニュアンスを醸し出すのが難しい。たとえ音程が合っていてもリズムが合っていても、中国人が弾くネイティブならではの発音と外国人の発音は全然違う。となったら、本場の発音をひたすら真似するしかないんです。CDを一音一音巻き戻して、その音が出るまで繰り返し弾いてみる。中国人奏者の動画を見て、弓のどの辺りをどのくらいを使って弾いているかといった、細かい動作まで書き出して同じ動きをしてみるなど。それを、どこまで追求できるかです」

そうした日々のたゆまぬ努力が実り、二胡教室を通して演奏の依頼が徐々に入るようになった酒井さんは、4年前にホテルを退職。プロの二胡奏者として、精力的な活動を続けている。1000人超を収容する大ホールでのコンサートなどのほか、レストランでの生演奏といった小さなステージも大事にしている。

「中国料理店のフロアなどで演奏させていただく“BGM”のお仕事は、二胡を知らない方々にも聞いてもらえる最大のチャンスなんです。お客様から、『異国の雰囲気を味わわせていただけて、とても良かった』といったお声を聞くと、自分が目指してきたものが形になっていることが感じられて、とてもうれしくなります。そんな風に、中国の風景が目に浮かぶような演奏をこれからもしていきたいと思っています」

(菅原悦子)

■TOP WOMAN 第7回
(R25編集部)

中国楽器・二胡で金賞!酒井和嘉子はコチラ

※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

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