「自分は怠けすぎ」「恥ずかしくなった」 パーキンソン病と闘うカリスマ社長の姿に若者から反省の声

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「自分は怠けすぎ」「恥ずかしくなった」 パーキンソン病と闘うカリスマ社長の姿に若者から反省の声

「闘っている人」という表現そのままの人――。飲食業界のカリスマ社長・ダイヤモンドダイニングの松村厚久氏のことだ。現在、全国270店舗もの飲食店を展開するスーパー経営者で、昨年7月には東証1部上場も果たしている。

さらに凄いのが、飲食業界初の「100店舗100業態」の達成。これまで手掛けた100店舗は全て異なるテーマの店ということで、従来のフランチャイズのように同じ店を増やしていくというものではない。その彼が難病に苦しみながら闘う様子を、1月10日の「Mr.サンデー」(フジテレビ系)が追っていた。(文:みゆくらけん)
10年前、38歳のときに難病と判明

彼が展開するカフェやレストランは、まさにエンターティメント。「不思議の国のアリス」をコンセプトにした「アリスのファンタジーレストラン」では、物語の中に迷い込んだかのような独特の世界観が家族連れや女性にウケている。

日本のカワイイ文化を丸ごとカタチにしたカフェ「KAWAII MONSTAR CAFE」は、カラフルアートのテーマパークような内装。こうした「客の度肝を抜く」戦略で、日本の飲食業界をリードしている。松村氏は話す。

「外食にライバルはいない。月9ドラマとかとか女子W杯とか、そっちのほうがライバルです。街から人がいなくなりますからね」。

そんな松村氏は、若年性パーキンソン病という重い病を患っている。パーキンソン病とは全身の筋肉が硬直し、自分の思い通りに動かせなくなったり手足が震えたりするなど、運動機能障害を伴う病気だ。

兆候が現れたのは10年前、38歳の時。肩の痛みが治らないと病院に行ったところ、この病気であることが判明した。現在ではバランスを取るための重りを両手に持たなければ歩行もままならないほど進行しており、日常の動作も社員らの介助が必要だ。

ギリギリまで病気を隠していた松村氏だが、ついには誰が見てもごまかしきれぬほどの状態になり、世間に公表せざるを得なくなった。昨年の夏のことだった。
「もっと僕が頑張ればもっと給料も上がるだろうに」

公表後、初の決算説明会直前、松村氏は不安を隠せず、緊張していた。なぜなら自分の体のことを知った投資家らが、「前途がない」と投資を見切るのではないかと考えたからだった。

それでも説明会の開始時間に合わせ、体を柔らかくするストレッチをしたり、声が出やすくなるように大きな声で歌を歌ったり、薬を飲んだり、ベストな体調に整えるために必死で自分を仕上げる姿に胸を打たれた。

正直に言うと同番組の映像を見ている限り、彼の様子は相当辛そうだ。じっと座っていることもできず、立ってはよろめくを繰り返す。見ていると「無理しないで」と胸が痛くなってしまうほどだ。

しかしそこまでして松村氏を駆り立てる「働く意欲」とは、「情熱」とはいったい何なのか。「病気になってつらいことはなんですか?」という番組スタッフの問いに、松村氏はパソコンのタイピングでこう答えた。

「自分の能力はこんなものではない、と歯がゆく思うところです」

また「全てを投げ出したくなることはありますか?」の問いに対し、「はい。毎日、その葛藤と闘っております」。その後、何度も繰り返し「こんなもんじゃないぞ!」とキーボードに打ち込んだ松村氏。最後には「社員とか…もっと僕が頑張ればもっと給料も上がるだろうに。歯がゆさがあるわけですよ。もうひとつの壁が破れない」と涙ながらに伝えた。
視聴者から「根性論、超くせえ」と批判もあったが

番組を見た視聴者からは、ハンデを背負いながらも必死に生きる松村氏の闘志に心を動かされたとする声が多くあがっていた。

「病気になっても会社を成長させようという執念を見て、自分が恥ずかしくなった。もっと俺も頑張らないと」
「Mr.サンデーで見て驚愕した。病気のまま上場企業を引っ張る姿。1番悔しいのは社長だ。五体満足でいる自分は怠けすぎている。このままではいけない」
「松村社長の話。泣いた。俺もやらなきゃいけないと思った。まだまだなにもしてない。やってやる」

番組中、松村氏が社員を叩く場面が映ったため、「このご時世に社員が裏方で少し腰掛けただけで殴るのはちょっと…」「根性論他、超くせえ」と批判する声もあった。しかしこれには、こんな反論もある。

「嫌かどうかを決めるのは社員の方たちで、外野がいくら喚いても松村氏は、そんなもの(への対応)に割く時間はなく、ただ己のやるべきことを社員方とやっていくだけだと思う」

宮根誠司も「松村社長の熱狂というものを、少しでも僕らも貰いたい」とコメントしていた。松村氏は「自分のチカラを出しきれなくて悔しい」と話しているが、「それでも闘う姿」を人々の目に焼き付けることで、多数の人に「働くことの意味や情熱」を再考させてくれているのではないだろうか。

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