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司法権の独立

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 産経新聞ソウル支局長に対して、韓国の裁判所が無罪判決を出したことは喜ばしい限りである。しかし、大々的に報道されているように、韓国外務省が裁判所に対して「日韓関係に配慮して善処されたい」旨を伝えたことは、司法権の独立との関係で大問題である。
 時期的に判決に影響はなかったと言われているが、そういう問題ではない。

 この司法権の独立に関して思い出したことがある。
 児島惟謙大審院長が司法権の独立を守って「護法の神様」と呼称されたことである。と書くと、児島惟謙を持ち上げるかのようなエッセイかというと、そうではない。

 明治24年に大審院長に就任し、津田三蔵巡査がロシア皇太子に斬りつけるという大津事件が発生し、大逆罪で起訴され、事件は大審院に係属することとなった。
 当時の日本政府はロシアとの外交を慮って、天皇等に対する加害である大逆罪の適用、つまり死刑を求めていた。
 これに対して児島惟謙は、大逆罪には該当しないとして抵抗したのである。

 そこで、児島惟謙は、司法権の独立を守ったと称賛されたわけである。しかし、彼は他方で、審理を担当する裁判官に対して、大逆罪ではないと説得して回るという行為にも出ている。

 司法権の独立とは、「府の独立」と「官の独立」を意味している。
 「府の独立」とは、立法府及び行政府から、司法府が独立している、していなければならないという側面である。
 「官の独立」とは、裁判官が他からの干渉を受けずに独立している、していなければならないというものである。ここに「他から」とは、他の裁判官も含む。

 児島惟謙は、「府の独立」は守ったものの、「官の独立」は自ら侵害したのであって、この意味では、「護法の神様」などというものではないのである。
 最近は知らないが、少し前までの小中の教科書には、児島惟謙=司法権の独立を守った人などという記載があったが、そうではないのである。
 児島惟謙は、その後、花札賭博容疑で懲戒裁判にかけられたものの、証拠不十分で免訴となり、さらにその後引責辞任している。

 さて、司法権の独立の前提となる三権分立に関して他の話題を一つ。
 インドの最高裁が、ディーゼルタクシー車について来年3月末日までに天然ガス車に全面的に切り替える命令を出し、環境税の対象範囲及び税額の増額についても命令を出した。

 税金は自分の利害に直結することから、これは自分で決定させてくれと国王に要請した国民が蜂起したことが、三権分立の基礎となっているが(税に関する立法権を国民の手にということ)、その根本的な税を、国民やその信託を受けている議会が決するのではなく、最高裁が決定するということに驚いたし、車両転換についても議会の専権事項であろう。少なくとも、近代及び現代国家では。

 インドの仕組みが理解できていないから軽軽に判断はできないが、お隣韓国、そのお隣の自称大国、インドと、まだまだ近代化できていないのかなと考えてしまう。

元記事

司法権の独立

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