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気温50度を超える過酷な地 − 世界一の塩湖アッサル湖 

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筆者撮影

こんにちは。約4年をかけて世界2周旅を終えたTRiPORTライターのTaniです。
今回は「世界一過酷な地」といっても過言ではないアフリカの小国、ジブチについてのお話。もしかしたら皆さんの中には、はじめて名前を聞いたという人もいるかもしれませんね。

ジブチってどんな国?

アフリカ北東部にあるジブチの人口は約90万人。国土は日本の四国地方の約1.3倍。宗教はイスラム教で1977年にフランスから独立しました。アデン湾の対岸には、ローマ人が「幸福のアラビア」と称したイエメンが位置しています。

日本が2011年からジブチに自衛隊の拠点を設け、ソマリア沖での海賊対処活動にあたっているので、もしかしたら知っている人もいるかもしれませんね。ソマリア沖、イスラム教、海賊対策などという単語を聞いて、「危険だ」とイメージする人も少なくありませんが、一概にそう思わないでください。このジブチは、知る人ぞ知る絶景の宝庫なのです。

群れるジンベイザメ、映画『猿の惑星』のロケ地、世界一の塩湖。ネイチャー系旅人を引きつける要素が数多く存在しています。

今回は、世界一の塩湖「アッサル湖」をご紹介します。アッサル湖までは首都のジブチから4駆車で2時間と比較的近いものの、一般公共交通機関は皆無。そのため行きたい場合はツアー会社で4駆車をチャーターして行くことになります。私が訪問したときは、他の旅行者がいなかったため、車をシェアすることはできず、個人チャーターしました。

アラビア語とフランス語が主流のジブチにおいて英語ガイドは少なく、私のガイドはかろうじて50個ほどの英単語を使える程度。「エアコン付きの快適な4駆車」と聞いていたものの、実際のところまさかの故障…! 日中の気温は軽く45度を超えるジブチの夏。車内は50度を超えていました。ペットボトルの水を頭にかけながら、アッサル湖までの旅が始まります。

道中、赤茶けた大地を駆け抜けるのですが、ところどころで遊牧民の家が見受けられます。これはジブチ・エチオピア北部に住むアファール族の家。家と言っても家具等はほとんどなく、木の枝、ゴザ、赤茶の葉のみで作られ、ラクダやヤギを糧に生活をしています。

日本での生活と比較すると過酷さ極まるジブチの大地に住むアファール族。長旅をしていると、世界の至る所で工夫に工夫を重ね、生活する人たちに出会います。そのたびに自分が抱える悩みがいかに小さいか、感じるのです。

筆者撮影

究極の塩湖が目の前に

ジブチを出発して2時間。ついに前方にスノーホワイトの湖が目に飛び込んできます。海抜マイナス153メートルにあるアッサル湖。一刻も早く湖に近寄りたいとソワソワしている私を傍らで笑って見ているガイド。50度の暑さを忘れている自分がいました。

小学校5年生のときにジブチという国を聞き、世界でも有数な過酷なエリアがあることを知りました。私は自分の体調の弱さ(昔から胃腸が弱く、年間200日以上下痢。さらにアレルギーで果物が食べれないなど…)を言い訳に、絶対訪問できないと決めつけていましたが、そんなヤワな壁を打ち壊し、ついにアッサル湖へたどり着いたのです。

周りには塩を採取する方が数名いるだけ。私の目の前にはスノーホワイトの湖と赤茶の大地が広がっており、今が21世紀・文明の時代であることさえも忘れさせてくれました。時折吹く50度の熱風にも、なぜか気付かないほど夢中になる私…。

死海の塩濃度が約30%。アッサル湖は約35%という。そんな恐ろしい環境にいることを忘れるほど、アッサル湖の透き通った景観は私の心に響きました。

筆者撮影

ジブチの年間旅行客数は世界191位(※)。しかし旅行者の数など私には関係ありません。自分が訪問したい地を選び、挑戦したい場所を目的に旅をしています。そのエリアが最低限旅ができる状態(戦争をしていない、非常事態宣言が出ていないなど)であれば、私はそこを選びます。

ジブチはそんな私の好奇心を十二分に満たしてくれる場所でした。

(※)参照:Global Note

ガイド撮影

イスラム教国である首都ジブチ

最後に首都ジブチの紹介を少しだけ。イスラム教国であるジブチでは他のムスリム国家同様、アザーン(礼拝への呼び掛け)が鳴り響きます。夕暮れ時、喧噪に包まれていたマルシェ(マーケット)がお祈りの時間になると静寂に包まれます。その瞬間、改めて異国に来ていることを実感できます。

バスターミナル付近の中央マルシェ裏側には地元の人御用達の露天がずらり。私も好奇心に任せて歩いてみると、そこでが強烈な体験が待っていました。

筆者撮影

小石やジャガイモが飛んでくる

露天に踏み込んだ瞬間、私に刺さる視線の異様な冷たさ。「私達の生活空間に入ってこないで」という無言のメッセージ。露天で軽食を取り、日用品等を買い、店主と交流しようとするも、周りの人たちがそれを拒絶している感じがするのです。この状況でカメラは向けられないと察した私は撮影を諦め、マルシェを歩くことに集中しました。

私がそのとき立っていた場所はジブチの人たちの日常。少しでも彼らの「日常」に触れたいと思い散策しているだけでも、不意に小石やジャガイモが飛んでくることもありました。

「マネー。マネー」と近寄ってくる幼い子供すらいなかったジブチの裏路地はある意味で聖域のよう。ジブチの人たちが、自分たちの生活空間を大切にしていることを感じました。私にとってジブチがアフリカのハイライトの一つになっているのは、こうした「素朴な一面」を体験できたからなのかもしれません。

心を震わせる絶景と、素朴さを併せ持つジブチ。再訪するチャンスを今でも伺っています。

参考:外務省・ジブチのページ、アフリカビジネス振興サポートネットワーク

文・写真:大谷浩則

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