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【対談】イチロー×豊田章男 「言葉へのこだわり」

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マイアミ・マーリンズに所属するイチローとトヨタ自動車の豊田章男社長の“対談シリーズ”。最終回は「言葉へのこだわり」について。

「イチローさんと話をしていると、自分が漠然と考えていることを解説してもらっている気がする」とは豊田社長の弁。その“言葉力”はなぜ生まれるのか?イチローの発言が私たちの胸に響く理由が、いま明らかにーー。

「嫌いと言われることは好き。辛いのは“無関心”」

豊田 イチローさんは言葉へのこだわりが強いですよね。

イチロー 言葉というのは人に何かを伝える手段ですから、“的確な表現”が欲しい。そして、僕はいつもそれを探しています。

豊田 伝える相手は誰を想定しているのでしょうか?

イチロー 近くにいる人もそうですが、主にまったく面識のない遠くの人たちです。僕のことを好きでも嫌いでもどちらでもいい。だけど、「あいつ何か面白いよな」と思っているような。もし嫌われていたとしても、それは興味を引いている証なので。むしろ、嫌いって言われることが結構好きなんです。

豊田 はい(笑)。

イチロー でも、一番辛いのは無関心。

豊田 そうなんですよね。

イチロー 「大嫌い」は、やがて「大好き」に変わるかもしれない。そのためには、“自分の言葉”を持っている必要があると思っています。というのは、僕のことを嫌いという人たちも自分の言葉を持っているはずだから。彼らに対して「応援してください」と言ったところで興味を示してはくれないと思うんです。だから、「応援してくださいとは絶対に言いません。応援してもらえるように頑張ります」と言ったほうが、「おっ?」ってなるんじゃないかと。

豊田 なるほど。

イチロー そうやって人の心理を突くようなものを常に探しています。でも、それは決して“嘘の自分”ではありません。

豊田 はい。

「僕の内から出ているものだからこそ、相手に伝わる」

イチロー たとえば、他の人のインタビューを聞くのも好きです。「こういう表現をするんだ」とか「こう言うと人はこう感じるんだろうな」ということを意識して聞いていますね。ただ、良いことを言っているのに、あまり伝わらないなと思う人もいる。そういう人って“頭”で理解しているだけで、自分の内側から生まれているわけではない。その薄っぺらさがテレビ画面から伝わるんです。

豊田 なるほど。

イチロー だから、僕が言っていることが、もし誰かの心に沁み入ることがあるとすれば、それは僕の内から出ているものだからだと思います。なにも難しい言葉を使う必要はまったくない。誰もが理解できる分かりやすい言葉でも、思いを伝えることはできると信じているので。言葉を生業にしている人というのは、難しい言葉で表現しがち。だから、分からない言葉が出てくるたびに調べなければいけません。あれは書き手の“エゴ”。もっと分かりやすく書いてほしいです。

豊田 本当におっしゃる通りで、すごく分かりやすいです。確かに「好き」の反対は「嫌い」じゃない。正確には「好き」と「無関心」なんですよね。

Licensed material used with permission by トヨタ自動車株式会社

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