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Album Review:福原美穂『Something New』優しさと心強さを声に乗せて新たな一歩を踏み出した歌姫の、表現豊かでカラフルな一枚

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 2014年2月から「充電期間」を設けた福原美穂。2015年10月に結婚と妊娠を発表し、11月には自主レーベル「Happy Field Records」を設立、音楽活動を再スタートした。公私ともにかなりの変化が訪れたであろうこの1年で彼女が感じた想いは、本作『Something New』に詰め込まれている。

 タイトル曲の「Something New」は、福原を音楽の世界に引き込んだプロデューサーが10年間温めていた作品で、8年ぶりのタッグによりこの度やっと世に出ることとなった。充電期間中にアメリカ南部に渡りディキシーランドジャズなどの音楽からインスピレーションを受けた福原。彼女が新しい命を宿したことをイメージして書かれた歌詞にも<Something New>という言葉がぴったりと当てはまる。安心できる制作陣との「原点回帰」、そして一度立ち止まり「自己の追及」をしたことで洗練された歌声が引き立っており、「これからの代表曲になるんじゃないか」と自負できる本作と、彼女が出逢ったのは必然だと思わざるを得なかった。

 また、mabanuaがプロデュースを務めEMI MARIAが歌詞提供を行った「Wasabi Green」やShingo Suzukiがプロデュースを担当した「No Way」のように、自身が信頼を置くミュージシャンやプロデューサーたちとの共演によって、それぞれの曲に対する歌い方のアプローチが非常に豊かな表現で彩られているのも本アルバムの特徴だ。確かに今まで同様の力強さはあるのだが、それだけで圧倒するのではなくアッパーテンポの曲にさえ心地よさを添えている。

 今までの福原には、アレサ・フランクリンやクリスティーナ・アギレラのようなパワーシンガーのイメージを持っていたが、本作では優しい声でゆるやかに歌う印象の方が強く、それは高音を伸ばす部分で特に色濃く表れている。前作がベストアルバムだったこともあるが、大きな変化を経て作られた本作は新たな一歩であり、福原美穂というアーティストを知る上で必聴作品になることは間違いないだろう。

 現在は同アルバムを携えたツアーを終え産休中の福原だが、2016年4月29日には東京・Bunkamuraオーチャードホールで行われるビルボードクラシックス公演で復活を果たす。大友直人指揮による東京フィルハーモニー交響楽団によるオーケストラと、ゴスペル・クワイアとの競演が再び実現する公演ともあって、また次のステージへと歩き始める姿もしっかり見届けたい。

text:神人 未稀

◎リリース情報
『Something New』
NOW ON SALE
完全生産限定盤:HPFR-0001 6,000円(tax out)
※B5版/72P 自身初・撮下ろしフォトブック付き
※スペシャル対談『Something Newができるまで』掲載
通常盤:HPFR-0002 1,852円(tax out)

◎公演情報
【billboard classics「MIHO FUKUHARA PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2016」】
2016年4月29日(祝・金) 開場16:00 開演17:00
チケット価格:S席8,300円(税込・全席指定)
会場:Bunkamuraオーチャードホール(東京)
出演:福原美穂
指揮:大友直人
合唱:ソウルバード・クワイア
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

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