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”劇的リフォーム”は厳禁! 認知症になる前に知っておきたいこと

”劇的リフォーム”は厳禁! 認知症になる前に知っておきたいこと

40代の若年性認知症の実態も注目されるようになったが、65歳以上の高齢者では既に500万人近くが発症。今後もますます増え、4人に1人が認知症とその予備軍という事実。がんなど死亡率が高い病気と違って、認知症は長く患うことになる点が家族や社会にとっても不安な病気。住まいにおいても、判断力や体力が十分なうちに認知症対策も含めたリフォームなど考える必要がありそうだ。
今回は、介護現場に詳しいケアマネジャーに認知症と住まいの在り方を伺ってみた。
認知症もさまざま、症状や進行の違いに対応も注意

日本介護支援専門員協会の常任理事であるケアマネジャー(介護支援専門員)笠松氏が、まず教えてくれたのは、認知症の種類。

【画像1】笠松信幸氏(社会福祉士・主任介護支援専門員)、一般社団法人日本介護支援専門員協会の常任理事・北海道支部副会長(写真撮影:藤井繁子)

【画像1】笠松信幸氏(社会福祉士・主任介護支援専門員)、一般社団法人日本介護支援専門員協会の常任理事・北海道支部副会長(写真撮影:藤井繁子)

笠松氏:認知症は、代表的なものが3つあります。まず、皆さんご存じのアルツハイマー型。記憶障害が起こり、徐々に判断能⼒が低下してゆき失禁や徘徊などの症状が現れます。
次に、脳梗塞などにより起こる脳⾎管性の認知症。脳のどの部分が障害されたかによって症状が変わります。発症後、早いうちのリハビリが効果的です。
最近注目されているのが、レビー⼩体型認知症。脳にレビー⼩体という特殊なタンパク質がたまって神経障害を引き起こすもので、幻視や幻聴があらわれ、進行するとパーキンソン病のように筋⾁がこわばってきます。歩⾏障害が起きるので転倒しやすくなり、注意が必要です。

なるほど、認知症の種類によって症状が違うのだ。
では、認知症を発症しても自宅で暮らしていくための注意点は?

笠松氏:まず、“劇的“なリフォームは認知症患者にとっては厳禁。
いくら住みやすくなっても、以前の住まいと変わってしまうと自分の家であることを認識できず、「家に帰る!」と騒いだり、徘徊することにもなります。『リロケーションダメージ』という言葉があるのですが、高齢者は馴染みのない所に移り住むことで心理的な不安が高まって、鬱症状などさまざまな障害が起きます。同じように、自宅をリフォームすることで環境の変化が起きると、混乱し認知症が進んだりパニックを起こしたりするのです。

筆者の80歳の叔母が、コレ……リロケーションダメージかも!?
息子家族と同じ敷地内に平屋を新築し転居。幸せにやっていると思いきや、快活で聡明な叔母が、やや引きこもり状態になっていて心配。

笠松氏:高齢者施設に⼊られると多くの方が「家に帰りたい」と懇願されます。
やはり、自宅ほど安心できる場所はないのです。その方の環境が許す限り、自宅で介護できるよう我々も努めたいと思います。認知症になってしまうと新たな環境への適応は困難になるので、できれば健常なうちにバリアフリーなど基本的な住宅改修をしておくのが良いでしょう。

認知症に限らず、高齢でも自立した生活を続けられるような住まいにリフォームするなら早いほうが良さそうだ。

笠松氏:段差を解消したり、ドアを引戸に換えたりといった、バリアフリー化する住宅改修には補助金などが活用できる自治体や介護保険もあります。ただ注意が必要なのは、症状によって手すりの設置すべき場所が変わってしまうこと。脳血管性認知症では麻痺が左右どちらに出るかで手すりの必要箇所も違うなど、付け足しだらけの“手すり屋敷”になってしまったケースも少なくなりません。
認知症の種類によって、今後の症状の変化予測を踏まえたリフォームをする必要があり、市の福祉窓口やケアマネジャーに相談していただければと思います。

【画像2】高齢者が自立生活するために必需の手すり。日本の住宅は玄関まわりに、階段などバリア多し!(写真提供:TOTO)
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