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モノを分析環境に常時コネクトする「IoT」

IoTの本場と言えるのはシリコンバレーを筆頭とする先端技術産業の集積地域ですが、当然日本企業も世界中から期待を受けています。

とはいえ、一人のエンジニアが、「IoTを使ったプロダクトにどんなモノがありうるか?」を想像し、趣味で開発してみる程には、そのアイデアが浸透していないのも事実。

ここでは、IoTの基本的な枠組みとデバイスについて紹介していきます。エンジニアの皆さんにとって、少しは食指が動く分野であることが伝われば幸いです。

IoTの特長は「モノを分析環境に常時コネクトできる」という点です。これだけでは何のことやらですから、ふたつの視点から考えを進めていきましょう。

モノからの視点…「自動ドア」から考え始めてみる

IoTの本質を掴むには、まず「自動ドア」を想像していただくと分かりやすいかもしれません。自動ドアは人感センサーによって人の存在を感知し、「ドアを開けろ」という指示を出します。そして、物理的にドアを制御する機構が働きます。

ここでは人感センサーを含む「入力デバイス」と、ドアの開閉制御機構という「出力デバイス」が包含されていることに気を付けてください。

プロダクトによっては、その間に「アナリティクス」、つまりセンサーが収集したデータの分析が必要になります。
エアコンの自動運転等がその例にあたります。これが従来の自動制御機構の典型と言えましょう。

では、次世代を担うIoTとは何なのか?それは「入力デバイス」と「出力デバイス」間に、「ネットワーク」が介在するということが本質なのです。

ネットワークを介在させることで、「入力デバイス」と「出力デバイス」の距離を限りなく遠ざけることが可能になり、
サービスの可能性が広がります。

このフロンティアこそが、IoT市場の実像だと言えます。貴方は、そこで何を創り出しますか?

ヒトからの視点…IoPからIoTへ

IoTに接続される「モノ」は、PCや携帯電話、タブレット等は当然として、自動車、家電、医療機器などの「もともとITに近いもの」から、書籍、メガネ、ベッドまで、「ITの登場以前のモノ」まで含まれます。さらには、建物そのものや、農業施設といった、
スケールの大きいIoTも続々と生まれつつあります。

先ほどは「ネットワーク」がIoTを位置づけるということをご紹介しました。もう少し具体的に言えば、「M2M(Machine to Machine)のネットワーク」が重要になります。

例えば「リストバンドとエアコン」「赤ちゃんの寝ているベッドと、親御さんの携帯電話」など。こうして並べて書けば、用途も自然と思い浮かぶのではないでしょうか?

そこで実現するのは「人を介在しない制御機構」、つまりIoP(Internet of People)からIoT(Internet of Things)への転換です。

従来の「ヒトからの入力」が「出力デバイス」を動かしていたかたちから、「センサーが受け取った入力」が「出力デバイス」を動かすという、さらに高度な制御機構へと進化します。

もはやヒトの意思を離れた所でモノが自律的に動いていくという、少々恐ろしくもある世界が到来しつつあるのです。

では、そのイノベーションを担うのは誰なのでしょう?「センサーデバイス」「データ送受信」「データ管理」の3つの視点から、活躍できる人材像が浮かんできます。

電子工作界にスポットが当たる?

「Raspberry Pi」や「Arduino」などのマイコンボードを使った電子工作は、ガジェットの製作などにおいて愛好家の間で楽しまれてきました。いま、IoTの試作環境として、これらのマイコンにスポットが当たっています。

IoTの世界ではモノにセンサーデバイスを付与することで「入力デバイス」化し、それをネットワークに接続します。

センサーは単体では機能せず、信号処理やネットワークへの接続を担うマイコンがあって初めて仕事をします。

作りたいものによって選択すべきマイコンや実装が異なってきますから、電子工作に親しんだことのある人材は、IoT市場において価値が高いのです。

また、さらに高度なセンシング技術として、RGB-Dセンサや、Kinect、Leap MotionといったNUIが注目されています。
KinectとMicrosoft Azureの連携がニュースになりましたが、こちらも入手性を高める努力がなされているようです。

HTTPに代わり、MQTTという通信プロトコルが台頭

ネットワークを介したデータの送受信では、プロトコルの性質が問題になります。一般的なWebのフレームワークであるHTTPを使ったIoTもありますが、IBMが提唱したMQTTなどの特化型プロトコルをIoTの主流にしていこうという流れがあります。

パブリッシュ/サブスクライブ型と呼ばれる通信方式は、m人のクライアント(パブリッシャー)にn機のデバイス(サブスクライバー)がコネクトできるよう設計されており、複数デバイスを巻き込んだIoTサービスの実装に向いています。

ただ、プロトコルが代わっても送信されるデータの形式はJSON、XMLといったおなじみのものですから、これらの扱いに慣れていればアドバンテージであると言えます。

アナリティクスの環境を作る際、RDBやSQLの知識が役立つ

データの収集管理にはRDB、SQLといった既存の知識が役に立ちます。IoTサービスにおいてはリアルタイム性が問われることが多いですから、データの管理方式の選択は重要であるからです。クラウドの開発サイドがデータの保管方法について公開していますから、チェックしておくと良いでしょう。

集めたセンシングデータの分析においては、統計解析や機械学習といった解析手法が使われます。こちらはPythonやRと相性の良い、エンジニアの間でもHOTなトピックですね。

簡単なIoTサービスを作ってみよう

IoTというと有名企業によるウェアラブルデバイスの開発など、敷居の高いものに感じがちですが、骨子はここまでに説明した内容に過ぎません。

漫画「ハルロック」に登場した猫ツイッターなどもIoTの一種ですし、個人発の新しい試みは続々生まれています。

足りない部分はエンジニア仲間で補いあい、気軽にIoTサービスの製作を始めてみてはいかがでしょうか。

カテゴリー : デジタル・IT タグ :
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