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【インタビュー】ジョン・ボイエガ、映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のフィン役を語る

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ジョン・ボイエガは、デビュー作となる2011年の破壊的なSFコメディ映画『アタック・ザ・ブロック』で、見識ある観客に最初の感銘を与えた。しかし、映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で裏切り者のストームトルーパーを演じた彼は、スターの座を駆け上がるに違いない。

観客たちがルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)、レイア姫(キャリー・フィッシャー)、ハン・ソロ(ハリソン・フォード)の冒険と共に大人になっていく一方で、壊滅した銀河帝国軍から立ち上がった悪の体制ファースト・オーダーのストームトルーパーたちは、反乱同盟軍(現在はレジスタンスとして知られる)の残存者たちが銀河の脅威であり、我々が知り、愛するヒーローとは違うと信じるよう、洗脳されている。

本誌ヴァラエティは、ファースト・オーダーの手先からレジスタンス側へと移るフィンの旅、デイジー・リドリーが演じるレイとの友人関係、なぜ『スター・ウォーズ』は30年経ってもいまだに第一線の作品とみなされるのか、などについてボイエガに話を聞いた。

フィンのキャラクターの特性の中で、あなたと最も深い関係にあるのはどこですか?

自身の環境に使命を感じない場合、より大きな使命に向けて立ち上がらなければならないという部分だと思います。私はまだ若く、人生は始まったばかりです。まだそれほど多くのことを達成していません。成人としての務めや責任、仕事やその他全ての物事を自分で管理しなくてはならず、もはや両親も面倒を見てくれません。私は、それこそフィンがファースト・オーダーを去る時の旅と同じ類のものだと感じています。彼は訓練カリキュラムから逃れ、支配体制を去り、彼自身の旅に乗り出します。

フィンはファースト・オーダーで育てられ、反乱軍とジェダイに反抗するように洗脳されたと思いますが、彼がずっと教えられていたことの全てを打ち破るのは、どれほど難しいことなのでしょうか?

それは現在も進行中の苦闘です。そこが私の好きなポイントです。ある特定の洗脳を受け、そこから本来の人間の心を取り戻すためには苦闘が必要です。古いメンタリティから逃れるのは至難の業です。「もうそのようには考えられない」という具合に、自分自身を心から納得させされるレベルまで完全に抜け出すのは難しいのです。それこそ、私がフィンの中に見出す素晴らしい部分です。

自分が、正気とは思えない状況にいると気付いたとき、彼はどう行動しますか? 彼は訓練の影響によって、すぐに暴力を振るうのでしょうか、または命令に従う方が楽だと感じるのでしょうか?

私たちは1人ひとり、みな違います。それは即興演奏のようなものです。彼は逃亡中のストームトルーパーですから、彼の決断のほとんどはアドレナリンによるものでしょう。「いいか、ただこのブラスターを持って逃げるんだ」と。最初は良いですが、徐々に変化します。その変化を発見することが、観客の喜びにつながるのです。

あなたは本作の続編に対して大きな役割りを担っています。J・J・エイブラムス監督と(脚本を担当した)ローレンス・カスダンは、あなたがキャスティングされる前から綿密な計画を持っていたに違いありませんが、あなたが入ってからは、どのようなコラボレーションがありましたか? あなたが演じることによって、フィンのキャラクターにどのような変化があったと思いますか?

彼らはたくさんの綿密な計画を練っていました。しかし、ポイントは、即興で演じても、独自の役作りをしても良いという、広い選択肢を残していたことです。フィンのオーディションには、私以外にも様々な人が参加していました。そこには同じキャラクターなのに役者によって違うバージョンがあり、彼らはそうしたオーガニックな部分を許していたのです。したがって、とても協力的でした。J・Jは役を開発する主導権を私に与えてくれました。それは、私にとってとても重要なことです。

役柄としてフィンのキャラクターに取り組むとき、あなたを突き動かしたものは何ですか?

私は、映画『ウォリアーズ』や映画『ジョン・カーペンターの要塞警察』のような愛しい作品たちの、思いもよらないヒーロー物語に戻りたいと思いました。現実ならあり得ないような凄い男たちが、映画が始まると「これしかない」という印象になります。そして、作品の中で彼らはより大きな何かに成長し、現実味を帯びていきます。その過程が私は好きなのです。そうした要素が、私をこの役に引き込んでいきました。

フィンがレイと初めて出会ったとき、彼が最も感じたものは何ですか?

ネタバレしないように言うと、彼は自分の生きざまを見つけようとして生きてきた自分と、彼女の姿とを重ね合わせて見ます。レイはゴミ漁りを生業にし、その人生は全くの一本道、つまり毎日同じことの繰り返しです。その生き方はまさに、同じ毎日を繰り返すフィンと同じでした。彼は外に出て村を奇襲するかもしれませんが、それは彼にとって特別なことではなく、ただ外に出て新鮮な空気を吸うのと同じ程度の意味しかありません。彼らは自分の生き方と人生の目的を見つけようとすることにおいて、共通の関心を持っていると感じています。だからフィンは彼女にこだわるのです。

彼はジェダイに関してファースト・オーダーのプロパガンダを受けて育ちますが、そのことは彼の世界観にどのように影響していますか?

(予告編の中で)ハンの台詞の中に「これは真実、これは全て真実だ……」という言葉があります。それは明らかに、そこで起きたことに対する何らかの疑いがあることを反映しているのです。しかし、それはジェダイだけでなく、反乱軍、ハンやチューバッカ、すべての仲間たちもそうです。それは聖書の登場人物に言及しているようなものであり、遠い昔の記憶です。

ファースト・オーダーで過ごした時間はダークサイドの影響をより受けやすくさせているのでしょうか? または、少なくともダークサイドの衝動を持たせている?

とにかく彼は懸命にそこを立ち去り、先に進もうと試みている時に、私たちは彼と出会ったと思います。しかし、ダークサイドの影響は確実にあります。そして観客は、フィンという登場人物が、いま具体的にどのような立ち位置にあるのか、よく分かりません。それがこの物語の現実です。

撮影初日について、何か覚えていますか?

サーモンをはさんだ美味しいベーグルのサンドイッチを食べたのを覚えています……素晴らしいベーグルでした(笑)。アブダビの人たちは美味しいベーグルを作るのです。で、私は車に乗ってそこを離れ、撮影所へ行って革ジャケットの衣装に着替えました。撮影所に行くと、もうすべてが揃っていました。ジャクーはそこに実在していて、特撮のセット、人造人間、動物、マペットなどがありました。私は「すごい。自分はいま『スター・ウォーズ』の“舞台”にいるんだ」という気持ちでした。それから私は一日中歩いて、仕事は早めに終わりました。その一方で、私はデイジー(・リドリー)の初日を見ていました。彼女は、セリフと共に本当によく動いていました。私はというと、「大丈夫かい? 良い仕事してるよ、デイジー。満点だよ」などと言ってくつろいでいました。初日の私の仕事は台詞なしに歩くことだけ。だから、私には物事を受け入れる時間があり、最高の初日となりました。スタッフは私をリラックスさせてくれ、そっと仲間に入れてくれました。それからの撮影は急ピッチで進みました。

撮影最終日はいかがでしたか?

最終日は情緒的でした。私たちは花火を打ち上げ、そこに『スター・ウォーズ』の音楽が流れ……場所はロンドンでした。全ての撮影が終わることは、ただ心地良かったです。とても前向きな気持ちで、良い最終日でした。

フィンが警告されていた伝説的人物がハンであることをふまえると、ハンとフィンのやりとりをどのように総括できますか?

ハンが自分の若かりし頃をフィンの中に見ていたということを、各シーンで常に私は意識していました。王族からレイア姫を助け、報酬をもらうという動機でハンは本格的にこの旅に参加します。それは、不誠実なエレメントに影響を与えるフィンの状況と同じであり、ハンはそれを見ると同時に、フィンの状況をよく理解しています。彼は「君がしていることは分かってるぜ」という気持ちで理解しています。
それは魅惑的な関係でもあります。なぜなら、フィンは彼を尊敬していません。フィンは「おお……あなたは素晴らしい」という感じではぜんぜんなく、「で、どうやって助けてくれるんだ?」というような感じです。とても愉快な関係ですよね。そして、ハンは悟ります。「コイツ、昔の俺みたいだ。俺はコイツを助けることになるだろう」と。私はこの2人の関係が大好きです。

長い歳月を重ねても、『スター・ウォーズ』が観客としての私たちにこれだけの感動を与えることについて、どう思いますか?

映画の中で地球を去ることを、私たちはみな寂しく感じると思います。この惑星を去り、どこか全く別の場所で、私たちが今抱えているのと同じ問題に対処するということは、驚くべきことです。それは私たちに、物事に対する新しい見方を与えます。多くの人々はただ彼らの想像力と共に飛翔して、映画『グーニーズ』や映画『JAWS/ジョーズ』の時代に戻れる準備ができていると、私は思います。この物語は現実ではありません。ノーラン監督の『バットマン』のように超現実的でもありません。おそらく、そのような重力のようなものではなく、雲のようなエレメントに手を伸ばすような行為だと思います。だからこそ、重要なのでしょう。

映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は12月18日より公開中。

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