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【ライヴ・レポート】タグチハナ、貴重な限定アコースティック・ワンマンは自身最長21曲2時間超え

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19歳のシンガー・ソングライター、タグチハナが12月9日に初のシングル『The sound of swells』を発売。それを記念して、50席限定、アコースティック編成での特別なワンマン・ライヴを12月11日に東京・渋谷のSARAVA東京で開催した。

休憩を挟む2部制で、合計21曲の2時間を超える大ボリューム。ゆったりとした空間のなかで、タグチの深い表現力を存分に堪能できる贅沢なライヴとなった。

SARAVA東京は客席にテーブルが並べられ、ライヴハウスというよりはバーといった様相の会場。過去に1度タグチが出演したさいにとても気に入ったそうで、「ここで絶対なにかをするって決めていたくらい好きな場所」とのこと。この日は、その念願叶っての公演となった。

抑えられた照明とテーブルに置かれたロウソクだけが光る暖かい雰囲気のなかで、タグチ、そしてシングルのレコーディングにも参加している君島大空(Gt)、小林侑矢(Ba)がステージに登場。優しくアコースティック・ギターの音が鳴りタグチが歌を乗せると、「ビア」からゆったりとライヴはスタートした。

髪を巻いて少し大人びた雰囲気のタグチは、普段のライヴとは違う距離感の客席を眺めながら微笑むと、「レコ発のアコースティック・ライヴをはじめたいと思います。よろしくお願いします」とあいさつ。リズミカルなアコギの音が響くと、シングルではロック・アレンジの「気流2013」を伸びやかに歌った。タグチは50席すべてが完売したことを報告しつつ、「(ライヴは)大変長いことが予想されます(笑)。自身最長だと思っております。こんなに曲数をやることはなかなかないし、これからもあるかわからないですけど、どっぷりと楽しんでもらえたらと思います」と、この日はかなりのロング・セットであることを予告した。

「Sweet Pills」で幻想的な雰囲気を作りだすと、「花のワルツ」では穏やかな空気へと変化させる。シングル収録曲「On the hill」を挟み、「ヘヴンリー・トリップ」では君島と小林のコーラスが楽曲を彩った。しばらく軽快な曲が続いていたが、「そのとき」では一転してディープな空気に。君島がギターをこするようにして音を鳴らすと、静かなノイズが場内に響いた。第1部の終盤には、カヴァーを2曲披露。タグチの母親が所属していたバンド、GALAPAGOSの「月の流す涙」を凛とした表情で力強く歌うと、君島セレクトというCarole King「So Far Away」をミラー・ボールのなかでていねいに歌い、3人は一旦ステージから去った。

10分ほど休憩を挟み、「指先」から第2部へ。「本当は戦いたくなんてなかったの」という印象的なフレーズからはじまった未発売曲「takanari」では、1コーラス目は目を瞑りながら心を込めるように、曲の後半では客席を見ながら語りかけるように歌詞を紡いでいった。

「平和がきこえる」をしっかりと歌いきると、シングルのラストを飾る8分超えの大作「カムパネルラの星」へ。まるでなにかに取り憑かれたように、憂いを帯びた表情で歌っていくタグチ。そんな彼女の感情を音に乗せて、ときに空間を切り裂くように激しく、ときにうめき声をあげるかのように苦しげに君島のギターもさまざまな表情をみせる。その音をしっかりと支える小林のベース。そしてクライマックスに向けて力強さを増していくタグチの歌声。このドープで壮大な世界観は、まさにタグチにしか表現しえないものだろう。シングル、そしてこのライヴのハイライトとも言うべき、圧巻なパートだった。

演奏時とは打って変わって、肩の力を抜いた穏やかな表情でMC。「このレコ発を出発点としまして、ツアーにまわります」と話すと、君島とまわる東名阪インストア・ライヴ、そしてファイナルとなる渋谷クラブクアトロでのワンマン・ライヴの告知をして、「今日来てくれている方は、はじまりと終わりを見届けていただけたらと思います」と呼びかけた。そして「やさしいままがいい」を伸びやかに歌い、新曲「Feeling」では少し早口にリズミカルに言葉を紡いだ。

「みなさん、大丈夫ですか? 長い時間お付き合いいただき、本当にありがとうございます」と客席を気遣いつつ、シングルのレコーディングやMV撮影を振り返る。「私はすごくわがままなので、まわりにいる方は本当に心が大きいと思います。聴いてくださる方々も、もちろんそうなんですけど。生きててよかったなって思うことが最近よくあります。これから変わらずというか、もっともっとという気持ちでやっていきたいと思いますので、みなさんも、もっともっとと思っていて欲しいなと思います」と語ると、そんな気持ちを込めたという「今年もおわるね」を披露した。

長かったライヴも、もう終盤。客席に繰り返し感謝の言葉を述べると、噛みしめるように何度も「幸せです」と笑顔をみせる。そして「あのね… ずっとずっと一緒にいたいと思える人たちが見つかりました。大きな拍手をお願いします」と改めて君島と小林を紹介し、「これからも、どうぞ見守ってやってほしいと思います。来年も再来年も、私もあなたもまばゆい日々が続きますように。ありがとうございます。タグチハナでした」と話した。

初期から歌われている「ロング・グッドバイ」を挟み、いよいよラストの曲へ。ここで「スペシャル・ゲストをお迎えしたいと思います」と紹介すると、先ほどまで客席で観覧していたドラマー、よっちがサプライズでステージに招かれる。彼もシングルのレコーディングに参加しており、タグチは「まだ会って4回目とかですよね。今年新たに出会った素晴らしい方です! CD聴いたでしょ? わかるっしょ?」と休憩中に急遽決まったというコラボに喜びを隠しきれない様子だった。

よっちはカホンを担当し、シングルと同じメンバーで最後に披露されたのは表題曲「The sound of swells」。アコギを置いてマイクを手にしたタグチは、時折笑顔を交えてまっすぐに前を見つめながら歌った。ドラマチックな楽曲を歌い終えると、タグチは立ち上がり、うれしそうに小さく跳ねる。「あれやりたい!」と3人の演奏陣をスタージ中央に集め、手をつないで高く掲げた。大きな拍手のなかで、2時間を超えるライヴは終幕。ステージを去るタグチの満足そうな笑顔が印象的だった。

「ずっとずっと一緒にいたいと思える人たち」と紹介していたとおり、タグチが楽器陣を信頼して終始のびのびと歌っている様子が見てとれた。それは、よっちがくわわったラストの「The sound of swells」も同様で、シングル制作の充実ぶりがうかがえた。もっとも、彼女が新境地をまじまじと見せつけた同作収録の4曲を聴いた方には、そんなことは言うまでもないだろう。

この公演からスタートしたツアーは、3月のクアトロ単独公演でファイナルを迎える。いまの彼女の知名度や活動規模を考えれば、大きな挑戦であることは間違いない。クアトロ公演はこの日出演した3人にくわえ、ギターで高野京介(うみのて、ゲスバンド、SuiseiNoboAz)の参加が発表された。信頼できる仲間たちとともに、タグチがいかにして自身最大規模のワンマンを成功に導くのか、注目したい。(前田将博)

タグチハナ〈「The sound of swells」レコ発アコースティックワンマン〉
2015年12月11日(金)SARAVA東京

第1部
1. ビア
2. 気流2013
3. Sweet Pills
4. 花のワルツ
5. BLUE LIGHT
6. On the hill
7. ヘヴンリー・トリップ
8. そのとき
9. 月の流す涙
10. So Far Away

第2部
11. 指先
12. takanari
13. 平和がきこえる
14. カムパネルラの星
15. 魚に成る前に
16. やさしいままがいい
17. Feeling
18. asleep
19. 今年もおわるね
20. ロング・グッドバイ
21. The sound of swells

・タグチハナ『The sound of swells』
定価 : ¥1,111- +税
品番 : NYTR-012
1. The sound of swells
2. 気流2013
3. on the hill
4. カムパネルラの星

〈TOUR2016 タグチハナ ワンマンライブ-The sound of swells-〉
2016年3月29日(火)SHIBUYA CLUB QUATTRO
時間:OPEN 18:30 / START19:30
金額:前売り¥3,000- / 当日¥3,500- (共に1D別途)
※学割チケッ ト:前売り¥2,000-(1D別途)
チケット:ライヴ会場、プレイガイド、メール予約(taguchihana.ticket@gmail.com)で発売中
※整理番号順入場/オールスタンディング
出演メンバー : Gt.君島大空、Gt.高野京介、Ba.小林侑矢、Dr.よっち、Gt.Vo タグチハナ

〈タグチハナ「The sound of swells」発売記念インストアイベント〉
2016年1月8日(金)タワーレコード梅田NU茶屋町店
時間 : 19:00START
2016年1月9日(土)タワーレコード名古屋パルコ店
時間 : 16:00START
2016年1月12日(火)タワーレコード渋谷店
時間 : 19:00START

・タグチハナ オフィシャルサイト
http://taguchihana.strikingly.com
・タグチハナ、2ndミニ・アルバム『Orb』配信&インタヴュー
http://ototoy.jp/feature/20150315
・2015年注目の女性シンガー・ソングライター2人が語る「女の子が歌う理由」――しずくだうみ×タグチハナ対談&ハイレゾ配信!!
http://ototoy.jp/feature/2014121501/

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