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通塾者の責任を負う必要があるでしょうか?

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Q.

 小さな学習塾を開催しております。通塾している子供が、通塾途中に隣の家のライトのガラスを割ってしまいました。
 隣の家からの請求がライト本体の取り替え、さらには対になる全く関係のないライトの分18万円でした。実際に破損したのはライトのガラスのみなのですが、総額を支払う必要があるのでしょうか?

(40代:女性)

A.

 結論としては、直接的にはガラスを割った子供がライトの請求に応じなければなりませんが、場合によってはご相談者様も賠償の責任を負う可能性があります。

 まず、他人の家のライトなどを壊した場合、ライトを壊した本人は民法上、不法行為責任に基づく損害賠償請求をされます(民法709条)。
 これは、何がしかの行為によって相手方の権利を侵害し、その結果損害を生ぜしめた場合、行為と相当因果関係を有する範囲の損害を賠償することを求められる制度です。

 今回のケースでは、ライトを壊したのは通塾されているお子さんですから、基本的にはお子さんが賠償責任を負います。
 そして、賠償責任を負う範囲ですが、壊したライトのみが責任の範囲だと考えます。無関係のライトについては、不法行為と関係を有するものではないためです。

 もっとも、不法行為は責任能力が備わっていることを前提としています。一般的には12~13歳で責任能力が備わるとされています。
 ガラスを壊した生徒がこの年齢に達していない場合、隣家の住人としては、監督者責任と言って、不法行為をした子供の監督者に対して損害賠償請求を迫ることになります(民法714条)。
 これは、責任能力の無い者には監督義務者がいるのが通常であり、その監督義務者が当該義務を怠ったために損害が生じたという法的構成を取るものです。

 今回のケースでは、ガラスを割ったお子様の年齢などが分からないため、確定的なことは言えませんが、監督義務者の責任追及という形式であれば、ご相談者様が損害賠償請求を負う可能性はゼロではありません。

 ただし、通常、子供の監督義務者はその親であり、通塾途中に起こした不法行為の責任を塾の運営者に求めるのは困難ではないかと思います。

 もっとも、上記は純粋に法的に考えた場合でのお話です。実際に、「子供の行為は親の責任だから、親に対して支払い請求をしてください」と言って支払いを突っぱねてしまっては、塾の経営をしているご相談者様の立場上苦しい部分が出てくると思います。

 そのため、実際に不法行為をしたお子さんとその親御さん、さらにはライトのガラスを割られた隣家の住人の全員がそろった状態でしっかり誰がいくらの金額を支払うかを交渉したほうがよいかと思われます。
 その際に、「仮に訴訟に発展した場合、認められる損害は実際に割れたライトの修理代だけだ」として賠償金額の減額は切り出してもよいのではないかと思われます。

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