ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、創立125周年記念のワールドツアーがスクリーンに登場

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ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、創立125周年記念のワールドツアーがスクリーンに登場

 世界三大オーケストラのひとつともいわれるオランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)。2013年の創立125周年を記念して行った、大規模なワールドツアーをカメラに収めたロードムービーが、この冬スクリーンに登場する。

 RCOは、オランダ・アムステルダムのホール「コンセルトヘボウ」を本拠地とする世界屈指のオーケストラだ。1888年に創立され、100周年を迎えた1988年に正式にロイヤルの称号を授与された。フルオーケストラにも関わらず、その繊細なアンサンブルと上品さで日本にも多くのファンがおり、2015年11月にも来日ツアーを行ったばかりだ。

 2013年の創立125周年を記念し、RCOは1年で50公演をおこなうワールドツアーを発表。未訪の地であった南アフリカなどへ赴くことや、久しく来訪していない国々の再訪を大きく掲げてのツアーとなった。この映画でも登場するアルゼンチンなどの南米は15年振り、そしてロシアは1974年の初訪問以来の実現となった。アルゼンチンから南アフリカ、ロシアへの旅路の中で、オーケストラの団員たちの気さくな素顔を映し出すのと同時に、カメラはコンサート会場のもう一方、その土地その会場で観客席に座る人々、またその町の片隅でコンサート会場に足を運べなかった人々にまでライトをあて、RCOのみならず音楽そのものとの接点を丁寧に描き出す。

 また本作でフォーカスされている数少ないインタビューからは、音楽だけではなくその作品と人間にまつわる社会問題が見えてくるようだ。ムービー冒頭では打楽器が登場。ブルックナーの7番でただ1度しか叩かないシンバルの瞬間を副音声ガイドもかくやという実況で語ることで、現代社会の中での「待つこと」と「孤独」を伝え、またコントラバス奏者がショスタコーヴィチの交響曲10番に隠されたスターリンの影を紹介するシーンでは、その恐怖と不快感の表現の一方で、低音楽器コントラバスというに与えられた新しい役割に心の底から熱くなっている様子が垣間見える。 最後に、2015年11月のRCO来日ツアーに足を運んだファンには嬉しいお知らせだ。チケット半券を提示すると、当日一般料金から300円の割引が受けられる。舞台から降りたオーケストラの姿をスクリーンで見ることで、いっそう深い音楽体験が得られること間違いなしだ。text:yokano

◎公開情報
『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』
2016年1月下旬、渋谷・ユーロスペースにて公開、他全国順次ロードショー
http://rco-movie.com/

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