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特殊装置が鳴り響く地下1000mの巨大施設 いったい何を研究している!?

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「重力波」の存在を予言したアルバート・アインシュタイン

 「重力波」というものをご存じだろうか。天才物理学者のアルバート・アインシュタインは、今からおよそ100年前に発表した「一般相対性理論」の中で、物体が他の物体に引き寄せられる現象「重力」を「時空の歪み」として説明。「時空の歪み」の時間変動が「波の動き」となって伝わる「重力波」の存在を予言した。

 重力波の存在に関する「アインシュタインの予言」は未だに直接的には証明されていない。「重力波」の観測が非常に難しいからだ。理論的には、「重力波」は人が手を振った程度でも発生するとされる。しかし、検出するには質量の巨大な星が激しく動くことで起きる重力波が必要だ。それでもなお現在は技術的なハードルが非常に高く、もし「重力波」を検出できればノーベル賞級の大発見になるといわれている。

地下1000mからの放送に出演した朝日新聞の尾関氏(左)と東京大学の梶田教授(右)

 2011年7月24日のニコニコ生放送「地底1000メートル ノーベル賞の『神岡』から生中継! アインシュタインの宇宙を捕まえる」では、神岡鉱山(岐阜県飛騨市)の地下1000メートルにある東京大学宇宙線研究所の神岡宇宙素粒子研究施設から中継された。現在、同施設では、地球の遙か遠くにある質量の大きな星から届く「重力波」を捕まえるための準備が進められているのだ。

■特殊冷却装置が鳴り響く研究施設

 番組では、東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章教授と朝日新聞編集委員の尾関章氏が、同施設内で対談を行った。尾関氏が「『重力波』でロマンを感じる人はなかなかいないかもしれない」と語りかけると、梶田教授は「(成功すれば)人類の、非常に根本的な空間の概念などに対して、革命的な結果になるのではないかと思っている」と実験の意義を語った。

 一方、視聴者からは「なぜ神岡に研究施設を作ったのか」という質問が寄せられた。梶田教授は「『重力波』の測定器は非常に微細な空間の伸び縮みを観測する必要がある」と説明。その上で、「(かつて施設のあったは東京・三鷹は地面の振動が多く)実験に向いてなかった」とし「(すでに「カミオカンデ」など東京大学宇宙線研究所の施設があった神岡鉱山の地下を計測してみると)非常に地面振動が少ないことがわかったから」と話した。

サファイアの鏡を冷やす特殊冷却装置

 また同施設内では「キュンキュンキュン」という音が鳴り響いているのが番組でも聞き取れ、視聴者から「何の音?」といったコメントがあった。(音の正体は、後述する特殊冷却装置)。普段はなかなか立ち入ることのできない最先端の科学の現場というだけあって、視聴者からは素朴な疑問や探究心に満ちた質問が多く寄せられていた。

「重力波」を検出するためのレーザーを反射するサファイア製の鏡

 番組ではさらに、梶田教授が「重力波」を検出するための装置のある場所を案内。「重力波」を検出するためのレーザー光線を反射するサファイア製の鏡や、この鏡を20K(マイナス257℃)に冷やす特殊冷却装置などを紹介した。なお、今回は1辺が100メートルもあるL字型の装置が紹介されたが、数年後に同施設で稼働する予定の装置はこれを原型とした1辺が3キロメートルの巨大なものだという。ここからも、実験のスケールの大きさがうかがい知れた。

(山下真史)

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]「重力波」検出装置の案内部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv56737333?po=news&ref=news#01:01:47
・東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙線素粒子研究施設
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/

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