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アマゾンの本値引き販売で論争勃発

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家電量販店やディスカウント店、ネットショッピングなどの普及により、“定価”という概念が崩れつつあるなか、定価販売が守られているのが書籍だ。ところが大手通販のAmazonが、発売から一定期間を経た書籍について値引き販売を開始し、話題となっている。

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12月24日付の朝日新聞は、「アマゾンが本の値引き販売 根強い警戒感、参加1社だけ」という記事を掲載した。これは、Amazonが今年6月に続き、2回目となる書籍の値引き販売について紹介したもの。Amazonは出版社に値引き販売への参加をうながしたが、6月の値引き販売が書店の猛烈な反発を招いたため、呼応したのは1社のみだった。

書籍が定価販売されるのは、「再販制度」(再販売価格維持制度)に基づいているためだ。この制度は、出版社が書籍の定価を決定し、書店等はその定価どおりに販売できることを保証するもので、実質的には小売業者の定価販売を義務付けることとなっている。日本書籍出版協会は、書籍の特殊性について、

(1)個々の出版物が他にとってかわることのできない内容をもつ
(2)種類がきわめて多い(現在流通している書籍は約60万点)
(3)新刊発行点数も膨大(新刊書籍だけで、年間約6万5000点)

と、述べたうえで、

「このような特性をもつ出版物を読者の皆さんにお届けする最良の方法は、書店での陳列販売です。(中略)再販制度によって価格が安定しているからこそこうしたことが可能になるのです」

と、説明しており、再販制度がなくなれば、「本の種類が少なくなる」「本の内容が偏る」「価格が高くなる」「遠隔地は都市部より本の価格が上昇する」「町の本屋さんが減る」と、述べている。

前述の記事では、Amazonが特定の出版社の商品をサイトで扱わないようにする「カート外し」をちらつかせていること、さらに出版社の利幅を減らす直取引(取次を挟まずに仕入れること)をもちかけていることなども紹介。「一強状態のアマゾンに流通網を握られるのは、出版文化の危機だ」という識者の意見も紹介しており、ツイッターには、

「警戒する出版界こそが正解」
「うーん、どう考えてみても、書き手(クリエイター)不在の論議だよね。創作する側を守る気持ちはアマゾンにはないんじゃないかと思えてならないんだよね」
「その本の内容に即した装丁、カバー、挿絵。本は色々な人の努力と才能が凝縮している。それを安売りですか。された方の身になって考えて頂きたい」

など、Amazonの手法に対する嫌悪の声があがっている。しかし、1円でも安く本が手に入るほうがありがたいと考える購買者は少なくないようで、

「値引き販売が加速してほしい」
「純粋に市場経済から見ると、本が売れないのは需要がないからではなく、適正価格より高く価格が設定され、動かせないからです」
「時代の流れには逆らえない。もはやAMAZONを黒船呼ばわりすることに違和感。再販制度がいずれ崩れることは、今世紀初めから誰もが予測していたはず」
「どの道この流れに逆らうのも限界だってわからないとか時代錯誤もいいとこ」

と、Amazonの値引き販売を歓迎する声も登場している。

再販制度の理念に理解できる部分もあるが、ただでさえ書籍や雑誌の売上は落ち込みが激しい現在。Amazonが流通に大きな影響力を持っているのはたしかであり、出版業界は今、難しい舵取りを迫られているようだ。
(金子則男)
(R25編集部)

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※コラムの内容は、R25から一部抜粋したものです
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