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ランチはたったの10ドル! シリコンバレーの大物たちがこぞって通う「中華料理店」の秘密とは?

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ハイテク企業が集まるシリコンバレーに、超人気チャイニーズ・レストランがあります。この街から世界へ羽ばたいていった、時代の寵児たちから、長く愛され続ける理由。もちろん、美味しい料理もあるでしょう。でも、それ以上に味わい深いのは、72歳の現役オーナーシェフLaurence Chu氏の哲学。

NextShark」のロングインタビューに氏が語った言葉は、シリコンバレーの精神そのもののように思えてなりません。

庶民派レストランに
セレブが集う理由とは?

エントランスの壁一面を飾るのは、ハリウッドセレブや起業家、政界の大物たちとのツーショット写真。このレストラン「Chef Chu’s」がミリオネアたちから愛されている理由が分かります。

では、この中華料理店が、はたして高級料理店かといえば、さにあらず。“スパイシーポーク”も”鶏肉とカシューナッツの炒めもの”も15ドルあればお釣りがくる、いたって庶民派感覚のレストラン。それが、この街で40年以上人々に愛され続けるゆえんなのかもしれません。

起業家も俳優も政治家も
のれんをくぐれば同じ客

FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグも「Chef Chu’s」の常連客。プリシラ・チャン夫人と来店した時のスリーショットを見せながら、こんな話から始まりました。

「マークはよく来てくれるよ。先週の日曜日も、奥さんと一緒に来店して、その時は2人のご両親も一緒だったね。東海岸からこっちへと引っ越してきたんだって、言ってたよ」

そしてもう一人、この店を愛したシリコンバレーを代表する人物が。故スティーブ・ジョブズも生前、足しげくChu氏の味に惚れ込み通ったひとり。
あるとき、ジョブズは他のお客と同じように来店し、テーブルが空くまで45分待ったそうです。

「最初、彼がどんなに有名な人物かなんて、知らならかったんだ。こっちも生計を立てるのに必死だったからね。それがある日、『TIME』の表紙を飾っているじゃない。本当にびっくりしたよ」

いくら成功を収めた起業家であっても、スーパースターでも、医者でも、教師でも、大工でも、テーブルに着けば肩書は関係なし。誰にも等しく一流のサービスでもてなす。それが、Chef Chu’sの流儀。

テイクアウト専門店から掴んだ
アメリカンドリーム

1970年、Chu氏は自分のレストランを持つ夢を実現します。つぶれたコインランドリーを買い取り、美容室と修理屋に挟まれた小さな空間で、テイクアウト専門の中華料理店がスタートしました。

中国で生まれ、台湾、香港で育ったオーナーの、リーズナブルなチャイニーズは評判を呼び、半年後には事業を拡大。お客さんが座って食事を楽しめるスペースを確保するため、隣の美容室を買収。さらに3年後、貯金と投資を合わせ、区画をすべて手に入れたChu氏の店は、最新式の厨房施設を導入したレストランへとステップアップしていったのです。

向上心を止めない
死に物狂いで挑む

こうして、レストランオーナーとして、最初の成功を収めたChu氏。普通なら、ここから2店舗、3店舗と事業を拡大していきそうですが、彼の考えていたことはまったく別物。Cheさんは、自分のレストランで雇ったシェフから、料理のスキルをイチから学び、20年かけて技術を習得していったのです。

「とにかく、死に物狂いで働いたね。店を出れば、毎晩ベッドに倒れ込む。こんな生活を20年間も続けてきたんだよ」

今ある境遇に決して満足しない。つねに向上心を持ち、新しいスキルを身につけることで、Che氏は自分の店にやって来るお客たちが求めるものを、提供し続けていったのです。

本物であり続けるには、
努力を惜しまないこと

ところで、Chu氏の父親もまたレストランのオーナーでした。ですが、父親の店は彼がまだ若い頃、あまりの不衛生さに見かねた保健所から営業停止命令が出て、閉店に追い込まれたそうです。父の失敗を目の当たりにしていたChu氏が、人一倍、衛生環境や清潔感にこだわる理由もやはりそこ。彼は、朝から晩まで鍋を振るかたわら、レストラン経営学を習得すべく、店の空き時間を使って大学に通いました。

「店で働くスタッフ一人ひとりが衛生に気を遣うことが、どれだけ大切か。24時間、毎秒毎分働き続けなければいけない仕事なんて、清潔をおいて他にないよ。たとえば、料理を盛り付ける皿に載るものは、すべて食用でなければダメ。見た目がいいからってだけで、食べられない花を飾ってどうすんだい?お客様に提供する、それを真摯に突き詰めていけば、根底にあるのは清潔だよ」

本物であることにひたすら情熱を傾け、こうしてLaurence Chuは「Ched Chu’s」のオーナーシェフになったのです。

最高のチームづくりと、
リーダーであり続けること

Chef Chu’sはシリコンバレーにただ1店。なぜ、人を増やして新店舗を開かないのか?これまでに幾度となくおなじ質問に答えてきたのかもしれません。それこそが40年以上愛され続ける秘訣とばかりに、Chu氏は、こう切り出しました。

「たぶん、あなた方が経営しているレストランと、うちはまったくタイプが違うんだよ。成功するには、素晴らしいチームが必要。スタッフにとってただの仕事だったとしても、私には彼らの人生を背負う責任がある。スタッフのほとんどが、20年、30年と私のために働いてくれるんだ。なぜだと思う?信頼が伝わっているからさ。決して彼らを失望させない。スタッフに対して、真のリーダーであることを示し続ける。簡単なことじゃないよ。

72歳、一生勉強。
ものづくりの哲学は、
シリコンバレーの精神そのもの

誰にも負けない努力と情熱で、成功を手にしたChu氏。豊富な知識と経験を得てもなお、彼はこう豪語します。「自分は永遠に生徒であり、学ぶことを止める気はない」と。これこそ、40年以上に渡って、この街で彼がトップランナーであり続ける理由ではないでしょうか。

「みんなこう言うんだ。『もう十分稼いだじゃないか』って。だけど、私は自分の仕事に誇りを持っている。自分の技術や哲学、本能を誰よりも信じているんだ。仕事にはつねに100%だし、自分の情熱と成長に疑いなんてひとつもないよ。人間立ち止まったら終わり。世界はつねに変化し続けているんだし。私は、歴史を作っているんだよ」

毎日、厨房に指示を飛ばし、お客が来店するたびにテーブルを回って一人ひとりに声をかける。72歳にしていまだ現役。Chu氏の飽くなきチャレンジこそ、「変化し続けること」を恐れず厭わない、このシリコンバレーの精神そのものなのかもしれませんね。

 Reference:Chef Chu’s
Licensed material used with permission by NextShark

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