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高速バスが夜行列車廃止で進化 ホテル並み豪華仕様の座席も

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 最近ネット上でたびたび話題になるのが、長距離の高速バス、とくに夜行バスでの乗車マナーだ。少し前に夜行バスで運転手が行なった「一斉リクライニング」呼びかけのアナウンスが話題になった。座席を倒しやすくなると好意的な意見が目立ったが、高速バス予約サイト「高速バスドットコム」が運営する高速バス専門ウェブメディア「バスラボ」担当の西田さんによれば、一斉リクライニングについては賛否両論が存在する。

「車内アナウンスで『一斉リクライニング』を呼びかけることが恒例になっているバス会社もあり、それがあるからとリピーターになっているお客さんもいらっしゃいます。その一方で、あまりに遠慮なく座席を倒されるとトイレ休憩に立ちづらいというご意見も。どの方法がもっとも快適なのかは意見が分かれるところです。弊社アンケートによれば夜行バスでは『眠れるが不十分』57%、次が『ほとんど寝つけない』22%でした。眠れない理由としてもっとも多いのが『足が伸ばせない』(64%)こと。皆さん、いろいろ工夫されています。

 夜行バスは、意外と他の乗り物に比べて経験者が少なく、利用者に若い人が多いこともあってノウハウやマナーの蓄積はこれからです。バスの種類も増えて、飛行機でいうビジネスクラスのようにゆったりした広い座席を選ぶこともできます。バス会社も日本全国に多数あり、利用方法のスタンダードも定まっていません。そのため、幣サイトでは基本的なことから検索、相談できる、快適に過ごすための座席の選び方などの情報提供をしています」

 高速バスの利用者の年齢層は、実際に若い。LCC(格安航空会社)、既存の航空会社、高速バスと鉄道、いずれでも利用できる区間を旅行した人へのアンケート調査によると、高速バス利用者の42%が15~29歳だった(国土交通省調べ)。若者が高速バスを好んで利用していることがわかる。若者に人気の高速バスは、路線数も輸送人員も増加し続けている。

 バスの区分が難しいため正確な比較ではないが、乗合バス(※一部高速乗合バス含む)の輸送人員が1968年に約101億人をピークに減少、現在では約40億人まで落ち込んでいるのに対し、高速バスは増え続けている。1990年の約5千万人から2008年には1億人を超えた(国土交通省調べ)。2012年に乗客45人が死傷した高速バス事故が関越自動車道で起きたが、利用者のニーズが大きく萎縮することなく「市場全体として伸びている手ごたえがあります」(前出・西田さん)。

 なぜ若者たちは高速バスを選択するのか。都市計画や鉄道に詳しいライターの小川裕夫さんによれば、旅する若者にとって鉄道の使い勝手が悪くなったからだという。

「人件費や設備投資などの問題からJRは夜行列車をどんどん廃止しています。いま東京都内から出発する定期運行の夜行はサンライズ瀬戸・出雲とカシオペアだけです。新幹線の最終を逃したビジネスマンにお馴染みだった東京と大阪を結ぶ急行銀河は2008年に廃止され、『青春18きっぷ』と組み合わせて使う人が多い『ムーンライトながら』も2009年3月から臨時列車でしか走っていません。昔なら夜行を選んでいた人たちが、高速バスを選んでいます。

 速く移動できる新幹線や、カシオペアのような豪華寝台列車に比べて安価だということもありますが、最近の夜行バスは座席もバラエティに富んでいて選べますし、座席ごとに電源が用意され車内wifiでネット使い放題の車両もあります。まるで移動するホテルです。女性専用車両や、個室風などゆったり過ごしやすい座席が選べるようになったことで女性の利用者が増えたことも高速バス利用の後押しをしています」

 最近、全国のバス会社が豪華座席の夜行バス向け車両を次々と導入しているが、その意匠はまるでホテルの女性向けプランのよう。たとえばカーテンや簡易パーテーションで個室のような座席、156度までリクライニングできるシート、無重力状態の快適睡眠が可能なシート、ライトつき鏡があるパウダールーム、各種アメニティ、イオン発生器、といった具合だ。

 昨年から首都圏や関西圏のホテルは予約が難しく、高騰している。無理して高いホテルを確保するより、しっかり眠れる設備のバスで移動したほうがお得といえるかもしれない。


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