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人生は壮大な実験だ。本田直之が提案する「新しい生き方」とは

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1年の6ヶ月をハワイ、3ヶ月を東京、2ヶ月をヨーロッパ、残りをアジアなどへ旅しながら仕事と遊びの垣根のないライフスタイルを送る、本田直之氏。 
テクノロジーの進化や、より精神的な豊かさを求める時代になってきた今、これからのライフスタイルの可能性について伺った。

自分らしく生きるために
ライフスタイルのオプションを持つ

———— 昨今の本田直之さんといえばライフスタイルの提案をされているイメージが強いのですが、そのきっかけはあったのでしょうか?

本田 きっかけはない。今までやってきたことではなくて、今自分がやっていることや感じていることを発信しているだけ。
それは、まだ日本人が気付いていないことだったりするからね。

僕の場合、90年代、経営者になるまでの間にやってきたことは「レバレッジシーズ」として10冊程出版してきた。
2004年以降にハワイと日本に住むデュアルライフという生活の準備をはじめてからは、「新しい働き方」「脱東京」「TraveLife」などを出版して、より僕の今を発信している。

具体的には、みんな色んなことができるのに気付いていないし、チャンスを活かせてないし、もったいないってこと。生き方のオプションっていうか。
ライフスタイルって人それぞれ色んなことがあって、どれが正解とかはないんだけど、ライフスタイルのオプションをたくさん持っていないとやっぱり選べないんだよね。

それを知ってもらうために、まずは本という形で書いて、それと今の自分が実際にやっていることがメディアで特集されたりして広まってきている感じかな。

————本田さんご自身は生き方のロールモデルになっている人はいましたか?

本田 それはいないね。よく言われるんだけど、やっぱり人ってみんな違う。もちろん、色んな部分を参考にすることはあるよ。でも、「あの人に憧れる」とか、本来間違っていると思う。

「あっ、あの人がやっていることなら自分でもできるな」と思うのは大事。
でも、「この人に憧れます」とはっきり言っている人は、絶対そこに行けないからね。

例えば、僕がハワイに移住したのも、サーフィンができるし、気候が過ごしやすい場所で生きていきたいってのもあるし、なによりもハワイに住んでることが好きなんだよね。誰かのまねをしたいわけではない。

————自分らしく生きたくても、実現できていない方は多くいます。本田さんと何が違うのでしょうか?

本田 やらないだけだと思う。人間には2種類あって、矢沢永吉さんが言っていたけど、「やる奴はやるし、やらない奴はやらない」。
その代わり、やると決めたんだったら、それなりのリスクも当然あるし、覚悟も必要だし、準備も必要だし、スキルも必要だってことを忘れてはいけない。
よくありがちなんだけど、何もなくてやるのは、それは結果だけを見てる。みんな準備とかしてきたわけだし、それなりのリスクとかも当然あるわけだからさ、それを持っていないとだめだよね。

あとは、テクノロジーを使いこなせばできるのに、何でやらないのと思うけど、知らない人が多すぎるんだよね。
こんなに便利で色んなことができるのに、「えっ、そんな使い方してたの?」っていう人が多い。世の中の9割ぐらいの人がそうだと思う。

これから5年、10年後は
もっとすごい世の中になる

————テクノロジーの変化や時代の価値観も変わる中で、本田さんの中でも変わっているものはありますか?

本田 僕の中の価値観は変わってないけど、テクノロジーが進化したおかげで、やっぱり個人がやれることは増えたよね。
たかが20年前とかは、デスクトップしかなかった。まあ携帯電話もあまりなかったわけだし、10年前はiPhoneもなかった。

僕は2005年までは、デスクトップとノートパソコンを5:5くらいの割合で使っていた。だから机に居なきゃいけない時代だったんだよね。それが2010年ぐらいには、もうデスクトップを使わなくなった。
iPhoneが出たのがアメリカで2007年、日本は2008年だけど、それが大きかったよね。回線もまだ今みたいな4Gではなかったし、仕事という意味でいうと、7~8割がノートパソコン、2~3割がiPhone。だから、まだ2~3割しか解放されていなかった。
やっぱりデスクトップからノートに変わっても、移動しながらはできないわけだし、場所が必要なんだよね。動けるけども座んなきゃいけない。

それが今、2015年にどうなったかというと、僕の場合はほぼノートパソコンを開かない日が何日も続くぐらい、8割方はiPhoneで成り立ってしまう。
だからどういうことかというと、5年単位で急速にテクノロジーが変わっているってこと。
で、とうとう机もいらなくなってきているわけ。オフィスにいるときでさえ、ソファーで仕事することが多い。
ということはもう、だいぶ自由になっているわけじゃん。どこにいてもいいし。

でも、もし10年前に戻った時に今と同じことができるかって言ったら無理なんだよね。こんなすごい時代、たった5年おきに変化がある時代、もっと前の2000年なんて全然なかった。
じゃあこれから5年、10年経ったとき、本当にこういったものを使いこなせないと損なんだよね。

————本当ですね。テクノロジーを使いこなせれば、後はやるかやらないかの世界になります。

本田 もう1つはやっぱり生き方の価値観だよね。
世の中全体が大きく変わってきていて、昔は資本主義バリバリ。一生懸命働いて、一生懸命稼いで、一生懸命お金をつかって……これが正しいと思わされていた。

確かに90年代ぐらいまではそうだったよね。僕らが子供の時にクーラーとか家に入ったら、超嬉しかった。電子レンジすげえとか、ビデオすげえ、ウォークマンすげえみたいな、そんな時代じゃん。
でも今はみんな揃っていて、必要以上の状況になってきている。そういう時に、「大事だったものってなんだったっけ?」を、すごい考えるようになってきた。
で、やっぱりたった100年ぐらいなんだよね。物質至上主義は。戦後そういう風に変わってしまったものを今はまた取り戻しつつあるのかな。
物質至上主義よりも精神的なものを追い求める時代になってきているわけだし、そこをまた知らないと。

つまり、物質至上主義から離れて精神的な豊かさを求めるのが大事だよねと気付くのと同時に、この時代のテクノロジーをうまく活かすことができたらもっと自由だし、もっと開放されるし、もっとハッピーな生き方ができる時代になってくると思う。

僕自身も、そんなに凄い人になりたいわけでもなかったし、時計とか昔は買ったけど違うなとか思ったり、わかりやすいブランド物には興味がない。
2004年頃からかな、デュアルライフの準備をしはじめて、上場企業の非常勤取締役とかもやってより自分で色んなことを考えるようになって、国内外を旅して周っている内に、その考えにドライブがかかっていった。

旅をするように生きる

————本田さんといえば“旅”というイメージもありますが、ご自身の価値観の中に昔から“旅”はあったのでしょうか?

本田 僕にとっては、旅はすごく大きい。そして、旅ってモビリティが必要。自由で開放されていなければいけない。

ツアーの旅行ではないので、自分で考えていかなければいけないしさ。もちろんハプニングもあるだろうし、身軽でなきゃいけない。
旅してる時に、それこそ色んな国の人とも出会う。そこで僕が暮らしてもいたフィジーとかハワイとかさ、そういうところに凄い服を着ていっても、逆にかっこ悪いわけじゃん、スリとかに狙われちゃったりもするし。
意味ないんだよね。素の自分でしか勝負できないところって。そういうのを旅を通じてより強く感じてた。

それに昔は旅にいろんなもの持っていったよ、カメラ持って地図持って。インタビューするならレコーダー持って、スケジュール帳持って。
でも、今はテクノロジーのおかげで、そんなの全部なくなった。より解放されているし、しかもそれがネットワークで繋がっている、ハイスピードで。

————『脱東京』という本も出版して、国内にも目を向けたのはどういった理由からでしょうか?

本田 別にどこでもいいと思っていて、今は国内により目を向けてはいるけど、東京にこだわる必要はないよね。というのと“住む”ということに関して一ヶ所じゃなくてもいいよね、というのは前から一貫して思っていること。

今、世界中を旅して周るなかで、より日本の良さを感じると同時に、特にアメリカに興味を失っている。ハワイはアメリカだけど、アメリカじゃないと思っているからね。
よりアメリカに興味がなくなったのは、マスプロダクションで、マスマーケティングで気持ちが入っていないから。そういうのに飽き飽きしてくる。
でっかいモールがあって、マクドナルドがあって、チェーン店があって、どこ行っても同じ。そもそもアメリカには歴史がない、そうなっちゃうよね。

一方、ここ10年ぐらいヨーロッパへ頻繁に行くようになって、地方都市のちっちゃい村がすごい魅力的なわけ。
なんでだろうなって考えると、そういうチェーンオペレーションとかマスマーケティングが入ってないんだよね。
もっと個があって、手作りであったり、ここでしか売ってなかったり、そこでしか食べれなかったりがあるから、魅力がある。

で、実は日本に目を向けてみたらいっぱいあるんだよね。改めて日本の良さに気付かされた。
歴史もあるし、昔は独自の文化がすごくあったと思う。それを一時期、資本主義の流れで東京一極集中になって、ちょっと似たような方向に走り出しちゃった。
だけど掘り下げてみると日本は歴史があるから、もともと持っているものをみんな気付いていないだけだったんだ。
当たり前と思っているものが、見直されはじめていて、改めて見ていくと素晴らしい素敵なところだった。

————最近も島根県にも行っていたようですね。そういった土地の魅力はどこにあるのでしょうか?

本田 山陰地方はイケてるなと思う。なぜならばすごいアクセス悪いから。電車なんかで行くとめちゃくちゃ大変なわけ。出雲大社があるから島根に行く人もいると思うけど、それ以外のエリアはアクセスが悪い。
最近、移住関連で話題になっている隠岐島の海士町なんて行くと12時間ぐらいかかる。東京からニューヨークに行くのと同じくらいだよね。

だけど、海士町の人が言っていることがすごく面白いと思ったのが、東京は最先端で、海士町は最後尾。だけどここ数年、無いものが無いのが良いとかさ、もっと物質至上主義から精神的なものに変わっている。
実際に最後尾は最先端になれるチャンスがある、ということだよね。まさにその通りだなと思った。

実は、鳥取なんかつい最近、というか先週まで行ったことが無かったし、島根も石見銀山が世界遺産になる前年に「これ絶対になるから先に行っとこ」と思って行ったぐらい。
だけど、実際に行ってみたらすごい良い所だった。しかも、独特の文化があって、人が来ないからこそ、結果的に守られているんだよね。

人生を実験と思って
色々やってみる

————最後に、本田さんの、これから目指しているライフスタイルをお聞きしたいと思います。

本田 今後どうしていきたいのかというのは無い。
今やっていることが、面白いと思ってやっているわけだし、もっとドライブがかかっていくことはあるけど。

例えば、あと5年後にはパソコンにキーボードも無くなるんじゃないかなと思う。言語の壁も自動翻訳とかで無くなる、とかっていう時代になると、もっと開放されるわけじゃん。もしかしたらiPhoneを持ち歩くことも無くなる。
そしたら、もっと自由になるし、これを続けていたら面白いでしょ。それを突き詰めていきたい。

————本田さんは、「人生は壮大な実験」ともおっしゃっていますよね。

本田 そうだね。実験と思って色々やってみる。うまくいかなかったら変えればいい話。あんまりこだわる必要はないし、正解もない。
これからテクノロジーもさらに進化し、今まで想像できなかった世界になるはず。だから実験し続けるしかないし、じゃないと面白くないよね。
ハワイと日本のデュアルライフをはじめた頃も、前例はなかったし、もうやるしかないという想いだった。どうなるか分からないけど、まずはやってみる。

今はリスクも少なくなってきた。昔は色々やろうと思ったら、すごい膨大なコストがかかったし、会社を経営するにしても、もし今から20年前だったら、人を何十人も雇わないといけないし、オフィスも構えないといけないし、やっぱりリスクはあった。
でも、今の僕のやり方だったら、ほぼコストがかかってないから、「明日辞める」って言っても困らない。

実験し続ける。旅をするように生きる。
旅も正解ないわけだしさ、当然いろんなハプニングがあったりとかするけど、それが面白かったりする。
人生もそれと同じだよね。

コンテンツ提供元:QREATOR AGENT

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