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池上彰、新聞の軽減税率適用は政権迎合につながると疑問呈す 「新聞業界全体に対して危惧を持っている」

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軽減税率の対象品目に「新聞の定期購読料」を含むことが、12月24日に閣議決定された。これを受けてジャーナリストの池上彰さんが、朝日新聞に連載中のコラムで新聞報道に対する痛烈な批判を展開している。

25日付け紙面に掲載されたコラムでは、軽減税率の適用品目が決まったことについて17日付け朝日新聞朝刊が「来夏の参院選を意識する首相官邸の意向が色濃く反映された内容となった」と論評したことを引用。記事のあいまいな書き方をこう皮肉った。

「(官邸の意向とは)何を指すのでしょうか。食品全般を軽減税率の対象にしたことでしょうか、『週2回以上発行する新聞を定期購読する場合』も参院選を意識しているのでしょうか」

「電気やガス、水道は、なぜ軽減税率の対象にならなかったのか」

池上氏は、政府が新聞を軽減税率の対象としたことについて「参院選対策」であると示唆しているが、さらに読者を代弁する形でこう言い切っている。

「安倍政権は、新聞に軽減税率を適用することで新聞社に恩を売った。そう受け止めている読者も多いはずです」

そのうえで「安倍政権は今後、新聞報道に対し、見返りを要求することはないのか。あるいは、それを仄めかすことはないのか」という疑念を示す。見返りを要求するのは当然の帰結であり、その事態を招いたのは新聞社自身と言わんばかりの強い調子だ。

さらに池上氏は、朝日新聞社の飯田真也会長が17日付け紙面で「民主主義を支え活字文化を守るためには、知識への課税は最小限度にとどめるべき」「生活必需品である食料品に加え、宅配の新聞が対象に」とコメントしたことについても、その矛盾を論破した。

「『知識への課税は最小限度にとどめるべき』なら、学習塾、英会話教室、カルチャースクールの入学金や授業料はどうなのか。『生活必需品』だから軽減されるなら、電気やガス、水道は、なぜ軽減税率の対象にならなかったのか」

現役記者も「国家が口を挟む絶好の口実になる」と危惧

新聞を軽減税率の適用品目とすることについて、ネットでは「新聞は公共財じゃない」「新聞なんて生活必需品じゃない」「なくなってもいい」と激しい批判の声が高まっている。

池上氏も、新聞社は読者の疑問にどのように向き合い、新聞の必要性を実感させることができるのかと問題を提起。「新聞社には、課税は軽くなっても責任は重くなったのです」と結んでいる。

新聞の軽減税率適用については、現場の記者からも異をとなえる声があがっている。朝日新聞の丹治吉順記者(@tanji_y)は12月24日、ツイッターに「新聞への軽減税率2%の適用に反対します」と投稿。池上氏のコラムにも「趣旨に全面賛同」と投稿している。

池上氏は「もちろん現場の記者に、そんな意識はないでしょうが」としながらも、新聞社の経営幹部が軽減税率の見返りに安倍政権の意向を汲んだ指示を下すことは「考えたくもありません」とし、これは特定の新聞だけではなく「新聞業界全体に対して危惧を持っているのです」と明かす。

丹治記者も「税を口実に編集内容に国家が口を挟(む)絶好の口実になる」と指摘し、知識・情報の流通への税負担を軽減するならば、「いま最も盛んな情報流通の場であるウェブやそのインフラである通信網までも含めた議論をしなければ、説得力はないでしょう」と指摘する。
新聞は「ジャーナリズムより自分の給料を選んだ」という批判も

徳島新聞の元記者で法政大学准教授の藤代裕之氏(@fujisiro)も、ツイッターで軽減税率の適用に新聞社で働くジャーナリストたちが反対すべきだったと主張している。

「労使が一緒になって権力にお願いごとをする異常さと、その後に何が起きるのかよりも、自分の給料を選んだということだからなあ。それで社会の公器とかジャーナリズムとか言えたもんじゃないと思うが…」

知識への課税の負担減という大義名分の裏で、「自分の給料」を守りたいという思惑があるのなら、新聞に対する信頼度は大幅な下落を招きかねない。

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