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日本は難民を受け入れる義務があるのか?難民支援協会トークイベントレポート

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TRiPORTライターのレティです。
近年、日本でも「難民」という言葉をよく聞くようになりました。シリア戦争から逃れるためにギュウギュウの船に乗って西欧へ渡る人の写真、ギリシャの海で命を落とした子どもの写真…。日本のメディアで「難民問題」が話題になることも増えましたが、難民のいびつなイメージが普及しているのも事実です。

「日本はもっと難民を受け入れるべきか」という論争が続いている中で賛否が分かれていますが、そもそも「難民」について、ある程度知っている人はどのくらいるのでしょうか?

今回は東京女子大学で行われたトークイベントに登壇された難民支援協会の方から、日本で暮らす難民の話を伺いました。

そもそも難民とは?

「難民」と聞くと、ネガディブなイメージを思い浮かべる人は少なくないでしょう。「貧乏」「戦争」、また最近は「テロ」という言葉を連想する人も多いのではと思います。また、日本語では「ネットカフェ難民」という表現も存在しているため、正確な意味を理解できていない場合も珍しくありません。

では、そもそも「難民」という言葉は何を指すのでしょう? 検索してみると、以下の定義が出てきます。

① 天災・戦禍などによって、やむをえず住んでいる地を離れた人々。
② 人種・宗教・政治的意見の相違などによる迫害を避け、国外に逃れた人々。

いずれにせよ、「難しい」状況に置かれたゆえに、母国から逃れた人を指していることがわかります。しかし、難民は必ずしも「貧乏」な人だとは限らないし、そもそも「テロ」の一番の被害者は難民自身です。

2014年時点で世界の難民は約5,950万人(※1)でした。シリア戦争から逃げている難民が今も増えつつありますが、改宗した、民主化活動に参加した、同性を好きになったなどの理由で、母国の政府から迫害を受けて国外へ逃れる人もいます。その中で2014年に日本で難民申請を行った人が5,000人がいたのですが、認定されたのはたった11人。(※2)

日本では難民として認めてもらうための手続きは3年から5年かかるといわれています。とても厳しい難民認定制度を持っている日本では、「日本の安全を守るために難民を受け入れるべきではない」と主張する人もいますが、忘れてはいけないのは日本は難民を受け入れる義務があることです。

(※1)参照:UNHCRウエブサイト
(※2)参照:法務省入国管理局ウェブサイト

難民条約が定める追放・送還の禁止

1951年に難民の地位に関する条約(省略「難民条約」)が採択されました。この国際条約の目的は、国際連合全権委員会議で、難民の人権保障と難民問題解決のための国際協力を効果的にすることです。日本は1981年に難民条約に加入し、2015年時点では加盟国数は145カ国。

日本でも海外でも難民を受け入れることに反対している人は、シリアの内戦の原因を作った欧米の国々が責任を取るべきこと、難民条約では難民を受け入れる義務について記述されていないことを主張しています。確かに、難民条約では「受け入れる義務」という表現が使われていません。

しかし、難民条約の第33条【追放及び送還の禁止】に書いてあるように、「締約国は、難民を、いかなる方法によっても、人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であること、または政治的意見のためにその生命または自由が脅威にさらされるおそれのある領域の国境へ追放しまたは送還してはならない」のです。追放・送還の禁止は難民として認定された人だけではなく、亡命希望者にも当てはまります。

長い旅を経た難民を歓迎する人々

日本に限った話ではありませんが、メディアではしばしば難民に反対する国民デモや、難民の受け入れによるデメリットが話題となっています。しかし世界では難民を歓迎している国もあると忘れてはいけません。
難民に平和や安全を提供できる国は多くはありません。日本は、それができる社会です。その価値を改めて認識した上で、受け入れに伴うだろう文化的摩擦にもきちんと向き合い、乗り越える取り組みを真剣に考えながら、難民を受け入れるメリットについても冷静に考察すべきでしょう。

日本政府は難民を受け入れる前に国内問題を解決しないといけないと述べていますが、難民(移民)も国内問題の解決の一助になり得るのです。難民(移民)を受け入れること自体が人口減少問題の対策のひとつであり、経済成長とつながっていくのではないでしょうか。

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KEIN TAG WIE JEDER ANDERE!!!Unsere Reporter waren heute bei der Ankunft der 1500 #Flüchtlinge am #Dortmunder Hauptbahnhof. Was sich dort abgespielt hat, war Gänsehaut pur. Das passiert wenn Menschen auf Menschen treffen. Wir lassen das Video wohl lieber unkommentiert. Nur eine Sache sei gesagt: #Welcome

Posted by 17:30 SAT.1 NRW on 2015年9月6日

動画:シリア難民を歓迎するドイツ人。17:30 SAT.1 NRWのFBページより

知識を深めて、偏見をなくそう

今後も難民の受け入れに関する賛否が分かれるでしょう。賛成にせよ反対にせよまず難民に関する情報を集めて、知識を深めるべきです。
難民支援協会はRefugee Talkや難民アシスタント養成講座を開催しています。また、学生の難民への関心・理解を深めるために様々な大学でMeal for Refugee(M4R)プロジェクトが実施され、難民の故郷の味を学生食堂のメニューに導入しています。

まずは難民についてもっと学ぶ機会を増やし、偏見をなくすチャンスをつかみましょう!

文・写真:Letizia Guarini

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