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2016年米大統領選、最近の民主党討論会における5つの重要な話題

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米大統領選挙を来年に控え、ヒラリー・クリントンとバーニー・サンダースが最近の民主党討論会にて熱い議論を繰り広げた。しかし、顔を突き合わせたこの議論は、宣伝されていたほどの対決は生み出さなかった。

厳しい攻撃の中には、自身と敵からの発言により注目を独占する共和党の候補者ドナルド・トランプへの非難があったが、あまり驚くほどのものではなかった。クリントンは、トランプが「イスラム国の最高のリクルーターになっている」と、この夜における最も印象的な発言を残した。世論調査ではかなり遅れを取っている3番目の候補者マーチン・オマリーが一歩踏み込み、アメリカが「おしゃべりな億万長者のファシスト申し立て」に対して自由をあきらめるべきではない、と述べた。

民主党全国大会(DNC)のサンダース陣営に起きた亀裂の動揺は素早く退けられ、司会者のデイビット・ミュアーとマーサ・ラッダーツは、安全保障とイスラム国の話題に移った。

ABCニュースは、宣伝用プレ討論で起こりうるシナリオを大きく書き立てたが、彼らを責めることは出来ない。この民主党討論会はおかしなことに、おそらく1980年代のヒットテレビ番組『The Golden Girls(原題)』以来、ヒット番組を生み出していない土曜の夜の時間帯にスケジュールされた。

民主党討論会は、候補者の間で、特に安全保障に関する方針の違いが明るみに出た。また、共和党と民主党の候補者の間で大きな隔たりがあることも明らかになった。解決策をどうすべきかではなく、何が問題であるかに焦点が当たった。

イスラム国の最高のリクルーター:
ドナルド・トランプの方針である、イスラム教徒の米国への入国拒否について質問があがった時、クリントンは、トランプの誇張はイスラム国家の術中に陥る、と述べた。クリントンは、トランプを「イスラム国の最高のリクルーターになっている」と言い、イスラム教徒をバッシングしているトランプのビデオがより多くの新人を引き込むのに用いられている、と付け加えた。この主張の真偽は数日中に徹底的に調べられる予定で、CNNは既にその誤りを指摘した。しかし、クリントンがトランプを相手にするという判断は、共和党の最有力候補や、恐らくまだトランプに反撃する強い発言をしていない共和党のライバルたちへ一線を引いたのだろう。

サンダースの演説で、最も活気づいた場面は、トランプのイスラム教徒とメキシコ人への攻撃について話の中で、「金持ちはより金持ちになる」と、述べた時だ。

データの不正使用:
これは、民主党レースにおける断層線になり得るかもしれない。サンダース陣営が、クリントン陣営のDNCのサーバーにあるファイルに不正にアクセスしたというのだ。サンダース陣営はこの不正に携わったスタッフを解雇したが、DNCは、罰としてサンダース陣営の選挙活動情報へのアクセスを停止した。サンダース陣営はDNCに対する訴訟を起こし、12月18日(現地時間)の遅くにアクセス権を復元した。

討論の際、この件について、サンダースは詰められて謝罪したが、クリントン陣営がサンダース陣営のファイルにアクセスしたかどうかはまだ分からないとも述べた。クリントンはサンダースの謝罪を受け入れ、「私たちは次に進むべきだ」と、述べた。

この騒ぎは、討論のトピックの拡大にしては少し内輪もめすぎるが、いまだにサンダース陣営が何を見たのか、DNC指導権はクリントンに確定したのかどうか、疑惑が募っている。

政権交代:
今までの討論以上に、今回の討論では、クリントン、サンダース、オマリーのそれぞれの諸外国に対する方針に焦点が当たった。特にシリアの話になると、イスラム国を打ち破ると同時に、シリアの大統領バッシャール・アル=アサドを追い出そうとすることが最善策かどうかの議論である。

クリントンは、こうした方針を続けることが必要であるとし、サンダースは、イスラム国を打ち破ることに注力を注ぐべきだとした。サンダースは、「アサドが米国を攻撃しているわけではない。イスラム国だ」と述べ、クリントンは、「手に負えない政権交代」と述べ、中東における力の空白を作ることを終えるべきだとした。オマリーも、「我々は、アサド大統領を退陣させるべきという一人になるべきではない」と、述べた。

クリントンは、サンダースのリビアの介入への支持を指摘した。サンダースは、米国が世界の警察である役割を残念に思う一方、クリントンは、「米国がリードしなければ他にリーダーはいない。空白があるのみ」と、述べた。

意見交換は思慮に富んだものとなり、サンダースとクリントンは、恐らくこの討論会からなにかしらの利益を受けたと思われる。サンダースはもっと安全保障の問題の核心を掴んでいることを見せる必要があった。クリントンが候補者となるならば、クリントンは、中東の大混乱の中で共和党の対抗者に敗れるかもしれない。

みんな私が好き!:
この夜に起こった最も大きな笑いは、「米国の実業界がヒラリーを愛すると思うか?」との質問をクリントンが受けた時だ。クリントンは、この質問に皮肉を込めて「みんなそうすべきよ」と、答えた。

一方、サンダースは、米国の実業界がサンダース大統領を好きになるかという質問について「そうは思わない」と、答えた。

クリントンは、ウォールストリートの資金よりも、学生や教師たちから多くの寄付金を得たと述べたが、サンダースは、クリントンが大金の恩義を受けていると批判した。サンダースは、「私はスーパーPAC(米国の政治資金管理団体)を持っていなし、ウォールストリートからも資金を得ていない」と、述べた。

サンダースは、ウォールストリートに対抗した一般向けの強いキャンペーンメッセージを期待通りに築き上げ、欲求は「経済を壊す」と論議してきた。安全保障の討論における全ての注目を集めるために、サンダースは、この問題が来たるべき2月に有権者を引き入れるものとなるといまだに賭けているようだ。民主主義の原理では、サンダースは正しいのかもしれない。

ヒラリーはどこに?:
クリントンは、放送開始のキューサインに間に合わなかった。ABCが休憩から放送に戻ると、サンダースとオマリーは既にステージ上にいたが、クリントンの姿はなかった。ミュアーとラッダーツが次の質問へ移った30秒後にクリントンは戻ってきた。「すみません」とクリントンは言い、人々を笑わせた。奇妙な瞬間であったが、もしかしたら候補者にとって支持を得る新しい方法かもしれない。トランプは討論の時間の長さについて不服を述べたが、もし、トランプがただその場を離れていたらどうなっていただろうか?

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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