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Google自動運転の成功の裏に隠された、人工知能技術の可能性とは?

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精度がグングン上がっている自動運転の世界

その後多くの研究がなされ、我が日本でも、機械技術研究所にて世界初のマシンビジョンを利用した自動運転車が開発されるなど、この分野に大きく貢献しています。

最近では、2015年6月25日にGoogleが自動運転車のプロトタイプの公道での走行を開始し、従来の自動車とは異なるフォルムと走行方法が大きなニュースとなりました。

時速40kmと低速ですが、ハンドル、アクセル・ブレーキペダルが一切なく、あるのはスタートボタンのみという考えられない車が走行しているから驚きですね。

2020年の実用化を目指し、Google以外にも多くの企業が自動運転の開発に現在乗り出しています。

実際にはどんな技術が使われている?

自動運転を実現するためには、最初のステップとして、道路はどのような状況なのか・障害物はあるか・今現在どこを走っているのか、今どのスピードでどこに向かっているかなどの周りの状況を認識する必要があります。

この認識ステップが正確に行われると、それを元にアクセル・ブレーキ・ハンドルを制御することで走行が行われます。

自動運転を開発する上で最も難しいのがこの認識です。Googleではどのように認識を行っているのでしょうか?

センサーで物体を認識?

Googleでは、状況の認識を行うために、LIDAR(ライダー)とミリ波レーダーを用いています。

Googleの自動運転車を見て、上に付いているサイレンのようなものは何だ?と思った方も多いのではないでしょうか?その謎の物体こそがライダーです。ライダーは車の周りの360度の構造を画像処理することができる優秀なセンサーです。

赤外線レーザーを物体に当てると、わずかに遅れて反射した赤外線が戻ってきますが、そのわずかな時間を計測することで物体との距離感を計ることができます。

これを360度に応用することで、周りにどのような物体がどの距離であるか、どんなスピードで動いているかが把握できます。

次にミリ波レーダーですが、これは車の周りの物体(他の車など)と自身の相対速度と距離を把握できます。この技術はGoogleに限らず、現在多くの車で導入されている緊急の自動ブレーキに応用されています。

あくまで確率的な話で、完璧ではない……

この二つの技術を用いて認識を行いますが、完璧というわけにはいきません。例えばライダーにより車線だと思っていた白い線が実は雪の跡だった、時速40km出すための回転数の判断を誤り時速50km出てしまう、台風時などの豪雨や霧でレーザーやライダーが上手く機能しないなどの場合が考えられます。

あくまで確率的に、このスピード・物体との距離がベストだと判断しているということで、今後この確率をどのように上げていくかが実用化のポイントとなるでしょう。

人工知能の機械学習によって精度を上げる自動運転

コンピュータのデータ処理によって自動運転はますます精度を上げていきます。機械学習を得意とする東京大学発のITベンチャーのプリファード・インフラストラクチャーがトヨタ自動車と手を組み、人工知能を取り入れた自動運転の開発に乗り出しています。

この章では、プリファード・インフラストラクチャーの例を用い、機械学習を使ってどのように自動運転の精度を上げていくのか説明したいと思います。

機械学習のポイントはどのように自動車に「報酬」と「罰」を与えるか、です。自動車に報酬や罰?と思われる方も多いと思います。

簡単に説明すると、スピードをより出したら加点(報酬を与える)し、壁・他の自動車などの障害にぶつかったら減点(罰を与える)するので、より多くの点数を稼ぎなさい!と、このような採点基準を自動車に与えます。

すると、最初は微動だにしない車が点数を稼ごうと、スピードを出し始めます。闇雲にスピードを出そうとしている自動車は当然障害物にぶつかりますが、それでは減点されてしまうので、どうにかぶつからないように工夫し始めます。

このスピード、このような壁との距離ではどうやらぶつかるぞ!ということを学習し、ぶつからないように減速や方向転換を行うようになるのです。

あるスピードでぶつからなくなると、今度は報酬を上げるためさらにスピードを出していきます。しかしそれでは当然またぶつかります。そこでぶつかってしまうスピードと距離感など学習し、またぶつかるのを防ごうとします。そして再びぶつからなくなると、報酬を求めてスピードを上げる。

このような報酬と罰のステップで人工知能を持った車は学習を繰り返し、しばらく実験を繰り返すと、スムーズにスピードを出し、また障害物に一切ぶつからなくなります。

適切な問題設定をしてあげることで、自動運転が正確に状況を認識できる確率は機械学習によりグングン上昇していきます。

(参考:分散深層強化学習でロボット制御

自動運転の進化で未来はどうなる?

自動運転の技術が向上していった未来はどうなるのでしょうか?

Bloombergが報道したところによると、Google は配車サービスを開始する可能性があると言われています。

Google Mapを利用した配車サービスとして有名なUberは、2015年2月2に自動運転に関してカーネギーメロン大学と共同研究する施設を設立することを発表しました。

UberとGoogle 2社の思惑は同じで、未来に無人の車が道路を縦横無尽に走り回る世界を創ろうと考えているようです。

そう遠くない未来には、現在地と行きたい場所を入力すると、走り回る自動車の中から一台が止まり、人を乗せ、目的地へ着いたら降ろしてくれる。

また宅配便も同様で、欲しいものをネットで購入すると倉庫から荷物が自動で取り出され、道路を走り回る自動車の中から一台に乗せ、無人のまま購入者の元へと届く。このように流通に関する考え方が大きく変わる時代になるでしょう。

また自動で会社まで運んでくれるのであれば、そもそも車自体を家のように扱うようになるかもしれません。そうすれば今の車とは全く異なる新しい車の形状ができ、それに伴い車で生活する人へのメディアが登場し、それに伴う新しい広告が生まれ、新たな産業となる。

自動運転の技術の向上が新しい未来を創るのかもしれません。

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