ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

聖夜に読みたい。とびきり美しいフルーツケーキの物語

DATE:
  • ガジェット通信を≫

「おやまあ、フルーツケーキの支度にかかるにはもってこいのお天気だよ!」

クリスマスの足音が聞こえてくる冬のある日、幼い少年とその親友であるおばあちゃんは、フルーツケーキを作る準備に取り掛かります。必要な材料は、小麦粉とバター、卵、どっさりのスパイスとさくらんぼ、シトロン、しょうが、バニラ、パイナップルに、オレンジの皮、干しぶどう、くるみ、それから高価なウイスキー! 2人はなけなしのお金を全部はたいてなんとか材料を揃え、31本(!)ものフルーツケーキを焼くのですが――。

これはアメリカの作家、トルーマン・カポーティが著した『クリスマスの思い出』という短編小説のあらすじです。1956年に発表されたこの作品は、少年と祖母が過ごした最後のクリスマスの風景を描いた、切なくも美しい物語。アメリカでは教科書にも採用され、クリスマスシーズンになると今なお各地で朗読されるほど長きにわたって愛されている小説です。

物語のなかで少年とおばあちゃんが作る「フルーツケーキ」とは、ドライフルーツをたっぷり入れた今でいうところのパウンドケーキのこと。ケークアングレ(Cake Anglais=イギリスの菓子)とも呼ばれるこのケーキは、クリスマスプディングをルーツに持つイギリス伝統の焼き菓子です。

『クリスマスの思い出』に登場する少年とおばあちゃんのように、欧米ではクリスマスには洋酒に漬け込んだドライフルーツをたっぷり入れたフルーツケーキを焼くのが習わしでした。祖母から母へ、母から娘へと、各家庭でオリジナルのレシピが受け継がれていったといわれています。

また、本場イギリスでは「フルーツケーキ」というひとくくりにまとめた呼び方ではなく、チェリーケーキ、プラムケーキというように中に入っているドライフルーツの名前で呼ぶのが一般的。ラムレーズンやドライプルーンの紫、ドライアプリコットの赤、アンゼリカ(茎を砂糖で煮詰めたもの)の緑と、フルーツをたっぷり使ってカラフルな色合いに仕上げたフルーツケーキは、どっしり重い口当たりと濃厚なバターの風味が特徴。日持ちするので、お土産にもぴったりです。

さて、少年とおばあちゃんは31本ものフルーツケーキを誰のために焼いたのでしょう? 興味がある人はぜひ『クリスマスの思い出』を読んで確かめてみてください。少年とおばあちゃんのいとおしい思い出に静かに涙した後、きっとフルーツケーキが食べたくなるはずです。

参考文献:『おいしいスイーツの事典』成美堂出版 『お菓子の由来物語』猫井登

おすすめのレシピ

オレンジのパウンドケーキのレシピ | 料理サプリ

アメリカの定番スイーツ!ズッキーニブレッドのレシピ | 料理サプリ

ココナツオイルのバナナケーキのレシピ | 料理サプリ

カテゴリー : 生活・趣味 タグ :
ゼクシィキッチンコラムの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。