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「携帯料金の値下げ」はユーザーのためにならない? キャリア間の競争は減り、メーカーやショップも減る

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高市総務相は12月18日、大手通信3社の社長を総務省に呼び、「携帯電話の料金引き下げ」の対応を直接要請したという。その後の会見で高市氏は「多くの利用者にとって納得感のある、分かりやすい料金体系やサービスが実現することを期待している」と述べた。

いまやほとんどの人がスマートフォンや携帯電話を利用しており、一般消費者に恩恵があるのかと思いきや、批判的な見方もある。スマホ/ケータイジャーナリストの石川温氏は12月16日の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で、こんな発言をしていた。

「業界的には(総理が)あのタイミングであんなこと言うのか、というのがありました。ただの人気取りの発言でしかなかった」

有識者会議はキャッシュバックを「著しく不公平」というが

値下げ議論は3か月前、安倍総理の「携帯電話の家計負担軽減は課題」との発言に端を発する。これを受けて政府の有識者会議は検討を続け、16日に提言をまとめた。問題とされたのは、実質0円など端末の高額な「購入補助」だ。

番組では、スマホを頻繁に買い替える大浜キャスターと、あまり買い換えない大江キャスターで比較。基本使用料とパケット料金は同じだが、大浜氏はスマホを買い替えた分の端末代2500円が毎月かかる。

ただし大浜氏はパケット代も同時に2500円ほど割引されるため、端末代金が「実質0円」となる。さらに他社から乗り換える場合は、多い時には数十万円分のキャシュバックがつくこともあるという。

その原資となっているのが、大江氏のような長期ユーザーのパケット代だ。有識者会議はこれを「著しく不公平」と指摘しているのだ。

しかし販売代理店は、大手通信会社からの「販売奨励金」を元手に値引きしており、それがなくなれば存続は危うくなる。購入補助の廃止は「死活問題。最後は廃業です」と不安を隠せない。
「新しいスマホ」は高くて買えなくなるかも?

大手通信各社は有識者会議の指摘を受け、データ通信利用が少ないユーザー向けの低価格プランを拡張し、「実質0円」などの行き過ぎたキャッシュバックを見直す方針だという。しかし石川氏はこれによって大手3社の競争がなくなる弊害を懸念する。

「ナンバーポータビリティなどのキャッシュバックがなくなることで、ユーザーの流動性がなくなる。ドコモを使っているとドコモユーザーになり続け、顧客獲得競争がなくなるので、キャリアにとってみると、ぬるま湯状態になる」

端末の割引がなくなることで、端末が売れなくなる結果、メーカーは撤退。販売代理店に対する奨励金もなくなって、ショップも減っていく。

「ユーザーからみると、(新しい)スマートフォンを買いたくても高くて買えなくなる。長い目で見ると、ユーザーのためにならない」

石川氏によると、総務省は「SIMロック解除」や「2年縛り」をなくすなどして競争が起きやすくなるよう準備していたという。それだけに、総理の発言は唐突に感じられたようだ。多くの一般ユーザーは、「スマホやケータイが安く買えるならいい」と考えがちだが、そう単純でもないようだ。(ライター:okei)

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